結論からいうと、エナジードリンクをたくさん飲んでも、呼気中のアルコールをすぐに減らしたり、ゼロにしたりすることはできません。
むしろ、エナジードリンクに含まれるカフェインによって「眠気が減った」「頭が冴えた」と感じても、体内のアルコールが減ったわけではないため、飲酒後の運転を考えている場合には非常に危険です。厚生労働省も、カフェインはアルコールの代謝に影響せず、呼気中アルコール濃度を低下させないと明記しています。
エナジードリンクで呼気アルコールが減らない理由
アルコールは、飲んだ後に血液中へ吸収され、その大部分が肝臓で代謝されます。
つまり、
飲酒
↓
アルコールが血液中に入る
↓
肝臓などで代謝される
↓
時間をかけて体内のアルコールが減る
という仕組みです。
ここにエナジードリンクを飲んでも、カフェインがアルコールを分解してくれるわけではありません。
厚生労働省も、
カフェインはアルコールの代謝に影響しない
呼気中のアルコール濃度を低下させない
としています。
したがって、
「エナジードリンクを大量に飲む→アルコールが早く抜ける」
という方法は成立しません。
「眠気が取れた=酔いが覚めた」ではない
ここがエナジードリンクの特に危険なところです。
エナジードリンクにはカフェインが含まれているため、眠気を感じにくくなることがあります。
例えば、
飲酒
↓
眠い・ぼんやりする
↓
エナジードリンクを飲む
↓
眠気が軽くなる
↓
「酔いが覚めた」と感じる
ということが起こり得ます。
しかし、
カフェインによる覚醒作用 ≠ アルコールの分解
です。
体内にアルコールが残っていれば、呼気中にもアルコールが出てきます。
つまり、本人の感覚だけでは「もうアルコールが抜けた」と判断できません。
エナジードリンクを大量に飲むほど効果があるわけではない
これも重要です。
エナジードリンクを1本飲んだからといってアルコールが早く抜けるわけではありませんし、5本、10本と増やしてもアルコールの分解速度を比例して速めることはできません。
それどころか、カフェインを大量に摂取することによる問題が出てきます。
厚生労働省によると、エナジードリンクには製品によってかなり多くのカフェインが含まれ、1本あたりコーヒー2杯分程度に相当する製品もあります。また、1日に何本も飲まないよう注意喚起されています。
過剰なカフェイン摂取では、
- 動悸
- 手の震え
- 不安感
- 吐き気
- 胃の不快感
- 不眠
- 心拍数の増加
などが問題になることがあります。
つまり、
アルコールは抜けないのに、カフェインだけ大量に摂取する
という状態になりかねません。
エナジードリンクとお酒の組み合わせは特に注意
実は、エナジードリンクとアルコールを組み合わせること自体にも注意が必要です。
厚生労働省は、カフェインがアルコールによる機能低下を「隠す」ことで、飲み過ぎにつながり、アルコールによる健康への悪影響を受けやすくなる可能性を紹介しています。
つまり、
アルコールによる酔い
+
カフェインによる覚醒感
によって、
「思ったより酔っていない」
と錯覚する可能性があります。
これは非常に危険です。
「汗や尿からアルコールを出す」という考え方も基本的に違う
エナジードリンクを大量に飲むと、水分やカフェインの影響でトイレが近くなることがあります。
しかし、
尿がたくさん出る=アルコールが急速に抜ける
ではありません。
アルコールの処理は主として体内の代謝によって進みます。
したがって、
- エナジードリンク
- コーヒー
- 水
- 大量の水分
- 運動
- サウナ
などによって、飲酒後のアルコールを短時間で消すことはできません。
「エナジードリンクを飲んだから運転できる」は絶対にダメ
ここは特に注意してください。
日本では、呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上が酒気帯び運転の基準です。さらに、0.15mg/L未満であっても、酒気を帯びて車両等を運転すること自体が法律で禁止されています。
したがって、
「エナジードリンクを飲んだから眠くない」
という理由で運転してはいけません。
警察庁も、夜遅くまで飲酒した場合には翌朝にも体内にアルコールが残っている可能性があるとして、翌日の運転を控えるよう注意しています。
エナジードリンク・コーヒー・水の違い
| 方法 | アルコールを早く分解できる? | 実際の意味 |
|---|---|---|
| 水 | × | 水分補給 |
| コーヒー | × | カフェインによる覚醒 |
| エナジードリンク | × | カフェイン等による覚醒 |
| 大量の水分 | × | アルコール分解速度を大幅には上げない |
| 運動 | × | アルコールを急速に消す方法ではない |
| サウナ | × | 脱水などに注意 |
| 入浴 | × | アルコールを急速に分解しない |
| 睡眠 | × | 時間が経過することで代謝が進む |
| 時間の経過 | ○ | 体内でアルコールの代謝が進む |
要するに、「アルコールを早く抜く飲み物」は基本的に存在しません。
エナジードリンクを飲むなら「アルコールを抜くため」ではなく別の目的で
飲酒後にエナジードリンクを飲むこと自体を一律に禁止する必要はありませんが、
「これを飲めば酒が抜ける」
という目的で飲むのはやめた方がいいです。
特に、
「飲酒したけどエナジードリンクを何本か飲んで車を運転しよう」
という使い方は絶対に避けるべきです。
必要なのは覚醒ではなく、アルコールが代謝されるだけの時間を確保することだからです。
まとめ
- エナジードリンクを大量に飲んでも呼気アルコールは急速には減らない
- カフェインはアルコールの代謝を速めない
- 呼気中アルコール濃度を低下させる効果もない
- 「眠気が取れた」「頭が冴えた」は「酒が抜けた」という意味ではない
- 大量摂取するとカフェインの過剰摂取にも注意が必要
- アルコール+カフェインは酔いを自覚しにくくする可能性がある
- 呼気アルコールを確実に減らす基本は時間の経過
- 飲酒後に運転するための方法として、エナジードリンクを利用するのは危険
したがって、「エナジードリンクでアルコールを抜く」という発想は、効果がないだけでなく、酔いを自覚しにくくする点でむしろ危険な場合があります。

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