結論からいうと、ファブリーズを飲んでも、呼気中のアルコールを減らしたり、なくしたりすることはできません。絶対に飲まないでください。
ファブリーズは衣類や布製品などの消臭・除菌を目的とした日用品で、飲用するものではありません。P&Gも、製品は表示された用途・使用方法に従って使用するよう案内し、誤摂取を避けるため子どもなどの手の届かない場所に置くよう注意しています。
ファブリーズを飲めば「酒が抜ける」という考えが成り立たない理由
そもそも、飲酒後に呼気から検出されるアルコールは、口の中に残っているアルコールだけではありません。
飲んだアルコールは胃や小腸から吸収されて血液中に入り、その後、主として肝臓で代謝されます。厚生労働省によると、アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われ、呼気などから直接排出される量はごく一部です。
したがって、
ファブリーズを飲む
↓
アルコールを中和する
↓
呼気中のアルコールがなくなる
という仕組みはありません。
「ファブリーズにもアルコールが入っているのでは?」という誤解
ここは少し紛らわしいところです。
実際に、P&Gには「ファブリーズ ダブル除菌 無香料 アルコール成分+」という製品があります。
しかし、この「アルコール」は飲酒用のアルコールではありません。
P&G自身も、この製品はアルコールを主成分とする消毒液ではなく、アルコールは製品の乾燥を助けたり、防腐剤として働いたりする目的で配合されていると説明しています。
つまり、
「アルコールが入っているなら、飲めば体内のアルコールと反応して消えるのでは?」
とはなりません。
むしろ、ファブリーズそのものを飲むことが危険です。
ファブリーズを飲んでも呼気アルコールは下がらない
呼気アルコールを考えるときには、
①口の中のアルコール
飲酒直後などに口腔内に残っているアルコール。
②肺から出てくるアルコール
血液中のアルコールが肺を介して呼気に出てくるもの。
を分けて考える必要があります。
ファブリーズを口に入れたとしても、血液中のアルコールを取り除くことはできません。
したがって、仮に口の中の臭いや感覚が変化したとしても、
「呼気検査でアルコールが検出されなくなる」ことを意味しません。
これはミンティア、ガム、歯磨き、うがい、コーヒーなどでも同じです。
ファブリーズを飲むのは「酒を抜く方法」の中でも特に危険
水や炭酸水などはアルコールを急速に分解するわけではありませんが、少なくとも通常の飲料です。
一方、ファブリーズは飲用を想定した製品ではありません。
P&Gはファブリーズを家庭用の消臭・除菌製品として位置づけています。
そのため、
「少量なら大丈夫」
「アルコール入りだから酒を中和できる」
「飲んで吐けば酒が抜ける」
などと考えて、意図的に飲むのは避けるべきです。
もし間違えてファブリーズを飲んでしまったら
これは「アルコールを抜く方法」として考えるのではなく、誤飲事故として対応するべき問題です。
特に、
- まとまった量を飲んだ
- 吐き気・嘔吐がある
- 意識がおかしい
- めまいが強い
- 呼吸がおかしい
- 子どもが飲んだ
- 何をどれだけ飲んだか分からない
といった場合は、自己判断で様子を見続けるのではなく、医療機関や中毒に関する相談窓口へ相談してください。
無理に吐かせるのも避けたほうがよいです。
製品によって成分が違うため、実際に誤飲した場合は、ボトルを手元に置いて製品名・成分・飲んだ量などを伝えるのが重要です。
本当に呼気中アルコールを減らす方法は?
ここは非常にシンプルです。
時間を置いて、体内でアルコールが代謝されるのを待つことです。
厚生労働省も、アルコールの大部分は肝臓で代謝されると説明しています。水を大量に飲んだり、汗を大量にかいたりしても、アルコールの代謝を大幅に速めることはできません。
したがって、
| 方法 | 呼気中アルコールを急速に減らすか |
|---|---|
| 水 | × |
| 炭酸水 | × |
| コーヒー | × |
| エナジードリンク | × |
| 牛乳 | × |
| お茶 | × |
| ミンティア | × |
| ガム | × |
| 歯磨き | × |
| タバコ | × |
| サウナ | × |
| 運動 | × |
| ファブリーズ | ×・飲むのは危険 |
| 時間の経過 | ○ |
となります。
特に重要
「口の中の酒臭さを消すこと」と「体内のアルコールをなくすこと」は全く別です。
ファブリーズで口の臭いを変えようとしても、血液中のアルコール濃度が下がるわけではありません。
そして、もし目的が飲酒後に車を運転するために呼気アルコールを下げることであれば、ファブリーズを含めて「呼気検査をすり抜ける方法」を探すのはやめてください。飲酒後は運転せず、公共交通機関・タクシー・代行・宿泊などを利用するのが安全です。
ファブリーズは「酒を抜く薬」ではなく、そもそも飲んではいけない日用品です。

コメント