結論からいうと、お茶をたくさん飲んでも、呼気中のアルコールをすぐに減らしたり、ゼロにしたりすることはできません。
お茶が水分補給になることはありますが、すでに体内へ吸収されたアルコールを急速に分解する作用はありません。厚生労働省によると、アルコールの代謝のほとんどは肝臓で行われ、汗・尿・呼気から直接排出される量はごくわずかです。水をたくさん飲んでもアルコールが速く抜けるわけではないのと同じ考え方です。
お茶を大量に飲めば呼気アルコールが減るのか
基本的には減りません。
例えば、
飲酒
↓
お茶を大量に飲む
↓
尿がたくさん出る
↓
アルコールも早く体外へ出る
というイメージがありますが、これは正しくありません。
アルコールは体内に吸収された後、その大部分が肝臓で代謝されます。厚労省も「水をたくさん飲んだり、汗をたくさんかいたりするとアルコールが速く抜ける」という考えは誤りだと説明しています。
したがって、お茶を2L、3Lと大量に飲んだからといって、呼気中アルコールが急速にゼロになるわけではありません。
緑茶・紅茶などの「カフェイン入りのお茶」はどうなのか
ここは特に注意が必要です。
緑茶、紅茶、ウーロン茶などにはカフェインが含まれています。厚労省によると、代表的なカフェイン量の目安は、100mLあたり、
- コーヒー:約60mg
- 紅茶:約30mg
- せん茶:約20mg
- ほうじ茶:約20mg
- ウーロン茶:約20mg
- 玄米茶:約10mg
とされています。
しかし、カフェインがアルコールを分解してくれるわけではありません。
カフェインを含む飲み物を飲んでも、
カフェイン摂取 → アルコール分解速度が大幅に上昇
とはなりません。
厚労省も、カフェインはアルコールの代謝に影響せず、呼気中アルコール濃度を低下させないと説明しています
「お茶を飲んだら頭がスッキリした」は危険な勘違い
緑茶や紅茶などのカフェインによって、眠気が軽くなったり、覚醒感が得られたりすることがあります。
そのため、
「お酒を飲んだけど、お茶を飲んだらスッキリした」
という感覚になる可能性があります。
しかし、
眠気が減ることと、アルコールが体内からなくなることは全く別です。
例えば、
アルコールが残っている
↓
お茶を飲む
↓
カフェインで眠気が軽くなる
↓
「酔いが覚めた」と感じる
ということはあり得ます。
しかし、血液中のアルコールが残っていれば、呼気中にもアルコールが出てくる可能性があります。
つまり、
「頭がスッキリした」=「アルコールが抜けた」ではありません。
麦茶なら違う?
麦茶のように基本的にカフェインを含まないお茶であっても、アルコールを早く抜く効果はありません。
麦茶を飲むこと自体は水分補給になります。
しかし、
麦茶を大量に飲む
↓
尿が増える
↓
アルコールが急速に排出される
ということにはなりません。
つまり、カフェインが入っているかどうかに関係なく、「お茶を飲めばアルコールが早く抜ける」という考え方は誤りです。
お茶を大量に飲むことには別の問題もある
特に緑茶・紅茶・ウーロン茶などを大量に飲めば、カフェインも大量に摂取することになります。
厚労省は、カフェインの過剰摂取について注意喚起しており、カフェインの摂り過ぎによって健康上の問題が生じる可能性があります
そのため、
「アルコールを抜くためにカフェイン入りのお茶を大量に飲む」
という方法はおすすめできません。
大量に飲んでもアルコールは早く抜けない一方で、カフェインを過剰に摂取してしまう可能性があります。
水とお茶ならどちらがアルコールを早く抜く?
どちらも早く抜くことはできません。
| 方法 | アルコールを急速に減らす? | 主な意味 |
|---|---|---|
| 水 | × | 水分補給 |
| 麦茶 | × | 水分補給 |
| 緑茶 | × | 水分補給+カフェイン摂取 |
| ウーロン茶 | × | 水分補給+カフェイン摂取 |
| 紅茶 | × | 水分補給+カフェイン摂取 |
| コーヒー | × | カフェインによる覚醒など |
| エナジードリンク | × | カフェイン等による覚醒 |
| 炭酸水 | × | 水分補給、飲酒量を抑える用途など |
| 運動 | × | アルコールを急速に除去できない |
| サウナ | × | 脱水に注意 |
| 時間の経過 | ○ | 体内で代謝が進む |
厚労省によれば、アルコールの代謝には個人差が大きく、飲酒量や体格などによっても血中アルコール濃度は変わります。
「お茶を飲んでトイレに行けば酒が抜ける」は誤解
これは水の場合と同じです。
お茶を大量に飲めば、当然尿量が増えることはあります。
しかし、
尿量が増えること=アルコール分解速度が上がること
ではありません。
アルコールの大部分は尿としてそのまま出ているのではなく、体内で代謝されています。厚労省によると、呼気・汗・尿から直接排出される割合はごく一部です。
したがって、
「お茶を大量に飲んで何度もトイレに行けば酒が抜ける」
という方法には期待できません。
飲酒中にお茶を飲むのは意味がある
一方で、飲酒中にお茶や水などを飲むこと自体には意味があります。
例えば、
ビール → お茶 → ビール → お茶
のようにすれば、酒そのものを飲むペースや量を抑えられる可能性があります。
これは、
「すでに体内にあるアルコールを早く抜く」
のではなく、
「これから摂取するアルコール量を減らす」
という意味で有効です。
ここは両者を区別する必要があります。
飲酒後の運転目的なら、お茶は使えない
もし「お茶を大量に飲んで呼気検査のアルコール値を下げて、その後に運転したい」という意味であれば、お茶はその目的には使えません。
警察庁によると、日本では呼気中アルコール濃度0.15mg/L以上が酒気帯び運転の基準です。また、0.15mg/L未満であっても、酒気を帯びて運転すること自体が法律で禁止されています。
さらに警察庁は、夜遅くまで飲酒した場合、翌朝にも体内にアルコールが残っている可能性があるため、運転を控えるように注意しています。
したがって、
「お茶を飲んだから大丈夫」
「眠気がなくなったから大丈夫」
という判断はしないでください。
結論
お茶について整理すると、
- お茶を大量に飲んでも呼気中アルコールは急速には減らない
- 水分補給として飲むことには意味がある
- 緑茶・紅茶・ウーロン茶などのカフェインもアルコールを分解してくれない
- カフェインによって眠気が軽くなっても、アルコールが抜けたわけではない
- 麦茶などカフェインを含まないお茶でも、アルコール分解を速めることはできない
- お茶を大量に飲んで尿を増やしても、アルコールが急速に排出されるわけではない
- カフェイン入りのお茶を大量に飲むと、カフェインの過剰摂取にも注意が必要
- 飲酒中にお茶を挟んで酒量を抑えることには意味がある
- 飲酒後にお茶を大量に飲んでアルコールを抜くことには意味がない
- 呼気中アルコールを減らす基本は、体内で代謝されるだけの時間を置くこと
つまり、**「お茶はアルコールを抜く飲み物ではない。ただし、飲酒量を抑えるための飲み物としては活用できる」**と考えるのが正確です。

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