女川町でもクマの目撃は確認されており(町域の多くが森林で石巻市とも隣接しているため出没の可能性は高い)、多発するのは春〜秋でとくに秋(9〜11月、県の強化期間は10〜11月)に注意が必要です。危険度は「場所・時期・個体の学習状況」によって高まるため、個人の駆除は認められず行政判断に基づく対応が原則。まずは餌(誘因)の除去と行動上の対策を徹底してください。
1) 女川町にクマはいるのか?(現状)
- 女川町内での目撃通報が複数報告されています(例:女川消防署付近での目撃など)。近隣の石巻市でも多数の目撃が続いているため、女川町でも出没が現実的な状況です。
- 宮城県は町役場連絡先一覧に女川町の窓口を掲載しており、出没情報の受け付け窓口が明確に用意されています(通報体制あり)。
2) 多い時期・なぜ増えるか
- 一般的にツキノワグマの活動期は春〜秋で、**とくに夏終わり〜秋(9〜11月)**に出没が増えます。宮城県は人身被害が多発する時期として10月下旬〜11月末を「人身被害防止強化期間」に指定しています。
- 理由:山のドングリ等の堅果類の不作や、冬眠前に脂肪を蓄えるための採餌行動で行動範囲が広がり、人里へ下りてくる個体が増えるためです。女川町は町域の大部分が森林で山と住宅地が隣接している箇所が多く、餌源があれば出没しやすい地形です。
3) 危険性はあるか(どんなとき危ないか)
- 危険性は「ゼロではない」。とくに以下の条件が揃うとリスクが高まります:
- 夜間・早朝(クマが活動しやすい時間帯)に人が単独で出歩くとき。
- 母グマと子グマがいる(子グマに近づくと母が攻撃的になる)。
- 農地・果樹・生ゴミ置き場・倉庫の近くで、食べ物や匂いがある場合。
- 実際に近隣地域で目撃が相次いでいるため、女川町でも遭遇の可能性を前提に行動するべきです。
4) 駆除(捕獲・殺処分)はすべきか?
- 個人が勝手に駆除するのは違法かつ危険です。駆除や捕獲は、自治体・県が被害状況や個体の挙動を総合判断して実施します。まずは被害予防(誘引物の除去)と通報で行政の対応を促してください。
- 行政が駆除を検討する典型的な条件:人身被害が発生した、同一個体の目撃が繰り返される、農業被害が継続する、など。住民としては記録(日時・場所・写真が取れれば)を残して速やかに報告することが重要です。
5) 女川町で今すぐできる具体的対策(住民・観光客向け)
以下は実務的で効果の高い順にまとめます。
A. 誘引物の徹底管理(最重要)
- 生ゴミ・調理残渣は屋外に放置しない。ゴミは密閉容器で屋内保管→指定時間に出す。
- 果樹や落果がある家庭・施設は早めに回収・屋内保管。屋外の餌台や餌付けは絶対に行わない。
- 香りの強い日用品(洗剤・柔軟剤・化粧品)や食器の洗い残しも匂いで誘引するため密閉保管。
B. 行動上の注意
- 森林縁・里山に入るときは複数人で行動、鈴やラジオなどで音を出し「人の存在」を知らせる。
- 早朝・夕方の単独行動は避ける。子どもや高齢者の単独外出時は地域で見守りを強化。
C. 物理的対策
- 飼育小屋・倉庫は施錠・補強。軽い扉はクマに開けられることがあるので注意。
- 農家・養蜂は電気柵の導入検討(設置は業者や自治体の指導を受ける)。
D. 目撃時の対応
- 安全な場所に退避、刺激しない(走って逃げない)。背を見せずゆっくり距離を取る。子グマに近づかない。
- 目撃したら日時・場所・様子(大きさ・行動)をメモ/可能なら写真を撮り、女川町役場 産業振興課(電話:0225-54-3131 内線671)または警察(石巻警察署など)へ通報してください。宮城県の出没情報窓口一覧も参照を。
6) 観光客向けワンポイント
- 女川は海辺の観光地ですが、町の多くが森林に接している場所もあります。トレッキングや近郊散策の際は上の行動上の注意を守ってください。特に秋の強化期間(10〜11月)は里山や林縁への立ち入りを控えるのが無難です。


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