大河原町(宮城県柴田郡)におけるクマ事情
1) クマは大河原町にいるのか?
町の公式ウェブサイトで「町内においてクマが目撃されております。また、町内の各所でクマらしき野生動物の痕跡も発見されております。」と明記されています。
具体的には以下のような記録があります:
- 令和7年10月31日、堤字南角付近で“クマの痕跡(爪痕、糞等)”が確認されています。
- 令和7年10月25日19:30頃、大谷字原前・二本松集会所付近で「クマらしき野生動物の目撃情報」があります。
- 夜間・早朝に親子3頭の目撃情報(令和6年6月29日、夜間/堤字北岸地内)なども記録されています。
- 町内に「クマ出没警報」が発令された旨のお知らせも出ています。
→ これらから「大河原町ではクマ(おそらく ツキノワグマ)が活動しており、人里近くでも目撃・痕跡あり」というのが実態です。
2) 多い時期・なぜ出やすいか
- 県全体のデータで、「9~10月にかけて目撃数が過去最多水準」になっており、山の堅果(ドングリ・ブナの実等)が少ない場合、人里までクマが餌を求めて出てくるという分析があります。
- 大河原町でも、8月・9月・10月に複数の目撃・痕跡が報告されています(例:令和7年8月19日午後、金ケ瀬字青木で目撃)
- 早朝・夜間、また農地・山林縁辺・果樹園・収穫期と思われる地域での痕跡が多く、「夜・早朝/収穫期/人里近く」がリスク上昇要因です。
→ つまり、人里近くへの出没が増えるのは「秋の餌不足」「収穫・果樹・農地周辺」「夜・早朝」の組み合わせが多いということです。
3) 危険性はあるか?
一定の危険があります。理由は下記の通りです:
- クマは大きな体を持ち、人間との距離が近くなると、特に「母グマ+子グマ」「驚かせた・近づいた・追い詰めた」などの状況で人身被害が発生しうるという資料が県レベルで報告されています。
- 大河原町でも、夜間・早朝の目撃例、親子3頭の記録などがあり、農地・果樹園付近での活動が確認されているため、遭遇リスクは「ゼロではない」と言えます。
- また、クマ出没警報が町・県レベルで発令されていることから「予防すべきレベル」と理解されています。
→ 結論として、「日常的に危険とは言えないが、条件次第で危険になる可能性が高まる地域・時期・行動」が大河原町にはあると見るべきです。
4) 駆除すべきか?(捕獲・殺処分)
- 駆除=捕獲・殺処分については、基本的に個人の判断で行うのではなく、自治体・県が定める「鳥獣被害対策」や「狩猟法・野生動物保護管理の枠組み」に則って実施されるものです。
- 大河原町のサイトでは、「クマ等の野生動物目撃情報」ページにおいて、「目撃した場合は町役場農政課までご連絡ください」と案内されています。
- 駆除が検討されるのは「人身被害が発生している」「被害が継続している」「個体が特定でき、追跡可能」などのケースが多く、一般家庭・町民個人が勝手に行うことは法律・安全の点からも推奨されません。
- したがって、「駆除すべきか」という点については、“地域・行政・現状被害”を踏まえて判断されるもので、住民が独自に判断するものではないと整理できます。
5) 大河原町で住民・家庭として取るべき対策
以下、地域に即した具体的な予防策・行動指針です。
① 屋外・家庭周りでの対策
- 果樹園・家庭菜園・収穫後の落果(リンゴ・柿・ナシなど)がある場合は、早めに回収・屋内保管。クマの餌になりやすいため。大河原町でも「クマを呼び寄せないため」には農産物・落果を撤去するよう案内されています。
- 生ゴミ・残飯を屋外に長時間放置しない。ゴミ出しは可能な限り朝出す、袋はしっかり密閉・屋内保管。
- 屋外でバーベキューなどを行った後の食べ残し・臭い残りにも注意。
- 養蜂・ニホンミツバチ・養鶏等を行っている場合は、クマ被害リスクが高いため柵・電気柵検討。
- 夜間・早朝には屋外での作業・散策を控える、また犬を飼っている家庭は吠えることで一定の抑止効果あり。
② 山・林・農地に入るときの対策
- 森林・山林・山菜採り・果樹園周辺に入る際は、複数人で行動し、鈴・ラジオなど音を出し「人の存在を知らせる」。大河原町の案内でも「クマ鈴やラジオなど音の出るもので存在を知らせる」ことが推奨されています。
- 早朝・夕暮れの行動は避ける。クマが活発になる時間帯だから。
- 歩道・遊歩道・藪の深い場所・沢沿い等、クマが通りそうな所・見えにくい所は特に警戒。
- クマを見かけたら、背を向けず、ゆっくり静かにその場を離れる。急に走ったり大声を出したりせず、落ち着いて対応。大河原町案内で明記されています。
③ 目撃・痕跡を確認したら
- 目撃・痕跡を発見したら、速やかに町役場農政課(大河原町:0224-87-6277)などへ報告。町が把握しておくことで巡回・警報・対応が可能となります。 自宅近く・農地近くでクマの痕跡(爪痕・糞・足跡)を見つけた場合、少なくともその周辺での作業・散策を控えるか慎重に行動。
- 町内で「クマ出没警報」が出ている期間中は、特に注意して行動を。大河原町では11月30日まで警報が継続されているとの案内があります。
6) まとめ
- 大河原町では確実にクマが「目撃・痕跡あり」です。
- 多く出る時期は 夏の終わり~秋(8~11月)、特に夜間・早朝・果樹・農地周辺。
- 危険性は「普段は低め」ですが、条件次第で遭遇・被害リスクが上がるため、無警戒は危険です。
- 駆除は住民単独では判断すべきではなく、行政による状況の判断・対応が基本です。
- 住民・家庭・農業関係者としてできる予防策・行動規範をきちんと実践することが「遭遇しない」「被害を出さない」鍵です。


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