登山中のクマ遭遇は散歩や通学よりもリスクが高く、事前準備・装備・行動が非常に重要です。ここでは 予防策・遭遇防止・遭遇時の対処法 を体系的に解説します。
1. 登山前の準備・情報収集
1-1. 登山コースの情報確認
- 自治体や山岳団体のクマ出没情報を事前にチェック。
- 過去の目撃情報や出没マップを確認し、危険箇所は避ける。
1-2. 登山時間の計画
- クマは 早朝・夕方・夜間に活動が活発。
- 登山は日中の明るい時間帯を選ぶ。
1-3. 食料・ゴミの管理
- 食べ物は 匂いが漏れない容器に密閉。
- 食事の後のゴミは必ず持ち帰る。
- クマの好物(ナッツ・肉・チーズ・お菓子など)は特に注意。
1-4. 登山仲間とグループ行動
- 単独行動は避ける。複数人で行動することでクマは近づきにくくなる。
2. 登山中の遭遇予防
2-1. 音でクマに知らせる
- 鈴・ホイッスルを持ち、定期的に音を出す。
- 大声で会話しながら登るのも有効。
- 目の前の林や藪でクマを驚かさないよう、歩く前に音で存在を知らせる。
2-2. 視界を確保
- 枝や藪に近づかない。死角を避けて登山道を歩く。
- 夜間や霧の濃い日、視界が悪い日は登山を控える。
2-3. 犬を連れて登山する場合
- 犬はリードで制御。吠えやすい犬はクマを刺激することがあるため注意。
3. 装備・持ち物
- 鈴・ホイッスル:常に携帯。
- 防犯ブザー:危険時の警報として使用。
- クマ撃退スプレー:必ず使い方を事前に確認し、すぐに取り出せる位置に。
- 携帯電話・GPS:遭遇・事故時に通報できるよう充電を確認。
- 反射材や明るい服:人の存在を目立たせることでクマに認識されやすい。
4. 遭遇時の行動
4-1. 距離がある場合(50m以上)
- 静かに立ち止まり、後退。
- 背を向けず、クマに視線を向けながらゆっくり離れる。
- 鈴や声で自分の存在を知らせる。
4-2. 距離が近い場合(10〜50m)
- 立ち止まり、両手を広げて大きく見せる。
- 低い声で「ウー!」と威嚇。
- 慌てて走らず、ゆっくり後退。
4-3. 接近・襲う場合
- 倒れないで防御:リュックで背中を守り、頭は手で守る。
- クマ撃退スプレー:20〜30cmの距離を確保して噴射。
- 木や岩、障害物に避難。
- メスの子連れの場合は特に警戒する。
5. 食事・休憩時の注意
- 休憩や昼食は人目の多い場所で。
- 食事中は音や匂いでクマに気づかれやすいので、周囲に注意。
- ゴミや食べ残しは必ず密閉して持ち帰る。
6. 登山後の対応
- 遭遇情報を自治体や登山団体に報告。
- 他の登山者が危険に遭わないよう、SNSや掲示板でも共有(自治体推奨の場合)。
7. 登山時の心得まとめ
- 登山コースと時間を慎重に選ぶ(日中・人通りのあるルート)。
- グループで行動、鈴や声で存在を知らせる。
- 食料・ゴミは密閉・持ち帰る。
- 遭遇時は落ち着いて距離を保ち、背を向けずに後退。
- 危険時は防御・撃退スプレー・障害物避難。
コメント