猪苗代町（福島県）
福島県猪苗代町でのクマ（主に ツキノワグマ）の状況について、「いる／多い時期／危険性／駆除の是非／対策」を整理して解説します。地域の安全に役立ててください。
1．クマは猪苗代町にいるのか？
確実に出没しています。
- 町の公式サイトで「町内のツキノワグマやイノシシ等の出没情報（獣マップ）を公開中」と明記されています。
- 最近の目撃例も多数報告されています：
- 2025年6月24日、町内山林で体長約1.2 mのクマを目撃。
- 2025年8月9日午後10時50分頃、町村北でクマ出没の報。
- 2025年8月22日午前10時30分頃、町大字長田字長田地内の道路上でクマ3頭を目撃。
- 町は「ツキノワグマ出没特別注意報」を発令しており、警戒を呼びかけています。
→ これらから、猪苗代町にはクマの出没実態があり、「いる」と判断してよいでしょう。
2．出没が多い時期・傾向
猪苗代町および周辺地域のデータから、出没が比較的多くなる時期・典型的な場所・時間帯を整理します。
多くなる時期
- 春（冬眠明け直後：4～6月頃） — クマが活動を再開します。
→ 実例：6月20日・6月24日に目撃あり。 - 夏～初秋（6～9月） — 餌（木の実・果実・農作物）が不足したり人里近くに出やすくなります。
→ 実例：8月2日、8月22日、8月9日での目撃。 - 秋（9～11月） — 冬眠前の体力確保・餌探しで里山・田畑・人里近くにクマが降りてくる可能性が高まります。県もこの時期を注意喚起しています。
典型的な場所・時間帯
- 田畑・あぜ道・山林との境界 — 実際、田畑で0.5mのクマが目撃された例あり。
- 道路・車両通行中 — 県道・町道で目撃報告多数。
- 夕方から夜間・早朝 — 視界が悪く、人の活動が少ない時間帯に遭遇しやすいと県が警告。
→ 結論として、猪苗代町では「春～秋（特に夏～秋）」「里山・田畑・道路沿い」「夕方～夜・早朝」が出没リスクが上がる典型的な条件です。
3．危険なのか？
潜在的に「危険」と言えます。以下、具体的に整理します。
危険性が高まる状況
- クマが人里近くにいる・人家・畑・田んぼで活動していると、遭遇確率が上がります。実際、猪苗代町で農作業中・田畑内で0.5 mのクマが目撃されました。
- 視界の悪い時間帯・単独行動・子グマ・母グマ近くなどは特に危険。県も「子グマを見たら母グマが近くにいると考え、近づかないこと」を強調しています。
- 道路上・通行中など人とクマの軌道が交差する場所での出没は衝突・遭遇リスクを高めます（例：8月22日の3頭目撃事例）
ただし、すべてが即「襲ってくる」わけではない
- 多くの目撃は「クマが通り過ぎた」「人と距離があった」というもので、人的被害に至っていないケースもあります。例えば、8月9日の出没では「目撃されたが被害の報告なし」でした。
- 適切な対策をとれば遭遇／被害のリスクを大幅に下げることが可能です。
→ 総合判断として、猪苗代町では「クマとの遭遇・被害の可能性を無視できない」地域であり、注意を怠ると危険になり得ます。
4．「駆除（捕獲）すべきか？」という問題
この点は慎重に扱う必要があります。以下に法的・実務的観点を整理します。
駆除を検討する背景
- 自然保護・鳥獣保護の観点から、野生動物の無制限な駆除は問題があります。日本では、クマ（ツキノワグマ）を含む鳥獣について、県・市町村が「管理対象」あるいは「有害鳥獣」指定を行い、被害状況に応じて捕獲・駆除する体制があります。
- 駆除するには「人身被害／重大な農林業被害」「その個体が人里習慣化している」などの条件が重視されます。
猪苗代町の状況から言うと
- 町内では駆除・捕獲がすでに話題・検討されている可能性が高く、町自身が「出没注意報・特別注意報」を発令しています。
- ただし、私が確認した範囲では「猪苗代町で大規模な駆除が実施された」という公的な報告までは確認できていません。被害報告や駆除数の公開が見当たらないため、現時点では「駆除をすべきか」としては、状況を見ながら自治体・県が判断すべきという立場です。
→ 結論として、猪苗代町では「安易に駆除すべき」というのではなく、まずは「予防・回避・被害軽減」の対策を徹底し、駆除や捕獲は自治体・県が専門的に判断・実施するという考え方が現実的です。
5．対策（個人・家庭・地域レベルでできること）
猪苗代町でクマ被害を防ぎ、遭遇リスクを下げるための具体的な対策を以下に整理します。
A. 誘引源を無くす（非常に重要）
- 欲実（柿・リンゴ・山ぶどう等）、落果、野菜・果物・生ゴミ・ペットフード・家畜飼料を屋外に長時間放置しない。これらがクマを人里へ誘引する主な原因です。県の注意喚起でも明記されています。
- 農作物の収穫後残滓（落ちた実・残渣）をそのままにしない。刈り取り・収穫を早めに実施・片付けをする。
- ゴミ出し・残飯処理を適切に行う。夜間・早朝のゴミ出しや生ゴミの外置きは避ける。
B. 人の気配を出す（遭遇回避）
- 山林・里山・畑での作業や散策時は「複数人で行動」「鈴・ラジオなど音を出す」「声掛けをする」などして人の存在をクマに知らせることが有効。県もこの点を推奨しています。
- 早朝・夕方・夜間・視界が悪い場所・人の少ない時間帯の単独行動は避ける。
- クマに遭遇したら、慌てず背を向けずゆっくり後退。走ると追われる可能性があります。子グマを見たら母グマが近くにいると考え、近づかない。
C. 物理的防護策（畑・農地・住宅周辺）
- 農家・畑・果樹園では、防獣ネット・電気柵・照明強化などを検討。クマが入りやすい境界部に柵を設置することで被害を減らせます。
- 住宅近く・田畑近くの活動では、夜間に明るくしておく・人の気配を出す、窓・倉庫・納屋の出入り口をしっかり管理。実際、猪苗代町では倉庫のガラスを割られた被害も報告されています。
D. 情報共有・通報・地域連携
- 出没・痕跡（足跡・糞・樹皮剥ぎ「熊はぎ」）を発見したら、すぐに町の農林課・役場窓口・警察へ通報。猪苗代町では出没マップを公開しており、住民が情報を共有する仕組みがあります。
- 町内・周辺住民で「目撃が続いている場所」「出没時間帯」「注意すべき畑・林縁部」などを共有し、注意を呼びかける。
- 町・県が発令する「出没警報／特別注意報」を日頃から確認し、該当期間・地域では特に警戒する。猪苗代町もこのような警報を出しています。
6．まとめ
- 猪苗代町にはツキノワグマの出没実績が 確実にあります。
- 出没が多くなるのは、春〜秋（特に夏～初秋）で、里山／田畑／道路沿いなど人里との境界付近・夕方〜夜間・早朝が典型です。
- 潜在的に危険性が高く、「遭遇＝直ちに被害」というわけではないものの、子グマ・農作物近く・人家近く・視界の悪い時間帯では特に注意が必要です。
- 駆除（捕獲）は個人判断ではなく、自治体・県が被害・習慣化状況を踏まえて実施すべきもので、まずは予防・遭遇回避を徹底するのが現実的です。
- 対策として、誘引源を無くす／人の気配を出す／防護策を講じる／情報共有・通報を徹底することが重要です。
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