１．そもそも、会津美里町（福島県）にクマはいるのか？
次のような情報があります。
- 福島県が運用している「ツキノワグマ目撃情報マップ」に、会津地方を含む県内で「多数」の出没実績が示されています。
- 会津美里町自身の公式サイトにも、ツキノワグマ・イノシシなどの目撃情報を町全域で公開しており、町域内に出没していることを明記しています。
- 直近では、会津美里町内で住宅敷地・道路・公共施設敷地などでクマが見られたという報道が複数あります。例えば、住宅敷地内に体長約50 cmのクマがいたというもの。
以上から、会津美里町にはツキノワグマの個体が存在し、少なくとも 「出没している」 と言って差し支えありません。
２．出没が多い時期・傾向
出没時期・頻度の傾向も把握しておきましょう。
出没が増える時期
- 春：冬眠明け後、暖かくなり始める３～４月頃から活動を再開する個体が増えます。福島県では４月16日に「出没注意報」が発令された例があります。
- 夏～初秋（６～９月）：活動が活発になる時期です。福島県会津・中通り地域では、８月末時点で今年度目撃数が「661件」という報告があり、９月以降も継続的な出没が懸念されています
- 秋（特に９～１１月）：冬眠前の餌食を求めて里側に出てくることが多く、実際に会津美里町で11月にも住宅敷地内などで目撃されています。(福島テレビ)
注意すべき時間帯・場所
- 住宅近く・山あい・田畑・林道沿いなど、クマの餌になりそうなもの（木の実、果実、農作物、餌付けされているゴミ等）がある場所。
- 日没前後～夜間の出没も複数報告されています。例えば、11月8日午後5時15分に車両運転中に県道上でクマ2頭目撃、同日午後6時55分にも庭の柿の木にクマ2頭。
会津美里町における最近の実例
- 2025年11月9日、会津美里町のＪＲ只見線「新鶴駅」ホーム付近で子グマ（体長約0.5 m）が目撃されています。
- 2025年10月22日、会津美里町沼田地区の住宅敷地で高齢のご夫婦がクマに襲われ負傷した事案も。
これらから、「春～初冬（特に秋）にかけて」「里山・住宅近く」に出没が集中しやすい」という傾向があります。
３．危険なのか？
結論から言うと「はい、潜在的に危険です」。ただし、すべての出没がすぐ人身事故につながるわけではありません。リスクを正しく認識するために要点を整理します。
なぜ危険なのか
- クマは 大型野生動物 であり、攻撃性を持つ場合があります。特に人間と距離が近づいたり、餌場を共有したり、子グマを守る母グマが近くにいたりすると危険性が高まります。
- 会津地方では、人的被害が実際に起きています。例えば、「住宅敷地で高齢夫婦がクマに襲われケガをした」という報道が会津美里町であります。
- クマが人里に降りてくるということは、山の餌が少ない・木の実が凶作・人里の餌（果実・畑・ごみ等）にアクセスしやすい、ということが背景にある場合が多く、通常の生息域を越えている可能性があります。
ただし、すべてが「猛獣並みに即危険」ではない
- 多くの目撃は「道路横断」「山林から出てきて走り去る」「木の上にいる」「住宅敷地近くにいたが人と距離があった」という比較的遭遇だけのケースです。例えば会津美里町で「住宅敷地内に体長0.5mのクマを目撃」など。
- 適切な対策を取れば、人との遭遇を避ける可能性が高まります。
なので、どういう状況で「特に危険」と言えるか
- 人間がクマに気づかず至近距離で遭遇したとき（藪の中・夕暮れ・無音で作業中など）
- 子グマが単独で出ていて、母グマが近くにいる可能性があるとき
- クマが人里で明らかに餌を探している／ごみ・果実・漬物・農作物をあさっているとき
- 夜間・早朝、視界が悪い・人の警戒が緩い時間帯
以上を踏まて、会津美里町でクマが「いる」という状況は把握しておくべきで、 “安全とは言えない” と認識すべきです。
４．「駆除するべきか？」という問題について
この点は少し複雑です。
駆除が行われる背景
- 野生鳥獣による被害（農作物の損害、人の生命・身体への危害）が一定以上になると、自治体・県・専門機関が「駆除」や「捕獲」に踏み切るケースがあります。
- 福島県では「出没注意報」「特別注意報」の方式で、まず注意喚起を行い、暴れる・人身被害を出す可能性が高いと判断された地域については駆除・捕獲が行われることもあります。
会津美里町・福島県の場合
- 会津美里町のサイトでも「有害鳥獣（クマ・イノシシ等）の出没情報」を公開し、地域住民への注意を促しています。
- ただし、駆除・捕獲が自動的・広範囲に“無差別に”行われているという明確な情報は、検索した範囲では見つかりませんでした。
- 駆除には法的・倫理的・生態系的な配慮が必要です。例えば、クマの個体数・生息環境・影響・適切な捕獲方法等を県・市町村が判断します。
結論として
「駆除すべきか」は単純に “はい／いいえ” ではなく、次のように考えるのが現実的です。
- 重度の被害・人身事故の可能性がある個体や群れが確認されていれば、自治体が「駆除・捕獲」対象とする可能性があります。
- それ以外は、まずは “予防・回避” を徹底し、「駆除に至らずとも遭遇リスクを抑える」ことが重要になります。
- 個人・地域レベルでも、無闇に餌を与えない・ゴミ管理を徹底する・果実・畑への対策を怠らないことが、駆除を回避しつつクマ被害を減らす鍵となっています。
５．対策（個人・家庭・地域レベルでできること）
会津美里町でクマと遭遇・被害を避けるための具体的な対策を、段階的に整理します。
家庭・住まいでの対策
- 果実のなり過ぎている木（柿・栗・山ぶどう等）があれば、果実を早めに収穫・あるいはネット等で囲う。実が落ちて地面に散らばっていると、クマを誘引します。
- 生ごみ・残飯・調理くず・果皮などを屋外に放置しない。クマがアクセスできるゴミ箱・袋・野外置き場は厳禁です。
- ゴミ出しの時間・方法を見直す。夜間・早朝にゴミを出す場合は、クマの活動が活発な時間帯を避ける。
- 庭や玄関周辺にクマが来ても警報できるような音（クマ鈴・ラジオ・音が出る風鈴）を設置する。人の気配を出すことでクマは近づきにくい傾向があります。
- 山林・林道・畑・山菜採りなどに出かける場合は、複数人で行動、鈴やラジオで音を出しながら歩く。県の注意喚起文でも「山菜取りや農作業を行う際には複数人行動・クマ鈴等の携帯を徹底」するよう求められています。
外出・山林・農作業時の対策
- 山菜採り・キノコ採り・林道散策時には、早朝・薄暗い時間帯を避け、視界の良い時間帯を選ぶ。
- 音を出す（鈴・ラジオ・声掛け）・可能なら明るく、視界も確保されている場所を使う。クマは静かな場所を好み、人の気配を嫌います。
- クマに出くわした際は以下を心掛ける：パニックにならず、背を向けずゆっくり後退・大きな音で威嚇・群れや子クマが近くにいないか確認。逃げる時は走らず、障害物を使って自分の安全を確保。
- 農作物・田畑を管理する場合には、早期収穫・収穫後の残滓処理・防獣ネット・電気柵などの導入も検討を。
地域・自治体レベルでの対策
- 町や県が提供している目撃マップや出没注意情報を定期的に確認し、住民・関係者へ情報を共有。会津美里町の「獣マップ」公開サイトがその一例
- 出没地・被害が頻発する区域には警戒標識・警報装置・夜間通行規制・照明強化などを検討。
- 被害が出ている場合には、町・県に連絡し捕獲・駆除・監視の必要性を協議。クマ個体の追跡・管理が可能な専門機関（林業・野生動物保護・警察）と連携。
- 地域住民向けに「クマに関する講習会・啓発チラシ・防獣グッズ配布」などを行い、住民の意識を高める。
６．まとめ
- 会津美里町にはツキノワグマが 出没しています。目撃情報も最近多数確認されています。
- 出没が多い時期は「春（冬眠明け）～初冬（特に秋）」であり、里山・住宅近く・道路沿いにも出てくる傾向があります。
- 潜在的に危険な存在であるため、遭遇を防ぐための予防・対策が非常に重要です。
- 駆除・捕獲は「被害・人身事故が発生または発生の恐れが非常に高い場合」に自治体・県が判断します。個人が勝手に駆除するのは法的・生態系的に問題があります。
- したがって、個人・家庭・地域で まずできる対策を徹底すること が鍵です。
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