1.そもそも、 会津若松市(福島県)にクマはいるのか?
会津若松市域には確実に ツキノワグマ(以下「クマ」)の目撃情報が複数記録されています。
- 市の公式サイトでは、クマ・イノシシなど野生鳥獣の出没情報を「獣マップ」として公開しています。
- 報道でも、たとえば2025年6月10日午前8時35分頃、会津若松市東山町湯本字積リ地内で体長約1 mのクマ1頭が目撃されたとの記録があります。
- また、2025年6月8日午後5時過ぎ、市内の「会津レクリエーション公園」駐車場でも体長約1.5 mのクマが目撃され、公園を一時閉鎖する事態となりました。
以上から、会津若松市域では 「クマが出没している」 と判断できます。
2.出没が多い時期・傾向
会津若松市・周辺地域におけるクマ出没の時期・状況を整理します。
多くなる時期
- 春〜初夏:冬眠から目覚めたクマが活動を再開するため、4〜6月あたりから目撃が増えつつあります。
→ 例:6月2日、6月10日に会津若松市内で複数頭・1頭の目撃が記録されています。 - 秋:冬眠前に餌を探す行動が活発になり、特に9〜11月にかけて人里近くへの降り出没が増えることが多いと、県の警報でも出ています。
- 時間帯:夕方〜夜、薄暗くなる時間帯の出没が報告されています。たとえば市道で午後2時45分など。
出没場所の傾向
- 山林・里山・林道・田畑との境界付近に出ることが多く、人里・住宅近くにも出没しています。
→ 例:6月16日午前8時25分、会津若松市大戸町小谷平沢地内の畑内で体長約1mのクマが目撃 - 公園・駐車場など市街地・住宅地に近い施設でも目撃されています。
3.危険なのか?
会津若松市でクマが出没していることを踏ま、「危険かどうか」を整理します。
危険性あり
- クマは大型の野生動物であり、適切な距離を取らずに至近距離で遭遇したり、子グマ・母グマが近くにいたり、餌付けされていたりすると、攻撃リスクが高まります。
- 実際に、会津地方では「人身被害」に至る事案が発生し、県が「出没警報」を発令しています。
- 会津若松市内でも、人里・市街地に近い場所で出没が起きており、住宅敷地や駐車場での目撃事例もあるため、「近くにクマがいる可能性を常に意識する」必要があります。
ただし、すべてが即「猛獣と遭遇する」状況とは限らない
- 多くの目撃は「クマが走り去った」「人と距離があった」「人身事故には至らなかった」というケースです。例えば、6月16日の畑での目撃ではクマは山林方向に移動しました。
- 適切な対策をとれば、リスクを低減できます(後述)。
総合的な判断
会津若松市域では「クマが確実に出没しており、潜在的な危険あり」と言えます。特に「山林近く・住宅近く・夕暮れ~夜間・餌のある場所」では遭遇リスクが高まるため、注意が必要です。
4.「駆除するべきか?」という問題について
クマが出没しているからといって、すぐに「駆除=対処して良い」というわけではなく、以下のような点を考える必要があります。
駆除(捕獲・除去)を行う背景
- 農作物被害・人身被害・住民の安全確保の観点から、自治体・県が「有害鳥獣対策」としてクマを捕獲・駆除するケースがあります。
- 福島県警察本部/県や市がクマの出没を把握し、「注意報・警報」を発令して、地域住民に対策を促しています。
会津若松市の場合
- 会津若松市公式サイトで「獣マップ」を公開し、クマの目撃情報共有・回避対応を進めています。
- ただし、私が検索した範囲では、「会津若松市域で大規模な駆除・捕獲が行われた」という明確な公表情報は見つかりません。
- 駆除・捕獲には、個々のクマの行動・危険度・生息状況・環境への影響・法令(鳥獣保護法など)との整合性が関わってきます。
結論として
- クマが「頻繁に人里に出る」「人身事故を起こす」「明らかに危害を加える個体」であれば、自治体・県が駆除・捕獲対象とする可能性があります。
- しかし、すべてのクマ出没が即「駆除すべき」というわけではありません。まずは「予防・回避・共存」の観点から住民レベルでの対策・情報共有が先です。
- 駆除を住民個人が勝手に行うことは法的にも生態系的にも問題があるため、自治体・県の指示・協力のもと進められるべきです。
5.対策(個人・家庭・地域レベルでできること)
会津若松市内/その近郊でクマと遭遇・被害を避けるための具体的な対策を整理します。
家庭・住宅周りでの対策
- 果実のなり過ぎ・落果・地面に散らばった実(柿・栗・山ぶどう等)があれば、早めに収穫またはネット等で囲う。クマを誘引する要因です。
- 野外ゴミ、生ごみ、残飯、果皮などを屋外に放置しない。クマがアクセスできるゴミ箱・袋置場があると、誘致されやすいです。
- 夜間・早朝のゴミ出しを避け、出す場合はクマが活動しやすい時間帯を避ける。
- 庭や玄関周辺にクマが来たときの警戒手段として、音の出る鈴・ラジオ・風鈴などを活用。人の気配を出すことがクマの接近を防ぎます。
- 山に近い住宅・里山近く・林道沿いの住居では、フェンス・防獣ネットの設置を検討。
外出・山林・農作業時の対策
- 山菜採り・キノコ採り・林道散策・農作業等で山林・里山に入る場合:複数人で行動、鈴・ラジオ・声掛けなど“音を出す”工夫を。静かに入るのは危険です。
- 早朝・薄暗い時間帯・夕方〜夜間の入山は避ける。視界が悪くクマとの遭遇リスクが高まります。
- クマに出くわしたとき:慌てず、背を向けて走らず、ゆっくり後退。クマに対して大きな音を出し、存在を知らせる。障害物(木・岩)を間に入れるなども有効です。
- 畑・田んぼ・果樹園を管理する場合:早めの収穫・収穫後残滓の片付け、防獣ネット・電気柵の導入検討。
地域・自治体レベルでの対策
- 市町村・県が提供している「獣マップ」「目撃情報」「出没警報」を活用し、出没地域を住民間で共有。例:会津若松市の「獣マップ」。
- 出没多発地には警告看板・夜間通行制限・照明強化・巡回警備強化などの措置を検討。
- 被害が頻発している地域では、自治体・県が捕獲・駆除・監視体制を整える。住民説明会・防獣講習会・防獣グッズ配布などの啓発活動も効果的。
- 地域の農作物被害防止のため、住民・農家と自治体が協働して防獣対策(ネット・柵・共同収穫など)を推進。
6.まとめ
- 会津若松市にはツキノワグマの出没実績があり、市域内・近郊で目撃報告が複数あります。
- 出没が多くなるのは「春~初夏」「秋(冬眠前)」「夕方〜夜間」「里山・住宅近く」が典型パターンです。
- 危険性はありますが、すべてがすぐに人身事故になるわけではなく、予防・回避策を徹底することが鍵です。
- 駆除はケースバイケースで、自治体・県の判断・手続きを経て行われるべきものであり、まずは地域住民レベルでの対策・情報共有が大切です。
- 個人・家庭・地域それぞれでできる具体的な対策(ゴミ管理・果実管理・入山時の音出し・防獣設備・市町村の情報活用)を実践することが、クマ被害を防ぐ上で最も実効的です。



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