【今さら聞けない】猟友会はボランティアなの?【ツキノワグマ・ヒグマ】

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クマ 〇〇って危険?

「猟友会はボランティアなのか?」という点は、クマ出没報道などでよく誤解されがちですが、
実際には「半分ボランティア・半分公的業務」という性格を持つ組織です。

ここでは、猟友会の報酬の仕組み・活動の実態・法的な位置づけ・“ボランティア”といえるかどうかを、わかりやすく詳しく解説します。





🏞 結論から言うと:

猟友会は「基本的にボランティア的な活動」だが、
一部は自治体の委託による“公的業務(有償)”でもある。

つまり、報酬はあるが、金銭目的ではなく地域の安全のために活動している、というのが実態です。


🧭 猟友会の活動の2つの側面

猟友会の活動には、大きく分けて 「自主活動」「委託活動」 の2種類があります。

活動の種類 内容 報酬 性格
自主活動 狩猟活動、研修、安全講習、地域パトロールなど 無償(自己負担) 完全ボランティア
委託活動 クマ・イノシシなどの有害鳥獣駆除(自治体の依頼) 一部報酬あり(自治体予算) 公的業務(準ボランティア)

💰 報酬の実態(「有害鳥獣駆除」の場合)

猟友会が出動してクマ・イノシシ・シカなどを捕獲した場合、
自治体から**「捕獲報奨金」や「出動手当」**が支払われます。

▪ 一般的な金額例(自治体によって異なる)

内容 報酬の目安
出動手当(1回) 2,000円〜5,000円程度
捕獲報奨金(1頭あたり) イノシシ・シカ:3,000〜10,000円/頭クマ:10,000〜50,000円/頭程度
弾薬・燃料などの補助 実費の一部(自己負担が多い)

➡️ 実際には、ガソリン代・弾代・罠の維持費などを差し引くと赤字になるケースが多いです。




💬 現場の声(報道・調査より)

「1回出動しても手当が数千円。ガソリン代と弾薬代でほとんど消える」
「危険な作業なのに、命の値段が安い」
「お金のためじゃなく、地元を守るためにやっている」


⚙️ なぜ「ボランティア的」と言われるのか?

以下の3つの理由があります。

① 報酬が非常に低く、実費負担が大きい

  • 駆除報酬よりも、装備・弾薬・保険などの費用の方が高くつくことが多い。
  • 「赤字でも出動する」ハンターが大半です。

② 危険な任務を「地域のため」に行っている

  • クマの駆除などは命の危険を伴います。
  • 金銭よりも「地域貢献」や「使命感」で活動しているのが実態。

③ 組織が公益法人(非営利団体)

  • 猟友会は**「公益社団法人」**(営利目的でない法人)として運営されています。
  • つまり、利益を得るための団体ではなく、公共の利益を目的とする団体です。

⚖️ 猟友会の法的立場

  • 猟友会自体は、行政の下請け業者ではない
  • しかし、有害鳥獣駆除の際には、自治体からの「委託契約」または「要請」に基づいて活動します。
  • よって、法的には「公的業務に協力するボランティア団体」といえます。

🏛️ 例:宮城県や秋田県などでは、「有害鳥獣捕獲実施要綱」に基づき、猟友会員が出動。
県や市町村が報奨金を支給しますが、雇用関係はありません。


⚠️ 実際の活動負担と危険性

  • 山中での夜間出動、クマへの対峙など命の危険を伴う。
  • 銃器使用には法的責任も伴い、誤射や事故リスクもある。
  • それでも、金銭的にはほとんど見返りがない。

このため、現場では「実質ボランティア」と呼ばれることが多いのです。





🧓 高齢化とボランティア精神

  • 猟友会員の多くは60代〜70代。
  • 「地域を守る」「次世代に自然と命の尊さを伝えたい」という思いで続けている人が多い。
  • 若手ハンターは増えているものの、まだ少なく、地域の“最後の砦”が高齢者頼みになっている現状があります。

📈 今後の課題と動き

課題 解説
後継者不足 若者の狩猟離れ・免許取得のハードルが高い
低報酬 危険に見合った報酬体系がない
安全装備の不足 自費で防護服やGPS機器を購入する必要あり
行政との連携 出動要請・保険・責任の明確化が必要

一部自治体では、**「出動手当の増額」や「捕獲保険の整備」**を進めており、
徐々に「完全ボランティア」から「準公的職務」への位置づけに変化しつつあります。


✅ まとめ

項目 内容
猟友会とは 公益社団法人による非営利の狩猟者団体
活動の目的 地域の安全・農業被害防止・生態系管理
報酬 自治体からわずかな報奨金(経費にも満たない)
性格 実質的にはボランティア活動
法的位置づけ 行政の「協力団体」または「委託協力者」
現状の課題 高齢化・低報酬・危険負担・後継者不足




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