新潟県の 上越市 におけるクマ(主にツキノワグマ)事情について、「いるのか」「多い時期」「危険性」「駆除」「対策」をまとめて解説します。
1. 上越市にクマは「いる」のか?
上越市にはクマ出没の記録が多数あり、「クマがまったくいない地域」ではありません。
- 上越市の公式サイトによれば、令和7年度までに 78件ものクマ目撃情報が報告されています。
- 新潟県も「上越地域でツキノワグマの出没が多発しており、特別警報を出して警戒中」と明言しています。
- 市の安全メールでも、2025年11月12日付で「大豆地内・林でクマらしき動物1頭の目撃」が報告されています。また、県のクマ目撃記録(令和3年度)では、上越市名立区折居で体長約1.2mのクマを見たという報告もあります。
→ これらから、上越市は クマ出没が現実として起きている地域 です。
2. 多い時期/出没が増える傾向
上越市(および新潟県全体)のクマ出没には、以下のような時期・傾向があります。
- 新潟県は 2025年10月6日〜11月30日 を「クマ出没特別警報(強化期間)」と定めています。また、同県は8月7日〜11月30日を「警戒強化期間」として注意を呼びかけており、 晩夏〜秋(特に秋) に出没が増える可能性を示唆しています。
- クマの生態からも、以下の時期は特に出没リスクが高くなりやすい:
- 春~初夏:冬眠から覚めて活動再開
- 夏~秋:餌(木の実・果実など)が豊富 → 活動活発
- 晩秋:冬眠前に餌を求めて人里近くに出るケースがある
- 活動が活発になりやすい時間帯:早朝・夕方
→ 上越市では 特に秋(9~11月) に人里近くでの注意が重要視されています。
3. 危険性はあるのか?
一定の危険性があります。以下が上越市でクマがもたらすリスクのポイントです。
- 人里近く(住宅・公園・道路・林縁など)で目撃が出ており、単に山奥にクマがいるというだけではなく、接触の可能性がある。
- 市役所も「人身被害に遭わないよう十分警戒を」と呼びかけています。
- クマ出没件数・人身被害の増加を受けて県が「特別警報」を出しており、今年は例年よりリスクが高いとの見立てもあります。
- 遭遇時に慌てると危険度が上がるため、正しい知識・行動が重要。
ただし、「毎日大量のクマが人里を徘徊している」というレベルではなく、注意・警戒を要するが、過剰な恐怖を煽る段階でもない、というバランスの理解が妥当です。
4. 駆除(捕獲・処分)はすべきか?
駆除については、安易に「やるべき」と言えるものではなく、慎重な判断が必要です。
考えるべきポイント:
- 駆除を検討すべき条件:
- 定期的・常習的に人里にクマが出てきている
- 実際に人身被害(襲われる・ケガ)が発生している
- 餌(果物・ゴミ等)を人里に求める傾向が強く、通常の予防策では被害を抑えきれない
- 地域・行政・猟友会・県が協力できる制度・体制がある
- 上越市の現状から:
- 目撃数が多く、人里にも出てきているという情報がある → 駆除検討の対象になり得る
- ただし、まずは「予防・警戒・情報共有」を徹底するフェーズが非常に重要
- 駆除を行う場合は、県・自治体が定めた手続きを経て、適切な方法で行う必要がある
→ 現時点では “まずは警戒と予防を強化した上で、必要な場合に駆除を検討” というアプローチが現実的かつ責任ある対応です。
5. 対策(個人・地域レベル)
上越市でクマによる被害・遭遇を減らすための具体策を挙げます。
(A) 山・里山・散策・農作業時の注意
- 鈴・ラジオなど音の出る物を携帯して、自分の存在をクマに知らせる。県もこれを推奨。
- 複数人で行動:単独はリスクが高まる。
- 早朝・夕方など、クマの活動が活発になりやすい時間帯の外出は避ける。
- 痕跡チェック:足跡・糞・木の皮の剥がれなどを見つけたら慎重に。その場を離れる。
(B) 住居・農地・果樹地・人里の対策
- 果実(柿・栗など)・落果・生ゴミなどをきちんと処理し、クマを誘引しない。県の警戒情報でも「不要果実やゴミの管理」が呼びかけられている。
- 建物・倉庫・車庫など、クマが侵入しやすい場所は戸締りを徹底。
- 藪・下草・雑木林の整理:隠れ場を減らすことでクマの移動ルートをコントロール。
- 地域での情報共有:クマを見かけたら、すぐに市の環境政策課などに連絡。上越市はこの窓口を明示している。
(C) 出会ったときの対応
- 落ち着いて 静かに後退:走らず、背を見せず、刺激を与えない。
- 投石・大声などで驚かせるのは避けた方がいい。
- 最悪、襲われそうになったら 地面に伏せて頭・首・腹を守る対応をとる(県もこの方法を紹介)
6. 上越市住民・訪問者へのアドバイスまとめ
- クマは上越市に 確実に出没しており、特に人里・山裾・林縁を歩く人は注意が必要。
- 特に 秋(9~11月) は出没リスクが高まる時期。警戒を強めて行動を。
- 駆除は必要な場合もあるが、まずは 予防(餌を出さない・隠れ場を減らす)+警戒+情報共有 を徹底すべき。
- 山・林での活動時には、音を出す・複数人で行動・痕跡を見つけたら撤退するなど、安全行動を習慣化。
- 最新の出没情報(市の安全メール、県「クマ出没マップ」など)をこまめにチェックして、「クマが出やすい場所・時間帯」を把握しておく。


コメント