平ヶ岳(ひらがたけ)にもツキノワグマは生息しています。以下で、どの程度いるのか・危険性はどのくらいかを詳しく解説します。
🗻 平ヶ岳の概要と生息環境
- 所在地:新潟県魚沼市と群馬県みなかみ町の県境(標高2,141m)
- 周辺環境:奥只見・尾瀬の北部に位置し、深いブナ林と湿原地帯が広がる。
- 特徴:人里から遠く、登山口までのアクセスが長い「深山・秘境タイプの山」。
この「人が少なく自然が深い」という条件は、ツキノワグマにとって理想的な生息環境です。
🐾 クマの生息状況
● 生息しているか?
→ 確実に生息しています。
新潟県と群馬県の両県が公表している「ツキノワグマ管理計画」「クマ出没マップ」において、
平ヶ岳周辺(奥只見・銀山平・至仏山北方・みなかみ町北部)は**クマの常在生息域(コアエリア)**に含まれています。
- 新潟県「にいがたクマ出没マップ(2024年更新)」では、魚沼市銀山平・奥只見一帯に出没多数。
- 群馬県「ツキノワグマ出没マップ」でも、みなかみ町藤原・湯ノ小屋・坤六峠方面(平ヶ岳南側)に出没が確認されています。
つまり、平ヶ岳は県境をまたぐ広域のクマ生息圏の中心部です。
📈 出没頻度
- 平ヶ岳周辺はアクセスが非常に困難で登山者が少ないため、目撃報告は少なめですが、
これは「クマがいない」のではなく「人が少ないから見られにくい」だけです。 - 実際、近隣の奥只見銀山平・至仏山・景鶴山・尾瀬沼西部では、ほぼ毎年クマの目撃・痕跡報告があります。
- 登山ブログ(例:好日山荘登山レポートなど)でも、
「平ヶ岳登山中にクマの糞や爪痕を確認した」という記録が複数見られます。
結論として、出没頻度は中〜高レベル(ただし目撃機会は低い)です。
⚠️ 危険性
- 平ヶ岳のように人が少ないエリアでは、クマが人間に慣れておらず、
不意の遭遇時に防衛的攻撃をするリスクがあります。 - 尾瀬や奥只見地域の猟友会も、
「ブナの実が不作の年は山奥でも警戒が必要」としています。 - 特に6〜7月の子連れ期、9〜10月の食い溜め期(ブナやミズナラの実り季節)は危険性が上がります。
🧩 登山時の実践的なクマ対策
- クマ鈴・ホイッスル・ラジオなどを常に鳴らす。
- 単独登山を避ける(音が届きにくく、不意の遭遇リスク増)。
- 食べ物・ごみの管理を徹底(匂いがクマを引き寄せます)。
- 早朝・夕方の行動は避ける(クマの活動時間帯)。
- 爪痕・糞・掘り跡を見たらその場を離れる。
🧠 まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
クマの種類 | ツキノワグマ |
生息の有無 | 確実に生息 |
出没頻度 | 中〜高(人が少なく目撃されにくい) |
危険度 | 中(不意の遭遇が最大のリスク) |
備考 | 奥只見・尾瀬・越後三山と生息圏を共有 |
✅ 結論
平ヶ岳は「人の少ないクマの本格生息地」です。
奥只見・尾瀬・三国山脈と連なる自然域全体がツキノワグマの生活圏で、
ブナ林豊富な平ヶ岳周辺も例外ではありません。
ただし、クマが積極的に人を襲うことはほとんどなく、
音を出して存在を知らせるなどの基本対策を守れば安全に登山できます。
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