「廃墟だから入ってもいい」は、かなり危険な考え方です。廃墟であっても所有者・管理者が存在する建物や土地は珍しくなく、無断で立ち入れば犯罪になる可能性があります。
特に日本では、「もう使われていない」「ボロボロで誰も使っていない」という見た目だけでは、立入禁止の法的状態にはなりません。
廃墟への侵入は犯罪?結論
廃墟への無断侵入で問題になりやすい代表的な犯罪は、次の2つです。
住居侵入等罪(刑法130条)
建造物侵入罪(刑法130条)
刑法130条は、正当な理由なく、人の住居などに侵入した場合だけでなく、「人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船」に侵入した場合も処罰対象にしています。
したがって、
> 「廃墟=誰も住んでいない=建造物侵入にはならない」
とは限りません。
むしろ、廃墟で問題になるのは「建造物侵入」です。
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1.「廃墟」とは法律上の特別なカテゴリーではない
まず重要なのがここです。
「廃墟」という言葉は一般的な呼び方であって、刑法上の特別な建物カテゴリーではありません。
例えば、
廃ホテル
廃旅館
廃病院
廃工場
廃校
廃マンション
廃店舗
廃家屋
放置された倉庫
長期間使われていない住宅
などがあります。
しかし、これらが法律上、
> 「廃墟だから誰でも入ってよい建物」
になるわけではありません。
建物が使われていなくても、
所有者
管理者
相続人
企業
自治体
金融機関
管財人
などが権利・管理関係を持っている場合があります。
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2.「誰も住んでいない」ことと「誰の管理もない」ことは別
これが最大のポイントです。
例えば10年間使われていないホテルがあったとします。
外から見ると、
> 「完全に放置されている」
ように見えるかもしれません。
しかし実際には、
> 所有者が定期的に見回りしている
> 警備会社が管理している
> 敷地への立入りを禁止している
> 建物を解体するまで管理している
という可能性があります。
したがって、
「人が住んでいない」ことだけでは、自由に入れる根拠になりません。
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3.住居侵入罪と建造物侵入罪は違う
刑法130条では、
> 正当な理由がないのに、人の住居等に侵入した場合
などを処罰しています。
廃墟について重要なのは主に建造物侵入です。
例えば、
廃ホテル
建造物侵入が問題になり得ます。
廃工場
建造物侵入が問題になり得ます。
廃校
建造物侵入が問題になり得ます。
廃倉庫
建造物侵入が問題になり得ます。
一方、
建物ではない単なる土地
の場合は、建造物侵入とは別の法律上の問題になります。
つまり、
> 「廃墟に入る」
という一言でも、実際には
建物に入ったのか、敷地に入ったのか、どのような管理状態だったのか
などを区別する必要があります。
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4.「鍵が開いていたから入った」は言い訳にならない
廃墟でよくある誤解です。
例えば、
> ドアに鍵がかかっていなかった
> 窓が割れていた
> フェンスに穴が開いていた
> 建物の一部が崩れていた
としても、
「入れる状態だった=入っていい状態だった」ではありません。
これは非常に重要です。
所有者が鍵をかけ忘れていたとしても、それだけで第三者に立入りを許可したことにはなりません。
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5.「廃墟だから所有者はいない」は危険な推測
例えば、
> 20年間使われていない
> 看板がボロボロ
> 窓ガラスが割れている
> 草木が伸び放題
> 建物が半壊している
としても、
所有権が消滅するわけではありません。
建物が使われなくなったことと所有権の存在は別問題です。
特に、
> 「こんな状態だから所有者はもういないだろう」
という自己判断で侵入するのは危険です。
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6.「所有者が分からない」ことも、侵入していい理由にはならない
これも重要です。
廃墟を見つけて、
> 「誰が所有しているのか分からない」
となっても、
> 「じゃあ入っていい」
とはなりません。
むしろ、
所有者・管理者が分からないなら、勝手に入らない
のが安全です。
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7.「立入禁止」の看板を無視するとさらに分かりやすい
例えば、
> 「立入禁止」
> 「関係者以外立入禁止」
> 「私有地につき立入禁止」
> 「危険につき立入禁止」
などの表示がある場合。
それを認識した上で侵入すれば、
無断侵入であることを示す事情が非常に明確になります。
もちろん、看板がなければ自由に入れるという意味ではありません。
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8.フェンスを乗り越えたら「侵入した」という事情が強くなる
例えば廃墟の周囲に、
フェンス
門
鎖
ロープ
バリケード
などが設置されていたとします。
それを乗り越えたり、くぐったり、突破したりして入れば、
> 「立入を許可されていなかったことを認識していた」
と判断されやすくなる事情になります。
特に、
> 「立入禁止」の表示+フェンス+施錠
などが揃っている場所に侵入するのは、かなり危険です。
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9.鍵を壊して侵入すると別の犯罪まで問題になる
これはさらに危険です。
例えば、
> 南京錠を切断する
> ドアを蹴破る
> 窓を割る
> フェンスを破壊する
など。
この場合、建造物侵入だけでなく、器物損壊罪などが問題になる可能性があります。
つまり、
> 無断で入る
だけでも問題になるところ、
> 壊して入る
となれば、さらに犯罪が成立する可能性が出てきます。
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10.廃墟から物を持って帰ったらさらに危険
廃墟の中に、
古い家具
機械
看板
写真
食器
金属
電線
建材
工具
コレクション品
などが残っていたとしても、
> 「捨てられている」
とは限りません。
勝手に持ち帰れば、窃盗罪などが問題になる可能性があります。
特に、
> 「こんなボロボロの建物に残っている物なんだから、誰の物でもないだろう」
という判断は危険です。
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11.廃墟探索と「物を盗むこと」は別問題
ここは明確に分ける必要があります。
例えば、
ケースA
廃墟に入って写真だけ撮って帰る。
→ 建造物侵入などが問題になる可能性。
ケースB
廃墟に入って家具を持って帰る。
→ 建造物侵入に加えて、窃盗などが問題になる可能性。
ケースC
窓ガラスを割って入る。
→ 建造物侵入に加えて器物損壊などが問題になる可能性。
ケースD
建物に火をつける。
→ 極めて重大な犯罪になる可能性。
つまり、
「廃墟に入るだけなら大したことない」という考え方は危険です。
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12.写真を撮るだけでも侵入は侵入
よくある誤解が、
> 「何も盗んでいないし、写真を撮っただけ」
です。
しかし、問題になるのは、
何をしたかだけではなく、そもそもどうやってその場所に入ったのか
です。
無断で管理された建物に侵入したのであれば、
> 何も盗んでいない
> 建物を壊していない
> 写真しか撮っていない
という事情だけで建造物侵入の問題がなくなるわけではありません。
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13.「廃墟YouTuber」だから合法ということもない
例えば、
> 「YouTube動画の撮影です」
> 「廃墟探検を仕事にしています」
> 「視聴者に見せるためです」
という理由でも、所有者の許可なく侵入していいわけではありません。
むしろ動画撮影の場合、
顔
車のナンバー
私物
書類
個人情報
施設内部
などが映り込む別の問題も発生する可能性があります。
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14.「心霊スポットだから入っていい」も当然ダメ
「心霊スポット」という呼ばれ方も法的な意味を持ちません。
例えば、
> 廃病院
> 廃ホテル
> 廃トンネル
> 廃校
などがインターネット上で有名になっていても、
観光地として公開されていない限り、勝手に侵入してよいことにはなりません。
むしろ有名な心霊スポットほど、
不法侵入
落書き
窃盗
破壊
火災
事故
などを防ぐために管理が強化されている場合があります。
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15.「廃墟だから犯罪にならない」という都市伝説
廃墟については、
> 「10年以上使われていなければ入っていい」
> 「所有者がいなければ入っていい」
> 「鍵が開いていれば入っていい」
> 「廃業した店なら入っていい」
> 「廃校なら誰でも入れる」
> 「廃墟は所有権を放棄した建物」
などの話がネット上で出ることがあります。
しかし、こうした一律のルールはありません。
特に、
> 「○年以上放置されていたら自由に入れる」
という単純なルールはありません。
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16.「所有権の放棄」と「放置」は違う
法律上かなり重要なポイントです。
所有者が建物を使わなくなったことと、
> 「私はこの所有権を放棄します」
ということは別です。
例えば、
> 会社が倒産した
> 店が閉店した
> ホテルが廃業した
> 工場が操業停止した
という事情があっても、それだけで建物が無主物になるわけではありません。
権利関係が複雑になっているだけの場合もあります。
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17.土地に入る場合も注意
「廃墟の建物」だけでなく、周囲の土地も問題になります。
例えば、
> 廃墟の敷地
> 駐車場
> 庭
> 裏山
> 資材置場
など。
建物に入らなくても、土地への無断立入りが別途問題になる場合があります。
したがって、
> 「建物の中には入っていないから大丈夫」
とも限りません。
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18.刑事事件だけで終わるとは限らない
無断侵入では刑事責任だけを考えがちですが、場合によっては民事上の問題もあります。
例えば、
損害賠償
原状回復
退去要求
修理費請求
などです。
特に、
> 窓を割った
> ドアを壊した
> フェンスを破った
> 内部を荒らした
などがあれば、損害賠償問題につながりやすくなります。
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19.実は「犯罪」以外にも廃墟は危険
法的問題だけではありません。
廃墟そのものが非常に危険です。
例えば、
建物の崩落
床や天井が腐っている可能性があります。
アスベスト
古い建物では石綿含有建材が使用されている可能性があります。
有害物質
工場跡などでは化学物質などが残っている可能性があります。
釘・ガラス
床に大量の危険物がある場合があります。
感電
電気設備が残っている可能性があります。
井戸・穴
床の崩落や開口部から転落する危険があります。
野生動物
動物が棲みついている可能性があります。
不審者
誰もいないと思って入ったら、別の人物がいる可能性があります。
つまり、
廃墟侵入は「法律上のリスク」と「身体的なリスク」の両方があります。
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20.「廃墟に入って事故に遭ったら誰の責任?」
これも非常に重要です。
例えば、
> 廃墟に無断侵入
↓
床が抜ける
↓
大けが
というケース。
「所有者がいるなら全部所有者の責任」と単純に考えることはできません。
事故の状況や施設の管理状態、侵入者側の行為などによって、責任関係は個別に判断されます。
そもそも、
危険だからこそ立入禁止にしている場所に自分から侵入する
という事情が存在することもあります。
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21.合法的に廃墟を見たいならどうする?
ここはシンプルです。
① 所有者・管理者から許可を得る
これが最も確実です。
② 正式な廃墟ツアーを利用する
所有者等の許可を得て公開されているものなら、通常の観光として参加できます。
③ 公開されている施設を利用する
「廃墟風」ではなく、正式に一般公開されている施設を選ぶ方法もあります。
④ 公道など、合法的に立ち入れる場所から外観を見る
敷地内に入らず、合法的に立ち入り可能な場所から見るだけなら、侵入問題を避けられます。
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22.特に危険なのが「ネットで場所を知った廃墟」
SNSや動画サイトでは、
> 「ここは誰も管理していない」
> 「鍵が開いている」
> 「入っても怒られない」
> 「警察に捕まらない」
などの情報が流れていることがあります。
しかし、これは法律上の保証ではありません。
しかもネット情報は古くなることがあります。
以前は無人だった場所が、
> 所有者変更
↓
管理会社が入る
↓
フェンス設置
↓
防犯カメラ設置
となっている可能性もあります。
—
23.警察に見つからなければ犯罪ではない?
これも違います。
犯罪になるかどうかと、
> 実際に警察に発見されるか
は別問題です。
例えば、
> 無断侵入したが誰にも見つからなかった
としても、
それによって行為自体が合法になるわけではありません。
防犯カメラ、近隣住民、所有者、警備会社などから発覚する可能性もあります。
—
24.「一瞬だけ入った」場合は?
これも、
> 1分ならセーフ
10分ならアウト
のような単純な時間基準ではありません。
重要なのは、
正当な理由なく管理されている建造物に侵入したかどうか
です。
したがって、
> 「入口からちょっとだけ入った」
という理由だけで安全とは言えません。
—
25.まとめると「廃墟だから自由」ではない
廃墟について最も覚えておくべきなのは、
> 廃墟=所有者がいない
ではない。
> 廃墟=管理されていない
でもない。
> 廃墟=立入自由
でもない。
ということです。
法律上は「廃墟」という名称ではなく、
誰が所有・管理しているのか、建物や土地がどのような状態なのか、立入りに正当な理由があるのか、どのような方法で侵入したのか
などが重要になります。
特に覚えておきたいポイント
行為 主なリスク
廃墟の敷地に無断で入る 不法侵入等の問題
建物内に無断で入る 建造物侵入罪の問題
フェンスを乗り越える 無断侵入の事情が明確になりやすい
鍵を壊して入る 建造物侵入+器物損壊等の可能性
窓を割って入る 同上
内部の物を持ち帰る 窃盗等の可能性
落書きする 器物損壊等の可能性
火をつける 重大な犯罪になる可能性
写真だけ撮る 無断侵入の問題は残る
YouTube撮影 撮影目的でも無断侵入が合法になるわけではない
したがって、「廃墟探検をしたい」というだけなら、無断侵入するのではなく、所有者・管理者の許可を得るか、正式に公開されている廃墟・廃施設を利用するのが安全です。
なお、刑法130条の法定刑は現在、3年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金です。以前の「懲役」という表現から制度が変わっている点にも注意が必要です。
【あたりまえ】廃墟の探検・侵入は犯罪だからやめとけ【建造物侵入】
疑問

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