「原油」と「石油」は日常会話では同じ意味のように使われることもありますが、厳密には意味が異なる言葉です。簡単に言うと、原油は地下から採掘された加工前の石油、石油は原油およびそこから作られる製品の総称です。ここでは、定義・成分・用途・産業構造・言葉の使い分けまで含めて網羅的に解説します。
1. 原油とは何か
原油とは、地下の油田から採掘された加工前の液体資源のことです。
英語では
- Crude oil
と呼ばれます。
特徴
- 地下から採掘される
- 精製されていない
- 炭化水素の混合物
色は
- 黒色
- 濃い茶色
- 黄褐色
など様々です。
原油はそのままではほとんど使えないため、製油所で精製する必要があります。
2. 石油とは何か
石油は、文脈によって意味が少し変わりますが、一般的には次の2つの意味で使われます。
① 地下の石油資源(原油)
② 原油から作られる石油製品の総称
つまり石油という言葉は
原油
+
石油製品
を含む広い概念です。
3. 石油製品とは
原油を精製すると、様々な製品が作られます。
主な石油製品
| 製品 | 主な用途 |
|---|---|
| ガソリン | 自動車 |
| 軽油 | トラック・バス |
| 灯油 | 暖房 |
| 重油 | 発電・船舶 |
| ナフサ | プラスチック原料 |
| LPG | ガス燃料 |
つまり
原油
↓ 精製
石油製品
という流れになります。
4. 原油から石油製品ができる仕組み
原油は製油所で分離されます。
主に使われる技術は
- 蒸留
です。
仕組み
原油を加熱
↓
沸点の違いで分離
↓
燃料ごとに分かれる
これを
常圧蒸留装置
などで行います。
5. 原油の種類
原油には多くの種類があります。
代表例
- WTI原油
- ブレント原油
- ドバイ原油
特徴
WTI
→ アメリカの指標
ブレント
→ 欧州の指標
ドバイ
→ アジア向け指標
日本は主にドバイ原油を基準に取引します。
6. 石油産業の流れ
石油産業は大きく3つの段階に分かれます。
① 上流(Upstream)
原油の探査・採掘
② 中流(Midstream)
輸送・貯蔵
③ 下流(Downstream)
精製・販売
このうち
原油
=上流
石油製品
=下流
になります。
7. 世界の主要産油国
原油を大量に生産する国
- アメリカ合衆国
- サウジアラビア
- ロシア
これらの国の生産量によって
原油価格
↓
石油製品価格(ガソリンなど)
が変わります。
8. 日本と原油
日本は
原油のほとんどを輸入
しています。
主な輸入先
- サウジアラビア
- アラブ首長国連邦
- クウェート
輸入された原油を日本の製油所で精製し、
- ガソリン
- 灯油
- 軽油
などを作っています。
9. 原油と石油の言葉の使い分け
日常では
原油=石油
のように使われることもありますが、厳密には違います。
一般的な使い方
原油価格
→ 採掘された石油の価格
石油製品
→ ガソリンなどの燃料
石油産業
→ 原油から製品までの産業
10. 原油と石油の違いまとめ
両者の違いを整理すると次の通りです。
| 項目 | 原油 | 石油 |
|---|---|---|
| 意味 | 採掘された未加工の油 | 原油+石油製品 |
| 英語 | Crude oil | Petroleum |
| 状態 | 加工前 | 加工前+加工後 |
| 例 | WTI原油 | ガソリン・軽油 |
つまり
原油
=地下から出てきた油
石油
=原油+そこから作られる製品
です。
まとめ
原油と石油の関係は次のようになります。
地下資源
↓
原油(加工前)
↓ 精製
石油製品(ガソリンなど)
そのため
原油は石油の一部であり、石油の原料という関係になります。


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