法的に「絶対にダメ」と明記されているわけではないが、危険であり/事故や取り締まりの際に「安全運転義務違反」と判断され得るため、原則として運転中はAirPods(イヤホン)を付けない方が安全かつ無難です。以下、理由・根拠・実務的な対策を詳しく説明します。(警察庁)
1) 法的な立場(日本の場合)
- 道路交通法自体に「イヤホン着用を全面禁止する」条文はありません。が、道路交通法第70条の「安全運転義務」(周囲の交通・音・状況に注意して運転する義務)に照らして、イヤホンで必要な音が聞こえない状態で運転していれば違反と判断され得ます。警察の指導文書でも同様の運用が示されています。(警察庁)
- さらに多くの自治体(都道府県)は独自に「走行中のイヤホン使用を規制/注意」する条例や指導を出しており、地域によっては罰則が課される場合もあります。したがって法律上の扱いや取り締まりは「状況・地域による」と言えます
2) 実務上よくある運用(警察・交通安全団体の見解)
- JAFほか交通安全団体・警察は「周囲の音が聞こえない状態での運転は危険で、場合によっては違反となる」と明言しています。たとえ片耳だけでも、緊急車両のサイレンやクラクション、接近車の音が聞こえないなら違反と判断され得ます
3) 事故・保険の観点
- もしイヤホン着用中に事故を起こした場合、「イヤホンで必要な音が聞こえず安全運転ができていなかった」として過失割合に不利に働く・道路交通法違反と判断される可能性があります(実際の判定は事故の状況次第)。そのため保険対応や責任追及の面でもリスクがあります。
4) 安全面での具体的リスク
- 車は救急車のサイレン、クラクション、後方接近車の音、路面の異常音など“音”による情報が重要です。
- ANC(ノイズキャンセリング)や密閉型イヤホンは特に危険:音を遮断するため重要な警告音を聞き逃すリスクが高まります。
- 片耳装着でも「聞こえない音がある」状態になれば危険・違反になる可能性があるので過信は禁物。
5) 実務的な“もし使わざるを得ない場合”の最低限の対策(推奨はしません)
可能なら「使わない」が第一。やむをえない場合の最小限の注意点:
- 音楽は再生しない(ナビの音声や緊急連絡だけの利用に限定する)
- ANCは必ずオフにする(周囲音を遮らないように)。
- 音量は周囲のクラクション・サイレンが確実に聞こえるレベルに下げる。
- 片耳でも、聞こえるかどうかで判断されるため過信しない(片耳でも違反にされる可能性あり)。
- 走行中に操作しない(ハンドル操作に集中できるよう、操作は停車して行う)。
- 可能なら車載のハンズフリー(内蔵スピーカー/車載Bluetooth)を使う — 車載システムは運転を前提に設計されているので圧倒的に安全。
6) より安全な代替案(おすすめ順)
- 車載スピーカー/車のBluetoothハンズフリー(通話・ナビ音声はこれが最も安全)
- ハンドルやステアリングスイッチで操作する(視線移動を減らす)
- バイク用インカムや運転向けの専用機器(バイク向けだが、運転用途なら専用機器のほうが安全)
- どうしても耳に入れる必要がある場合は、音声案内だけを小声で聞ける単耳モノラル機器を使う(ただし法的・安全性は状況次第)
7) まとめ(短く)
- 結論:法律上“全面禁止”ではないが、運転中のAirPods装着は重大な安全リスクであり、事故や取り締まりの際に不利になる可能性が高い。したがって**原則「付けない」**ことを強く推奨します。(警察庁)
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