埼玉・山梨・長野県の境に位置する 甲武信ヶ岳(こぶしがたけ・標高2,475m) とクマについて詳しく解説します。
1. 甲武信ヶ岳にクマはいるのか
- はい、生息しています。
- 甲武信ヶ岳は奥秩父山域の深い森林帯に位置し、ツキノワグマの生息域に含まれます。
- 秩父多摩甲斐国立公園に含まれ、ブナやミズナラ、カラマツなどの広葉樹林が豊富なため、クマが安定して生息できる環境です。
- 過去の登山者の目撃報告や、登山口周辺での痕跡(フン・足跡・樹皮の削り跡)が確認されています。
2. 多いのか(出没頻度・季節性)
- 「非常に多い」とは言えませんが、毎年目撃はある山域です。
- 特に出没が増えるのは:
- 春(5〜6月):冬眠明けで低地や登山道に出てくる。
- 秋(9〜11月):冬眠前で食料探しのため広範囲に移動。
- 登山者の少ない早朝・夕方は遭遇リスクが高くなります。
3. 危険性
- ツキノワグマは体重50〜100kg程度で、通常は人を避けます。
- 危険なのは:
- 子連れの母グマ
- 餌不足で痩せた個体
- 山域が深く登山者も少ないため、鉢合わせの際に逃げ場が限られる箇所では危険度が上がります。
- 過去に奥秩父で登山者との遭遇・威嚇例が報告されていますが、人身被害は比較的稀です。
4. 甲武信ヶ岳登山での熊対策
- 熊鈴やラジオで人の存在を知らせる
- 尾根道や藪沿い、視界の悪い沢沿いで特に有効。
- 単独登山は避ける
- 複数人で行動する方が安全。
- 食料・ゴミ管理を徹底する
- 防臭袋の使用、行動食の包装ゴミを道に捨てない。
- 熊撃退スプレーを携行
- 奥秩父山域は人通りが少ない区間もあるため必須。
- 登山前に出没情報を確認
- 秩父多摩甲斐国立公園ビジターセンターや山小屋掲示板で最新情報を入手。
5. 遭遇時の基本行動
- 走って逃げず、背を見せずにゆっくり後退。
- 攻撃的になった場合は熊撃退スプレーを使用。
- 近距離で襲われた場合はリュックで頭を守るなど、最悪の事態に備える。
6. まとめ
- 甲武信ヶ岳には ツキノワグマが確実に生息。
- 出没は春と秋に増え、早朝・夕方・人通りの少ないコースは特に遭遇リスクが高い。
- 単独登山・食料管理不備・薄暗い時間帯の行動は危険を増す。
- 熊鈴・音での存在通知、食料管理、熊撃退スプレー携行を徹底すれば安全に登山可能。
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