「なぜお弁当は100円均一で100円では販売されていないのか?」 を詳しく丁寧に解説します。
① お弁当は「複合生鮮食品」
お弁当は実は非常にコスト構造が複雑です。
- ご飯(主食)
- 主菜(肉・魚・卵など)
- 副菜(野菜・漬物など)
- 調理(焼く・煮る・揚げるなど)
- 包装(容器・箸・ナプキンなど)
つまり 複数の食材を使い、加熱・調理・盛り付けまで必要 なため、単なる1品料理より原価も手間もかかります。
② 原価が100円には到底収まらない
仮にお弁当のコストをざっくり分解すると:
項目 | コスト目安 |
---|---|
食材費 | 80〜200円 |
調理加工費(人件費) | 30〜60円 |
容器・包装費 | 20〜40円 |
衛生管理・光熱費 | 10〜20円 |
合計 | 140〜320円以上 |
つまり、最低限でも150円以上は必要になるのが一般的です。
100円均一では原価50円以下が理想なので、大きくかけ離れています。
③ 消費期限が極端に短い
お弁当は基本的に 当日消費が原則 です。
- 夏場なら数時間で傷むリスク
- 保存料を多く使えない商品も多い
- 冷蔵保管・販売が必須
100円均一は「常温保存が基本」なので、こうした鮮度・賞味期限の短い商品はビジネスモデルに合わないのです。
④ 廃棄ロスが高リスク
お弁当は売れ残ると即廃棄。
- 廃棄ロス率が高い
- 廃棄コストがかさむ
100円均一は「在庫回転を高めて廃棄を出さない」ビジネスモデルなので、廃棄ロスが高いお弁当とは非常に相性が悪いです。
⑤ 設備投資が膨大になる
お弁当を店舗で販売しようとすると、
- 調理スペース・厨房設備
- 冷蔵・保温ケース
- 毎日の仕入・製造体制
- 保健所の営業許可
などが必要になります。
これらは100円ショップの標準的な運営モデル(低設備・低人件費)とは完全に異なります。
⑥ 例外的に「冷凍弁当」「レトルトご飯セット」なら一部販売可能
最近の100円均一では、
- 冷凍チャーハン(1食100円〜300円)
- レトルトカレー+ご飯パック(セットで300円程度)
といった 保存が効く簡易弁当風商品 は取り扱われることがあります。
これは常温・冷凍流通に適しているため、100円均一でもビジネスモデルが成り立っています。
⑦ スーパー・コンビニとの棲み分け戦略
- スーパー・コンビニ → お弁当を日々製造・販売
- 100円均一 → 常温・長期保存の商品を販売
お弁当は すでに他業態が強く抑えている市場 でもあり、100円均一がわざわざ参入するメリットが少ないのです。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
原価高 | 材料費+加工費が高い |
消費期限 | 当日消費が前提 |
廃棄リスク | 売れ残ると即廃棄 |
設備負担 | 調理・保管設備が必要 |
ビジネスモデル不適合 | 100円均一の低コスト・長期在庫型に合わない |
【一言まとめ】
お弁当は「高コスト・高リスク・短命商品」であり、100円均一とは根本的に相性が悪い。
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