「なぜハーゲンダッツは100円均一で100円では販売されていないのか?」 を詳しく解説します。
① ハーゲンダッツはプレミアムブランド
まず大前提として、ハーゲンダッツは「プレミアムアイスクリーム」に位置付けられています。
- 高級乳製品(生クリーム・全乳)を使用
- 天然素材(バニラビーンズ、ピスタチオなど)を使用
- 着色料・保存料不使用
- 独自製法による濃厚な口溶け
原料も製法も通常のアイスより高コストのため、そもそも仕入れ価格が高いのです。
② 原価が非常に高い
ハーゲンダッツ(110mlカップ)の店頭価格は:
- 定価:319円(税込)
- 安売りでも200円前後
→ 仕入原価はおおよそ 120〜180円前後 と言われています。
100円均一の商品は、仕入原価を最大でも50円程度に抑える必要があります。
つまり、ハーゲンダッツの原価は100円均一で売るには高すぎるのです。
③ 100円均一のビジネスモデルに合わない
100円均一は:
項目 | 100円ショップの特徴 |
---|---|
単価 | 100〜300円中心 |
利幅 | 原価率30〜50%程度に抑える |
流通 | 常温が基本、冷凍は一部のみ |
回転率 | 大量陳列・長期在庫が前提 |
→ ハーゲンダッツは冷凍設備・高単価・高原価という真逆の商品。
④ 流通・在庫管理が難しい
ハーゲンダッツは要冷凍(-18℃以下)で保管が必要です。
100円均一は店舗面積が小さく、冷凍庫設備はごく一部の大型店舗にしかありません。
冷凍庫を設置するだけで、大きな初期投資+維持コストが発生します。
⑤ ブランド価値を守る戦略がある
ハーゲンダッツ側はブランド価値(高級感・特別感)を大事にしており、
- 安売りしすぎない
- ディスカウント流通を極力避ける
という戦略を取っています。
もし100円均一に並べば「高級感が損なわれるリスク」が高いため、メーカー側も供給しません。
⑥ 例外:100円均一でも「類似商品」は登場している
実は最近の100円ショップでは、ハーゲンダッツ風の「濃厚系アイス」が売られることもあります(価格は100円〜300円)。
- 植物性脂肪ベースで原価低減
- 香料・乳化剤で食感を近づける
- 内容量も抑えめ(80〜90ml)
こういった代替商品は**「安価版ハーゲンダッツ的な位置づけ」**ですが、本物の品質とは差があります。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
原価高 | 原材料・製法が高コスト |
単価高 | 仕入れ原価が100円均一に合わない |
冷凍管理 | 設備投資・在庫管理が大変 |
ブランド戦略 | 安売りを避けて価値維持 |
ビジネスモデル不適合 | 100円均一の大量販売モデルと逆 |
【一言まとめ】
ハーゲンダッツは「高原価・高ブランド・高品質」の三重の理由で100円均一には出せない。
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