今度は 「なぜ本みりんは100円均一で100円では販売されていないのか?」 を詳しく解説します。
① まず「本みりん」と「みりん風調味料」は別物
ここを最初に整理しておくと分かりやすくなります。
種類 | 内容 | アルコール | 税区分 |
---|---|---|---|
本みりん | もち米・米麹・焼酎で本格発酵 | 約13〜14% | 酒税法の対象 |
みりん風調味料 | 砂糖・水飴・少量のアルコール | 1%未満 | 食品 |
✅ 実は100円均一で見かけるのは 「みりん風調味料(100ml〜200ml)」 がほとんどです。
✅ 本みりん は滅多に100円均一で見かけません(300円コーナーですら稀)。
② 本みりんは製造コストが高い
本みりんは伝統的な発酵調味料で、製造に時間と材料費がかかります。
- もち米
- 米麹
- 焼酎(または醸造アルコール)
- 数ヶ月〜1年の熟成期間
これらのコストにより、一般的な価格帯は:
- 500ml:400〜800円
- 1L:800〜1500円
つまり、原価が高すぎて100円均一の価格帯に収まりません。
③ 酒税法の規制がかかる
本みりんは 「酒類扱い」 となるため、販売には以下が必要です。
- 酒類販売免許(小売・卸免許)
- 年齢確認
- 管理帳簿
✅ 100円均一の多くは「酒類販売免許を持たない店舗」が中心です。
✅ 免許を取得しても、売上に見合う利益が出しづらく免許管理コストもかかる。
つまり、法律上のハードルが非常に高い ため、ほとんどの100円均一は取り扱いを避けます。
④ 流通・仕入のスケールメリットが働かない
本みりんはそもそも需要が
- スーパー
- 酒販店
- 業務用食材店
などに集中しており、100円均一が扱うには 仕入量が小さすぎて仕入単価が下がらない。
これにより、利益が取れないため扱うメリットがありません。
⑤ 賞味期限・保存管理コスト
本みりんは比較的長期保存が可能ですが、
- 光・温度・酸化による風味劣化
- 容器の破損リスク(瓶入りが多い)
- 酒類扱いゆえの保管管理
などもあり、100円均一の「在庫長期放置型の売り場」には不向きです。
⑥ 例外的に「みりん風調味料」なら売られる
ダイソー・セリアなどでは以下が100円で売られます:
- みりん風調味料(100〜300ml)
- 煮物調味液(砂糖+醤油+みりん風)
これらは
- アルコールがほぼ入っていない
- 酒税法の規制外
- 原価が非常に低い
ため100円で販売可能です。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
原価高 | 材料費・製造期間が長い |
法規制 | 酒税法による販売免許必要 |
流通規模 | 100円均一の大量仕入れに不向き |
保存管理 | 品質劣化・破損リスクあり |
ビジネスモデル不適合 | 100円均一の安定大量販売と合わない |
【一言まとめ】
「本みりんは高原価+法律+流通の壁により100円均一では扱いにくい。100円で売られているのはあくまで “みりん風” 調味料である」
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