「なぜ刺身は100円均一で100円では売られていないのか?」 について詳しく解説します。実は生鮮食品である刺身は100円均一に不向きな商品なのです。
① 刺身は生鮮食品であり、保存が難しい
刺身は非常に傷みやすい食品です。
- 冷蔵・冷凍保存が必須
- 品質の劣化が早い
- 賞味期限が極端に短い(通常当日中)
100円均一は基本的に常温保存の商品を大量に並べる業態なので、刺身のような生鮮食品の取扱には向きません。
仮に取り扱うなら、大規模な冷蔵設備・鮮度管理システム・店舗の人員教育が必要になりますが、100円ショップは基本的にコスト最小化の店舗運営なので採算が合いません。
② 原価が高い
刺身の仕入原価は魚種によって大きく異なりますが、例として:
- マグロ赤身 → 100gあたり200〜400円
- サーモン → 100gあたり150〜300円
- タイ・ブリなど → 100gあたり200〜500円
などが相場です。
1人前の刺身盛り合わせでも、だいたい数百円の仕入原価になります。
100円では原価すら到底まかなえません。
③ 加工・人件費がかかる
刺身は加工が必要です。
- 魚の選別・仕入
- 捌き(骨抜き・皮引きなど)
- カット・盛り付け
- 殺菌・衛生管理
これらすべて人の手が必要であり、自動化が難しい作業です。
加工賃(人件費)も含めると、ますます100円に収めるのは不可能になります。
④ 廃棄ロスのリスクが高い
刺身は売れ残ったらその日のうちに廃棄が原則です。
100円均一は「長期間店頭に並べて販売できる在庫」を前提にしたビジネスモデルのため、
廃棄ロスの高い刺身は非常にリスクが高く、扱えません。
⑤ 設備投資コストが高すぎる
もし100円ショップが刺身を扱おうとすると、
- 冷蔵ショーケース導入
- 衛生管理の強化
- 製造許可(食品衛生法)
- 鮮魚加工人材の確保
など多額の投資が必要になります。
これでは100円均一の利益モデルが完全に崩れてしまいます。
⑥ 例外は「冷凍刺身用魚」だが…
一部の100円均一では、
- 冷凍の刺身用マグロ
- 冷凍のスモークサーモン
などが「100円ではなく300円商品」などで販売されることがあります。
これは冷凍保存が可能なため、賞味期限の問題を回避できるからです。
ただしやはり100円では販売不可能です。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
鮮度管理 | 生鮮品で保存が難しい |
原価 | そもそも仕入価格が高い |
加工費 | 人件費が高い |
廃棄ロス | 売れ残りリスクが大きい |
設備投資 | 冷蔵・衛生投資が重い |
ビジネスモデル不適合 | 100円均一の仕組みに合わない |
【全体のイメージ】
- 刺身は「生鮮」「高原価」「高リスク」商品
- 100円ショップは「常温」「低原価」「低リスク」商品が得意
👉 両者のビジネスモデルが真逆
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