「なぜ寿司は100円均一で100円では販売されていないのか?」 について詳しく解説します。
① 寿司は「生鮮食品」+「手作り加工食品」
寿司は以下の要素を含んでいます:
- 酢飯(ご飯・酢・調味料)
- ネタ(生魚、玉子、貝、甲殻類など)
- 手作業による握り・盛り付け
つまり寿司は「刺身の要素+さらに加工工程」が必要です。
すでに刺身が100円均一に不向きだった理由に加えて、さらに加工コストが上乗せされます。
② 原価が高い
仮に1貫あたりのコストをざっくり計算すると:
- ネタ代:20円〜80円(ネタにより差が大きい)
- 酢飯代:5円程度
- 包装材・パック代:10円程度
- 人件費・衛生管理:10円以上
→ 最低でも1貫40円以上かかるケースが多い
つまり、1パック2貫入りでも80〜100円の原価に近づいてしまうため、100円ショップの「仕入れ50〜60円以内」の原則に合いません。
③ 鮮度管理が非常に厳しい
- ネタは生鮮品(刺身と同様、傷みやすい)
- 酢飯も常温で長時間放置できない
- 店頭滞留時間は長くても数時間
100円均一は「長期保存・長期陳列」が基本なので、短命商品の寿司は極端に不向きです。
④ 加工工程が機械化しづらい
- ネタの切り付け
- 酢飯の成形
- ネタ乗せ、整形、盛り付け
大手回転寿司チェーンならある程度自動化できますが、100円ショップが扱うには人件費が高すぎるためコストに跳ね返ります。
⑤ 廃棄ロスが非常に高リスク
売れ残れば即廃棄。
100円均一は「在庫ロスを極限まで抑える」モデルですが、寿司はこのモデルと完全に逆行します。
⑥ 設備投資コストが大きすぎる
もし100円均一が寿司を取り扱うとしたら:
- 店舗内調理スペース確保
- 冷蔵ケースの常設
- 毎日の衛生管理、食材仕入れ
- 保健所の営業許可
が必要になります。
これは完全にスーパーやコンビニの領域であり、100円ショップの業態とはかけ離れます。
⑦ 例外的に「冷凍寿司」「乾燥寿司風スナック」なら売られることもある
実はダイソーなどでは
- 冷凍のいなり寿司・ちらし寿司
- 寿司風お菓子・寿司モチーフグッズ
は100円〜300円で販売されています。
これらは「生鮮ではない」「常温・冷凍保存が可能」だからこそ100円均一に適合しています。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
原価高 | ネタ+加工費で高コスト |
鮮度問題 | 賞味期限が極端に短い |
人件費 | 加工工程が多くコスト高 |
廃棄リスク | 廃棄ロスが極めて高い |
設備問題 | 冷蔵・衛生管理が必要 |
ビジネスモデル不適合 | 100円均一の低コスト大量販売に合わない |
【一言まとめ】
寿司は「生鮮食品の王様」だから100円均一とは真逆の性質の商品。
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