不機嫌とは？フキハラってなに？

不機嫌ハラスメントは、職場や家庭などで、特定の人が不機嫌な態度を繰り返し示すことで周囲に心理的圧力を与える行為を指します。本人はただ「機嫌が悪いだけ」のつもりでも、継続的にその態度を周囲にぶつけることで、相手が萎縮したり、気を使い過ぎたり、精神的負担を抱えたりするため、ハラスメントとして扱われることがあります。

この特徴としては、まず表情や態度で周囲を支配しようとする点が挙げられます。無視、ため息、強い口調、物にあたるといった行動を繰り返し、「機嫌を取らないと面倒なことになる」と周囲に思わせる状態が典型的です。また、直接的な暴言や指示ではなく、雰囲気や情緒を利用する点も特徴的です。そのため、受ける側が「自分が悪いのか」と感じやすく、問題として認識しにくい傾向があります。

発生しやすい背景としては、感情のコントロールが苦手な人が自分の不満を態度で表に出してしまう場合と、意図的に不機嫌を使って相手を操作しようとする場合があります。後者は特に権力関係が絡む場面で起きやすく、上司や家庭内の力関係が強い人が行いやすいと言われます。

影響としては、周囲の人が過度に気を使うようになり、生産性の低下、コミュニケーションの悪化、精神的ストレスの蓄積につながります。職場であれば組織全体の雰囲気を悪くし、家庭であれば関係性の歪みや疲弊を招きます。

対処法としては、まず自分の受けた影響を客観的に整理し、相手の問題行動と自分の責任を区別することが大切です。そのうえで、距離を置く、第三者に相談する、職場なら上司や人事に状況を共有するなど、外部の助けを得る方法があります。近い関係であれば、感情的にならずに「その態度がどう負担になるか」を伝えるコミュニケーションも有効な場合があります。

不機嫌ハラスメントは目に見える暴力ではないため軽視されがちですが、継続すると相当な心理的負担となります。