南会津町(福島県南会津郡)におけるクマ出没・対策ガイド
山深い自然が多い南会津町では、野生のクマ(主に ツキノワグマ)の生息・出没の可能性が高く、住民・活動者として備えておくべき地域です。以下、「いるか/多い時期/危険性/駆除の是非/対策」を詳しく整理します。
1) クマはいるのか?
- 南会津町の公式ウェブサイトに「クマ類出没対応マニュアル・クマ注意パンフレット」が掲載されており、町がクマの出没を認識・警戒していることが明記されています。
- 報道でも、2025年11月4日午前10時ごろ、南会津町田島字田部原で住人が自宅付近をうろつくクマ(体長約50 cm)を目撃したという記事があります。
- さらに、11月11日午後には南会津町針生地内で国道を横断するクマ目撃の報が出ています。
→ これらから「生息している/人里近くに出没する可能性がある」と判断できます。
2) 多い時期・出没しやすい条件
多い時期
- 福島県では「ツキノワグマ出没警報」が 9月11日~12月15日 に発令されており、秋から冬眠前にかけて出没が増えやすいとされています。
- 南会津町でも11月初旬の目撃が報じられており、秋以降の出没が活発であることが確認できます。
出没しやすい条件・時間帯・場所 - 早朝・夕方・薄暮・夜間:人の活動が少ない時間帯にクマの活動が増える傾向あり。
- 山林・林縁・農地・休耕地・人里との境界:町が出没マニュアルでこのような場所を注意点として挙げています。
- 山菜採り・キノコ採り・散策・林道作業など人が山側・山裾へ入る活動時。
→ よって、南会津町では 「秋(9月以降)~冬眠前(~12月)」「朝夕・薄暮・人里近く/山裾・林縁」 が特にリスクが高いと見て備えるべきです。
3) 危険性 — 人・暮らしへの影響
- クマは普段人を避ける行動を取ることが多いですが、以下のような状況では危険性が高まります:
- 子グマを連れた親グマの近くで遭遇した場合。
- 人里・集落近く・農地・住宅地で餌(果実・残飯・飼料など)を得る習慣が出来ているクマ。
- 視界が悪い・人が少ない時間帯・山林・林道・休耕地・人里近くで不意に遭遇した際。
- 南会津町では実際に住宅近く・国道横断・人の近くでの目撃例があり、「遭遇の可能性が現実のもの」であると見なすべきです。
- 従って、住民・農林作業者・散策・登山・通勤通学者など幅広い方にとって「クマと出会う可能性あり/被害が起き得る環境」であると言えます。
4) 駆除(捕獲)すべきか? — 判断と実務
- 駆除を住民が独自に行うのは非常に危険かつ法律・安全・野生動物保護の観点から慎重であるべきです。
- 駆除が検討される典型的状況は:「人身被害が発生」「人里・住宅地/農地に常習的に出る個体」「農林畜産被害が繰り返されている」などです。
- 南会津町ではマニュアルで「今秋のキノコ刈り・山地作業では事故リスクが非常に高い」と明記されており、地域として駆除を含めた対策の一環を想定しています。
- ただし、公開情報で「南会津町で特定個体の駆除が行われた」という明確な記録を私は確認しておりません。
- したがって、現状では「まずは予防・遭遇回避・通報」が優先で、必要に応じて自治体・県と連携して駆除検討を行うべきという判断が妥当です。
5) 南会津町での実践的な対策
家庭・住宅地・集落
- 果実(柿・栗など)・収穫後の残渣・生ごみを屋外に夜間放置しない。
- ペットフード・飼料・残飯を屋外に無防備に出さない。
- 山裾・林縁・集落近くでは防獣ネット・ワイヤー柵・電気柵の設置検討。
- 夜間・早朝・薄暮・人通りの少ない道を通行する際には、熊鈴・ラジオ・ライトなど“人の音・存在”を示す装備を携行。
- 住民・集落で「最近クマを見た/痕跡あり」の情報を共有し、地域で警戒体制を作る。
農林作業・山際・畑・果樹園
- 単独作業は避け、可能な限り複数人で行動。
- クマ鈴・携帯ラジオ・ホイッスルなど“音を出せる装備”を必ず携行。
- 果樹園・畑の山側・林縁付近には電気柵・防獣ネット・ワイヤー柵を設置、クマの進入を物理的に防ぐ。
- 朝・夕・薄暮・夜・雨・霧など視界・足元が悪い条件の時は作業を控える。
- クマの痕跡(足跡・糞・“熊棚”=木の皮剥ぎ跡)を見つけたら「近くにクマがいる可能性あり」と判断し、作業を中断・別場所へ移る。
登山・散策・通行・アウトドア
- 山林・林道・里山・農道などを通る/散策する際には、事前に町・県の「クマ出没マップ/出没情報」を確認。
- 複数人行動、鈴・ラジオ携行、暗くなる前に下山・帰宅。静かな山道・人通りが少ない道では特に“音を出して人の存在を示す”ことが有効。
- 遭遇したときには:
- 慌てて逃げず、背を向けず、ゆっくり距離を取ってその場を離れる。
- 子グマを見たら親グマが必ず近くにいると想定する。
- 食べ物・ゴミをその場に放置せず、匂いや残飯を残さない。
6) まとめ
- 南会津町は クマが生息・出没する可能性が明確にある地域です。
- 出没・遭遇リスクが特に高い時期は **秋(9月以降)〜冬眠前(12月)**で、さらに 朝夕・薄暮・山裾・林縁・人里近くという条件が重なるとリスクが上がります。
- 危険性を軽視すべきではなく、住民・作業者・登山者・通行者ともに「遭遇・被害の可能性あり」として備えるべきです。
- 駆除については、住民単独で行うものではなく、「予防・遭遇回避・通報・自治体との連携」が基本です。
- 日常として、家庭・農林作業・アウトドア利用それぞれにおいて「クマを誘引しない環境づくり」「クマと出会わない行動パターン」を習慣づけることが最善策となります。


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