「仕事場(オフィス・工場・現場など)がかなり暑くなる」原因には、建物の構造、設備、立地、作業内容、人の集中度など複数の要素が絡みます。暑さが続くと、生産性の低下、体調不良、熱中症のリスクが高まるため、的確な対策が必要です。
ここでは、仕事場が暑くなる主な原因と具体的な対策を、「オフィス」「工場・現場」「共通ポイント」に分けて詳しく解説します。
■ 【共通】仕事場が暑くなる主な原因
原因 |
内容 |
建物の断熱性不足 |
天井・壁・窓から外気の熱が侵入しやすい。特に築年数が古い建物や簡易構造では顕著。 |
窓・壁からの日射 |
南・西向きの窓から強い日差しが室温を上昇させる。 |
空気のこもり |
換気が不十分なため、熱が滞留する(特に個室や区切られた空間)。 |
機械・パソコンの排熱 |
電子機器・工業機械の稼働によって内部発熱が蓄積。 |
人の密度が高い |
多人数が集まると人の体温と呼気で温度と湿度が上昇する。 |
空調の不均等 |
冷房が届かない場所や故障・節電による停止で暑さが放置されがち。 |
■ 【1】オフィスが暑い場合の原因と対策
主な原因
- 窓からの日射(西日)
- 冷房の効きが不均等(デスク下が暑い)
- パソコンやコピー機などの排熱
- 間仕切りで空気の流れが遮断される
効果的な対策
対策 |
解説 |
遮熱カーテン・ブラインドの導入 |
日射の侵入を防ぎ、室温上昇を抑える。特に西日対策に有効。 |
サーキュレーター・ファン設置 |
冷房の風の偏りを補正し、空気を循環させる。 |
デスク下用の小型扇風機 |
足元が暑くなりやすいオフィスにおすすめ。USB接続可能な製品が多い。 |
パソコンの熱対策 |
ノートPCの**冷却台(クーラーパッド)**などを使うと排熱を軽減。 |
空調管理の見直し |
温度センサーの位置や設定の適正化。26~28℃を目安に調整。 |
■ 【2】工場・倉庫・作業現場が暑い場合の原因と対策
主な原因
- 高い天井+屋根からの熱(屋根の直射)
- 重機・モーター・溶接など発熱作業
- 冷房設備がない、または空間が広くて効かない
- 夏の湿気で蒸し風呂状態
効果的な対策
対策 |
解説 |
屋根の断熱・遮熱塗装 |
屋根に**遮熱塗料(白色や銀色)**を塗ると、屋内温度が数℃下がる。 |
屋上散水・ミスト設備 |
蒸発冷却を利用して屋内温度を抑える。 |
工業用大型ファン・スポットクーラー |
天井から強力な送風で熱気を排出し、作業者に直接冷風を当てる。 |
休憩スペースに冷房完備 |
現場全体を冷やせない場合でも、クールダウン可能な小部屋を設置。 |
作業服の冷却対策 |
ファン付き作業服、アイスベスト、冷却タオルの活用。 |
■ 【3】共通の暑さ対策(建物・設備・人への対策)
1. 建物・設備的な改善
対策 |
効果 |
遮熱フィルムの貼り付け |
窓ガラスの赤外線をカット、室内温度を下げる。 |
通風窓・換気扇の設置 |
自然通風+機械換気で空気の滞留を防ぐ。 |
保水性舗装・緑化周辺整備 |
外気温を少しでも下げ、建物への熱の伝導を抑える。 |
2. 人への直接対策
対策 |
ポイント |
水分・塩分補給の徹底 |
熱中症予防には「こまめに、のどが渇く前に」。 |
着衣の工夫 |
吸湿速乾素材、通気性の良い服、汗を逃がしやすい素材を選ぶ。 |
勤務シフトの調整 |
早朝・夕方の作業中心、正午前後を避けるなど時間管理も重要。 |
休憩の確保 |
1時間ごとに10〜15分程度、冷房の効いた場所で休憩を取る。 |
■ 暑さによるリスクと注意点
リスク |
内容 |
生産性の低下 |
集中力・判断力が落ち、ミスや事故の原因に。 |
熱中症・脱水症状 |
高齢者や若年層を問わず急激な体調悪化の恐れ。 |
メンタルへの悪影響 |
暑さによるストレスやコミュニケーション悪化。 |
■ まとめ:仕事場が暑い原因と対策一覧
区分 |
主な内容 |
原因 |
外気温、日射、機械熱、断熱不足、冷房不足、換気不足 |
オフィス対策 |
遮熱、空調循環、機器の排熱対策、小型送風 |
工場・現場対策 |
遮熱塗装、送風機、スポットクーラー、冷却服 |
共通対策 |
通風・断熱改善、水分補給、衣類調整、勤務時間の工夫 |
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