「なぜ日本酒は100円均一で100円では売られないのか?」 について、詳しく解説します。
① 日本酒も当然「酒税法」の対象
日本酒(清酒)は、酒税法の中で「清酒」として分類されています。
その税率は以下の通りです:
種類 | 税率(1リットルあたり) |
---|---|
清酒(日本酒) | 100円/L |
つまり、1Lあたり100円の酒税 です。
例えば:
- 720mlボトル → 酒税72円
- 180ml(ワンカップ) → 酒税18円
税金だけでも、100円販売のかなりの部分を占めます。
② 原料・製造コストが高い
日本酒は製造工程が非常に手間がかかります。
- 米の精米(削るほど高コスト)
- 米麹の製造
- 仕込み・発酵(数週間〜数ヶ月)
- 搾り・ろ過・火入れ・瓶詰め
安価な普通酒でも、一定のコストは避けられません。
特に精米歩合が低い(吟醸・純米酒など)ほど高級化するため、原価が下げづらいのが特徴です。
③ 流通・包装コストも発生する
- 重量物である(瓶詰めが主流)
- ガラス瓶破損リスク
- 温度管理(劣化防止のため)
流通コストや在庫リスクも無視できません。
100円均一の低価格ビジネスモデルとは相性が悪い部分です。
④ 100円均一のビジネスモデルに不適合
100円ショップは基本的に:
- 小型軽量
- 原価が非常に安い
- 賞味期限が長い
という商品が中心です。
日本酒は:
- 比較的重量物
- 原価が高い
- 開封後は劣化しやすい
という特性があり、100円均一の定番商品にはなりにくいです。
⑤ 酒類販売免許の壁
日本酒も当然「酒類販売業免許」が必要です。
100円ショップの全店舗が免許を持っているわけではなく、取扱自体が限定されがちです。
⑥ 例外的に販売されるケース
実は100円均一でも日本酒を売っている場合があります。ただし:
- 100円ではなく200〜500円商品として
- ミニボトル180ml前後の商品
たとえばダイソーの300円・500円商品コーナーで
- ワンカップ酒
- 小瓶の純米酒
が並ぶことがあります。
容量が小さいからこそ低価格に抑えられているわけです。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
酒税法 | 100円/Lの酒税がある |
原価 | 精米・醸造でコストが高い |
流通 | 重量・温度管理・瓶破損リスク |
免許 | 酒類販売業免許が必要 |
モデル | 100円均一のビジネスモデルに合わない |
【総まとめ】
日本酒は「高級でなくても100円は無理」な酒
- ワンカップでも100円には届かない
- ミニサイズなら低価格販売可能
- 大量生産でも原価圧縮に限界あり
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