「なぜ焼酎は100円均一で100円では売られていないのか?」
こちらも、ビールやワインとはまた少し違った理由が絡んできます。順番に詳しく解説します。
① 焼酎も酒税法の対象
焼酎は日本の「酒税法」の中で分類されています:
種類 | 税率(1リットルあたり) |
---|---|
焼酎甲類 | 120円/L |
焼酎乙類(本格焼酎) | 100円/L |
たとえば、標準的な 720mlボトル で考えると、酒税は
- 甲類:約86円
- 乙類:約72円
です。
つまり、焼酎も酒税だけでほぼ100円の価格の大半を占めてしまうため、100円均一で100円販売はまず不可能となります。
② 原料・製造コストも意外に高い
焼酎は:
- さつまいも、麦、米などの原材料費
- 発酵・蒸留・熟成設備
- 水やろ過の工程
- ボトリング・包装
といったコストがかかります。
特に本格焼酎(乙類)は品質管理も重要で、原価を下げるのが難しいです。
甲類(連続蒸留)で大量生産しても、100円以下の原価にはなりません。
③ 流通・小売コストも無視できない
- 重量があるため物流コストが高い
- ガラス瓶の場合は破損リスクも高い
- 保管にもスペースが必要
こうした理由もあり、100円ショップでの取り扱いが難しくなります。
④ 100円均一のビジネスモデルに合わない
100円ショップは、「単価が安い・軽い・回転が早い商品」を得意としています。
焼酎は安価品でも、最小サイズが200ml〜300ml程度になることが多く、容量に対するコストが見合わず、100円に収めるのは困難です。
⑤ 酒類販売免許の問題
焼酎も他のアルコール類と同様、販売には「酒類販売業免許」が必要です。
そのため、そもそも販売しない店舗も多く、取り扱い自体が限定的です。
⑥ 例外的に100円ショップで見かけるケース
ダイソーやキャンドゥなど一部では、ごくまれに
- 100円ではなく、300円商品として「ワンカップ焼酎」
- 200ml程度のポケット焼酎
などが置かれていることがあります。
これは通常の商品より容量が小さく、100円では無理でも「ワンコイン価格(300円)」なら成立するパターンです。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
酒税法 | 税金負担が高い(約70〜86円) |
原価 | 蒸留・製造コストが安くない |
流通コスト | 重量物ゆえコスト高 |
ビジネスモデル | 100円均一に不向き |
免許 | 酒類販売業免許が必要 |
焼酎は「比較的安いが100円にはできないお酒」
- 本格焼酎でも数百円は必要
- ミニサイズでも100円均一価格は困難
という位置付けになります。
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