「ワインはなぜ100円均一で100円では売られないのか?」について、ビールとは少し違う事情も絡んできます。順を追って詳しく解説します。
① ワインも酒税法の対象
ワインも日本では「酒税法」に基づき課税されています。
ただし、ワインの酒税はビールより低めです:
種類 | 酒税率(1リットルあたり) |
---|---|
果実酒(=ワイン) | 80円/L |
例えば750mlボトルなら約60円の酒税です。
※ビールよりは安いが、それでもゼロではありません。
つまり、税金だけで60円程度かかっているため、残り40円で原料・製造・輸送・販売コストをすべてまかなうのは不可能です。
② 原材料費・製造コストが高い
ワインは:
- ぶどうの栽培・収穫コスト
- 醸造・発酵・熟成コスト
- 瓶詰め・ラベル・包装コスト
などがかかります。
特に本格的なワインは時間も手間もかかるため、そもそも100円以下の原価で作ることは不可能です。
もちろん、安価なテーブルワイン(いわゆるペットボトル入りワイン)でも、500mlで300円台が限界です。
③ 流通コスト・輸送コストが高い
多くのワインは海外からの輸入品です(フランス、イタリア、チリ、スペインなど)。
輸送費、為替リスク、関税なども乗ってきます。
たとえ国内産でも、保管・流通・小売の各段階でコストがかさむため、100円では販売できません。
④ 100円ショップのビジネスモデルと合わない
100円均一は以下の特徴があります:
- 大量仕入れで原価を下げる
- 低価格帯商品を大量販売する
ワインはそもそも原価が高く、ロットも安定しづらいので、100円ショップ向きではありません。
⑤ 酒類販売免許が必要
ビールと同じく、ワインの販売にも「酒類販売業免許」が必要です。
そのため、全店舗が対応しているわけではなく、取扱量も限定されがちです。
⑥ 例外的に「ミニボトルワイン」はある
ダイソーなど一部の100円均一では、**180ml前後のミニワイン(グラスワイン1杯分)**を200円〜300円程度で販売するケースがあります。
これは容量が少ないので、低価格でも成立する例外です。
結論まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
酒税法 | 税金だけでも60円前後 |
原価 | 100円以下では製造困難 |
輸送コスト | 輸入品が多く高コスト |
免許 | 販売免許の取得が必要 |
ビジネスモデル | 100円均一の仕組みに合わない |
👉 ビールよりも、ワインはさらに100円均一に向かないお酒
👉 例外はごく少量のミニボトルだけ
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