大人になっても「目薬を入れようとすると反射的に目を閉じてしまう」というのは、それほど珍しいことではありません。意志が弱いわけでも、子どもっぽいわけでもありません。
むしろ、目は非常に敏感な器官なので、異物が近づくと**「危険を感じてまぶたを閉じる」防御反応**が起こります。特に、容器が眼球に近づいてくるのを見ながら点眼しようとすると、無意識に目を閉じやすくなります。
そして重要なのは、「目を開け続けること」自体を目標にしないことです。点眼後はむしろ目を閉じるのが正しい方法です。日本眼科医会も、点眼後は目を閉じて薬液を目の表面に広げるよう案内しています。
以下、なぜ閉じてしまうのかから、具体的な克服方法まで詳しく解説します。
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目薬をさすときに目をつむってしまう原因
主な原因は次のようなものです。
1. 目に異物が近づくことへの防御反射
2. 目薬の容器を見ながら点眼している
3. 「目に入れる瞬間」を意識しすぎている
4. 過去に失敗した経験がある
5. 目薬が落ちてくる感覚への恐怖
6. まつ毛やまぶたに容器が触れそうで緊張する
7. 目を大きく開けようと力みすぎている
8. 点眼時の姿勢が不安定
9. ドライアイなどで目が刺激に敏感になっている
10. 点眼そのものに苦手意識が形成されている
特に多いのが、
> 「目薬を目に入れなければ」
と意識するほど、目を閉じてしまうパターンです。
これは「怖いから閉じる」というより、目に何かが近づく→まぶたを閉じる、という自動的な反応に近いものです。
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目薬をさすときに目を閉じるのは異常なのか
基本的には、それだけで異常とは考えません。
点眼の瞬間にまぶたが閉じてしまう人はいます。
問題なのは、
「閉じてしまうため、薬液が目に入らない」
という実用上の問題です。
したがって、
「目を閉じない人になる」
必要はありません。
目標は、
「目を閉じる反射があっても、薬液をきちんと目に入れられる方法を身につける」
ことです。
ここは非常に重要です。
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目薬をさすときに最もおすすめなのは「下まぶたを引っ張る方法」
一般的な点眼方法では、下まぶたを軽く下に引いて、上を向いて点眼する方法が使われます。日本眼科用剤協会もこの方法を案内しています。
具体的には、
① 手を洗う
まず手をきれいにします。
② 顔を少し上に向ける
鏡を見ながらでも構いません。
③ 下まぶたを軽く下に引く
片手の指で下まぶたを軽く引きます。
④ 視線を上にする
目薬そのものを見ないようにします。
ここがかなり重要です。
⑤ 容器を目の上に持ってくる
目薬の先端を見ないようにします。
⑥ 1滴だけ落とす
目薬の先端は、目・まぶた・まつ毛に触れないようにします。容器の先端が触れると、薬液が汚染される原因になります。
⑦ 入ったら目を閉じる
ここは「閉じてはいけない」のではありません。
入った後は閉じてOKです。
むしろ点眼後は、しばらく目を閉じることが推奨されています。
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目薬を見ないでさすと成功率が上がりやすい
「目薬が落ちてくるところを見よう」とすると、まぶたを閉じやすくなります。
そこで、
目薬ではなく、天井を見る
ようにします。
例えば、
> 天井の一点を見る
↓
下まぶたを軽く引く
↓
目薬を持った手を頭上から近づける
↓
1滴落とす
↓
目を閉じる
という流れです。
目薬の容器を凝視しないだけで、かなり楽になる人がいます。
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「げんこつ法」は大人にもかなり使える
目薬をうまく固定できない人には、げんこつ法も選択肢になります。
日本眼科用剤協会も、点眼方法の一つとして紹介しています。
やり方は、
目薬を持つ手を軽く握る
その手の「げんこつ」を下まぶた付近に当てる
げんこつを支点にして目薬を固定する
反対の手で下まぶたを軽く引く
上を見る
1滴落とす
という方法です。
メリットは、
手がブレにくくなること
です。
「目薬を持った手が震えて怖い」という人には特に試す価値があります。
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目を閉じてしまう人には「まぶたを無理やり開けない」ほうがいい
これは意外に重要です。
「絶対に目を閉じるな!」
と考えるほど、緊張してしまいます。
その結果、
目をギュッと閉じる
ことがあります。
そこで、
> 「開け続ける」
ではなく、
> 「一瞬だけ薬液を入れて、その後は閉じていい」
と考えます。
点眼は長時間目を開け続ける競技ではありません。
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「目を閉じる直前に薬を落とす」という方法もある
目を閉じてしまう人は、
「目を開けている時間を短くする」
という発想も有効です。
例えば、
1. 下まぶたを引く
2. 上を見る
3. 目薬を目の上まで持ってくる
4. 目を開ける
5. すぐ1滴落とす
6. 目を閉じる
という流れです。
「10秒間目を開け続けなければいけない」と考える必要はありません。
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鏡を使うときのコツ
鏡を使う場合は、真正面から目薬を入れようとしないほうが楽な場合があります。
真正面から容器が迫ってくると、
「目に何かが突っ込んでくる」
ように感じるからです。
そこで、
顔を少し上に向け、視線を上にして、目薬を上方から落とす
方法を試します。
また、鏡に映った目薬を凝視するのではなく、
視線は天井方向に固定
してください。
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寝転んで目薬をさす方法もある
立った状態でどうしても難しい場合は、
仰向けになる
方法もあります。
例えばベッドやソファで仰向けになり、
顔を上に向ける
下まぶたを軽く引く
上を見る
目薬を上から持ってくる
1滴落とす
という方法です。
体が安定するので、
「目薬を持つ手がブレる」
という問題も減らせます。
ただし、容器の先端を目にぶつけないことは絶対に守ってください。
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それでも目を閉じてしまうなら「目に入れる場所」を変える
ここが非常に重要です。
目薬は、
黒目の中心に命中させなければならない
わけではありません。
一般的な点眼では、下まぶたを引いてできたスペースに点眼します。
つまり、
「黒目の真ん中に命中させる」
という難しい作業をする必要はありません。
むしろ、
黒目を狙いすぎることが恐怖につながっている人は、下まぶたを引いてできた袋状の部分を狙う
ほうが楽です。
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どうしても目を開けられない人向けの裏技的な方法
日本眼科用剤協会は、点眼時に目を閉じてしまう場合の方法として、目の周囲を清潔にしたうえで、目頭付近に点眼する方法を紹介しています。目を開けたときに薬液が目の中に入っていくという考え方です。
ただし、大人の場合はまず、
通常の下まぶたを引いて点眼する方法
を練習することをおすすめします。
この方法は「どうしても目を開けられない場合の選択肢」と考えるとよいでしょう。
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目薬の先端を目に近づけすぎない
「失敗したくない」と思うと、容器の先端を目に近づけすぎる人がいます。
これは逆効果です。
目薬の先端が、
角膜
白目
まぶた
まつ毛
などに触れないようにします。
容器の先端が目やまつ毛に触れると、薬液に細菌などが入り、汚染される可能性があります。
「近づけるけれど、触れない」
という距離感が重要です。
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目薬は何滴入れればいいのか
基本的には、1回1滴で十分なことが多いです。
日本眼科医会も「1、2滴で十分」と案内しており、緑内障についても1回1滴以上は不要と説明しています。
したがって、
> 「1滴失敗した!もう1滴!」
と何滴も入れる必要はありません。
ただし、薬によって用法が異なる場合があるので、処方された薬は医師・薬剤師から指示された回数・量を優先してください。
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目薬が入ったら「パチパチ」しない
これも大切です。
目薬が入った瞬間、
> パチパチパチ……
とまばたきを繰り返す人がいます。
しかし、点眼後はすぐ目を閉じ、しばらくそのままにする方法が推奨されています。
さらに、目頭付近を軽く押さえる方法もあります。
これは薬液が鼻涙管を通って鼻や喉へ流れていくのを抑える目的があります。
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「目薬が怖い」を克服する練習方法
いきなり本番で練習する必要はありません。
むしろ、段階的に慣らしたほうが簡単です。
ステップ1:目薬を持たずに練習
鏡を見ながら、
顔を上に向ける
上を見る
下まぶたを引く
目を開ける
目を閉じる
だけ練習します。
これを何回か繰り返します。
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ステップ2:容器を持つだけ
次に目薬を持ちます。
ただし、まだ点眼しません。
「目薬を持った手を目の上に持ってくる」という動作だけ練習します。
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ステップ3:目の上まで持っていく
ここでも、
容器の先端を目に触れさせない
ようにします。
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ステップ4:本番
最後に1滴入れます。
この段階では、
「絶対に目を閉じない」
ではなく、
「1滴入ったら閉じていい」
と考えてください。
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「目薬を入れる瞬間」を予測しないのもコツ
意外と効果があるのが、
自分でタイミングを予測しない
ことです。
例えば、
「今から落ちてくるぞ……」
と構えると、まぶたが閉じます。
そこで、
> 上を見る
↓
手を固定
↓
1滴
↓
閉じる
という一連の動作を機械的に行います。
考えすぎないことです。
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「目薬が目に落ちる感覚」が嫌な場合
これは別の問題です。
点眼前ではなく、
薬液が目に入った瞬間に反射的に目を閉じる
場合があります。
この場合も、
「入った瞬間に閉じてはいけない」
と考える必要はありません。
むしろ、
入った瞬間に目を閉じる→そのまましばらく閉じる
で構いません。
点眼後に目を閉じること自体は正しい方法だからです。
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目薬が怖い人は「容器を目に近づける」のをやめる
もう一つおすすめなのが、
容器を目の真正面から近づけない
ことです。
例えば、
顔を上に向ける
視線を上にする
容器を頭の上側から持ってくる
目薬を落とす
という形にすると、容器が視界に入りにくくなります。
「目薬を見ていると閉じてしまう」という人には特に有効です。
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コンタクトレンズを使用している場合は注意
コンタクトレンズ使用中は、目薬によって装着したまま使用できるかどうかが異なります。
したがって、
「目薬なら何でもコンタクトをつけたまま使える」
とは考えないでください。
処方薬・市販薬ともに、製品の説明書や医師・薬剤師の指示を確認してください。
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目薬を何種類も使っている場合
複数の目薬を使う場合は、
基本的に5分以上間隔を空けます。
日本眼科医会、日本眼科用剤協会なども5分程度以上の間隔を案内しています。
例えば、
A点眼
5分以上
B点眼
という具合です。
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「目をつむってしまう」ことで薬が全部無駄になるのか
必ずしもそうではありません。
例えば、点眼直後にまぶたを閉じたとしても、
薬液が目に入っていれば、それ自体は問題ではありません。
むしろ点眼後に目を閉じることは推奨されています。
問題なのは、
目を閉じるのが早すぎて、薬液がまぶたや頬に落ちてしまうこと
です。
したがって、
> 「目を閉じない練習」
より、
> 「目を閉じる前に1滴だけ目の中へ入れる練習」
をしたほうが合理的です。
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どうしても失敗するなら「薬局・眼科で点眼方法を見てもらう」
これはかなりおすすめです。
処方された点眼薬なら、眼科や薬剤師に、
> 「目薬を入れると反射的に目を閉じてしまってうまく点眼できません」
と伝えてください。
実際の点眼方法を見てもらえば、
顔の角度
下まぶたの引き方
手の位置
容器の距離
視線の位置
など、本人が気づいていない問題を指摘してもらえることがあります。
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目薬をさすのが極端に怖い場合は別の原因も考える
単なる苦手意識なら問題ありません。
しかし、
目薬を見るだけで強い恐怖が出る
容器を目に近づけられない
毎回パニックになる
目を強く閉じてしまう
手が大きく震える
点眼が必要なのに何度やってもできない
というレベルなら、無理に我慢する必要はありません。
医師・薬剤師に相談して、点眼方法そのものを変える方法や、別の剤形が使えるかどうかなどを相談できます。
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目薬をさすのが苦手な大人におすすめの「最短手順」
最終的には、これだけ覚えておけば十分です。
目薬をさす5ステップ
① 手を洗う
↓
② 顔を上に向けて、目薬ではなく天井を見る
↓
③ 下まぶたを軽く引く
↓
④ 目薬の先端を目に触れないようにして1滴落とす
↓
⑤ 入ったらすぐ目を閉じて、しばらくそのままにする
これでOKです。
—
結論:大人になっても目をつむるのは「下手」だからではない
今回のケースで一番伝えたいのは、
「大人なのに目薬もさせない」などと考える必要は全くない
ということです。
目に異物が近づけば、まぶたを閉じるのは自然な防御反応です。
そして、克服方法も「目を絶対に閉じないようにする」ことではありません。
「目薬を見ない」「上を見る」「下まぶたを軽く引く」「1滴だけ落とす」「入ったら目を閉じる」
という手順に変えるだけで、かなり楽になります。
特におすすめなのは、
> 「目を開け続ける」のではなく、「1滴入るまでだけ目を開ける」
という考え方です。
点眼後に目を閉じるのは正しいので、「閉じること」そのものを克服する必要はありません。
なお、点眼時に強い痛みがある、目薬を入れると毎回ひどくしみる、視力低下・強い充血・目の痛みなどがある場合は、単なる「目薬が苦手」という問題とは別に、眼科で相談したほうが安全です。日本眼科医会も、目の痛みや見えにくさなどの違和感がある場合は眼科専門医への受診を勧めています。
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