**瀬切れ(せぎれ)**とは、川の流量が著しく減少し、水面が連続せず途中で切れてしまう状態のことです。日本各地の中小河川で多く見られ、環境・治水・利水のすべてに関わる重要な問題です。
以下で、概要 → 原因 → 問題点 → 対策の順に、実態が分かるよう詳しく解説します。
1. 瀬切れの概要(何が起きているのか)
瀬切れとは
- 川の水量が減少し
- 流れが途切れ途切れになり
- 瀬や浅瀬が完全に干上がる状態
結果として、
- 水が「点在する水たまり」になる
- 下流へ水が流れなくなる
- 川としての機能が失われる
という深刻な状態になります。
よく起きる場所
- 中小河川
- 扇状地の川
- 農業用水が多い地域
- 都市近郊の改修河川
2. 瀬切れが起こる主な原因
① 雨量不足・渇水
- 少雨
- 長期間の晴天
- 異常気象による降水パターンの変化
👉 自然要因として最も分かりやすい原因。
② 農業用水・取水の影響
- 田畑への大量取水
- 用水路への分水
- 渇水期でも取水が続く
👉 上流で取られ、下流に水が届かない。
③ ダム・堰(せき)による流量調整
- 発電・治水優先の放流管理
- 最低限の維持流量が確保されない
👉 「水はあるのに川に流れない」状態。
④ 河川改修・直線化
- コンクリート護岸
- 河床掘削
- 川幅の拡大
結果:
- 地下へ水が浸透しやすくなる
- 表流水が維持できない
⑤ 地下水位の低下
- 井戸の過剰利用
- 都市化による涵養減少
👉 川に戻るはずの地下水が減る。
3. 瀬切れが引き起こす問題点
① 生態系への深刻な影響
- 魚が移動できず死亡
- 水生昆虫が激減
- カエル・水鳥の生息地消失
👉 川の生き物が分断・孤立する。
② 水質の悪化
- 水が動かない
- 酸素が供給されない
- 水温が急上昇
結果:
- 悪臭
- 藻類の異常繁殖
- 有機物の腐敗
③ 景観・親水性の低下
- 川が「ドブ」のように見える
- 子どもが近づけない
- 地域の魅力低下
④ 下流域の利水・環境問題
- 下流で取水不能
- 農業・工業用水に影響
- 河口域・干潟の環境悪化
⑤ 災害リスクの増加
一見水が少なくて安全そうですが、
- 河床が不安定化
- 次の大雨で急激な流量変化
- 土砂移動が激化
👉 洪水時の危険性が増す。
4. 瀬切れへの主な対策
① 環境流量(維持流量)の確保
- ダム・堰から最低限の放流
- 生態系を守る水量設定
👉 最も重要で基本的な対策。
② 取水管理の見直し
- 渇水期の取水制限
- 農業用水の効率化
- 用水の再利用
③ 河川構造の改善
- 河床の自然化
- 瀬・淵の再生
- 浸透しすぎない河床づくり
👉 「流れが保てる川」に戻す。
④ 地下水涵養の促進
- 雨水浸透施設
- 森林整備
- 田んぼの保水機能活用
⑤ 市民・地域の取り組み
- 節水意識の向上
- 河川監視・通報
- 瀬切れ時の生物救出活動
5. 瀬切れ対策の難しさ(現実的な問題)
- 農業・発電・環境の利害対立
- 費用と時間がかかる
- 即効性のある解決策が少ない
- 気候変動の影響が大きい
👉 **一時的対処では解決しない「構造問題」**です。
6. まとめ(重要ポイント)
- 瀬切れ=川の流れが途切れる深刻な状態
- 原因は自然+人為の複合要因
- 生態系・水質・景観・災害すべてに影響
- 対策の鍵は「環境流量の確保」
- 流域全体での管理が不可欠


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