エントランスが寒いのは「仕方ない場所」ではありますが、原因を理解して対策すれば体感温度は確実に上げられます。
住宅・マンション・社宅・オフィス共通で使える視点で、なぜ寒いのか/何が効くのか/暖房が効かない時の打開策を順序立てて解説します。
① エントランスが寒くなりやすい主な原因
1. 外気が直接入り込む構造
エントランスは本質的に
- 外と中をつなぐ「緩衝地帯」
- 出入りが多い
- 扉の開閉が頻繁
➡ 冷気が常に流入します。
特に
- 自動ドア
- 引き戸
- 風除室なし
の構造は、暖気が逃げ続けます。
2. 天井が高く、空間が広い
エントランスは
- 吹き抜け
- 天井高3m以上
が多く、暖気が上に溜まりやすい。
➡ 人がいる足元は寒いまま。
3. ガラス面・金属部材が多い
- ガラス扉
- 大きなFIX窓
- アルミサッシ
- コンクリート打ち放し
➡ 冷えやすく、放射冷却で体感温度が下がる。
4. 床が冷える素材
- タイル
- 石材
- コンクリート
➡ 足元から体温を奪われる。
5. 暖房設備が「形だけ」
- パワー不足のエアコン
- 天井設置で風が届かない
- 設定温度が低め
➡ 動いているが暖かくならない。
② すぐできるエントランスの寒さ対策
1. 外気の侵入口を減らす(最重要)
暖房より先にやるべき対策
- ドア下の隙間テープ
- 自動ドアの開放時間を短縮
- 手動ドアは必ず閉まる仕組み
➡ 冷気流入が減るだけで体感温度UP。
2. 足元対策(体感温度が劇的に変わる)
- 玄関マットを厚手に
- 断熱マットを下に敷く
➡ 室温が同じでも「寒くない」と感じる。
3. 視覚的な寒さ対策
意外と効果あり。
- 暖色照明(電球色)
- 暖色系マット・掲示物
➡ 心理的体感温度が上がる。
4. 人がいない時間は区切る
- 内扉を閉める
- 風除室を常時使用
➡ 外気と直接つながる時間を減らす。
③ 暖房を使っても暖まらない時の対策
1. 暖房方式のミスマッチ
エントランスにエアコン暖房は不向きなことが多い。
理由:
- ドア開閉で暖気が逃げる
- 天井に溜まる
- 外気負けする
2. サーキュレーター必須
- 天井の暖気を下に落とす
- エアコン直下に設置
➡ 足元温度が改善。
3. スポット暖房に切り替える
「空間」ではなく「人」を暖める。
- カウンター下パネルヒーター
- 足元ヒーター
- 赤外線ヒーター(人感センサー付)
➡ 短時間滞在なら最適。
4. 暖房エリアを限定する
- 全体を暖めない
- 受付・待機場所のみ集中暖房
➡ エネルギー効率が段違い。
5. 温風が外に逃げていないか確認
- 吹き出し口がドア方向
- 風向きが上向き
➡ 下向き+内側に変更。
④ 管理・設備側でできる根本対策
1. 風除室(二重扉)
最も効果が高い。
➡ 外気流入を物理的に遮断。
2. 断熱ガラス・フィルム
- Low-Eフィルム
- 断熱フィルム
➡ ガラス面の冷えを軽減。
3. 床暖房(部分)
- 受付前
- 動線上のみ
➡ コストを抑えて効果大。
4. 暖房の再設計
- エアコン → 輻射暖房へ
- 天井設置 → 低位置設置へ
⑤ どうしても寒いエントランスの現実的割り切り
正直な話、エントランスは
「常時快適」は構造上ほぼ不可能な場合も多いです。
その場合の正解は:
- 長時間滞在させない動線設計
- 待機時間を短くする
- スタッフは防寒前提
➡ 無理に暖房費をかけるより合理的。
まとめ(エントランス寒さ対策の正解)
1️⃣ 暖房より先に外気を止める
2️⃣ 足元+スポット暖房が最優先
3️⃣ 広さ・天井高に逆らわない
4️⃣ 快適さより「短時間・限定暖房」を狙う


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