小型ファンに関する虚偽広告・誇大宣伝が近年ネット通販などで増加しています。これに騙されないためには、商品スペックの正しい見方と広告のトリックの見抜き方を知ることが重要です。以下に、典型的な手口と、見分け方・対策を詳しく解説します。
■ よくある「誇大広告」の例とトリック
1. 「冷房効果あり」と誤認させる表現
- ❌ 例:「強力冷風」「クーラー要らず」「冷房機能付き扇風機」
- ✅ 実態:ファンには冷却機能がない(風を送るだけ)
👉 ポイント:
「送風機(fan)」は空気を動かすだけで、冷媒や熱交換器を使う**冷却機能(冷房機能)**はありません。「冷風」と書かれていても、それは風の温度ではなく風の存在感の強調にすぎません。
2. 「風速○m/s」や「風量○m³/min」の数値が極端に高い
- ❌ 例:「風速15m/s!業務用レベル!」「ターボモードで爆風!」
- ✅ 実態:小型モーターでは構造上不可能な数値が多い
👉 ポイント:
工業用送風機でも10〜15m/s程度の風速なので、小型USBファンでそれを超えるのは現実的に不可能です。
また、「最大風速」だけを書いて「使用時の平均風速」は書かれていないものは要注意。
3. 「レビュー満点」「SNSで話題」といった曖昧な社会的証明
- ❌ 例:「楽天ランキング1位」「絶賛の嵐」「○○万人が愛用」
- ✅ 実態:情報の出典が示されていない、もしくは捏造レビュー
👉 ポイント:
出典が不明な受賞歴やレビュー評価は信用しない。Amazonや楽天でのレビューの水増しもよく行われています(業者が自作自演で投稿)。
4. 「日本製」「高性能モーター」などの偽装表記
- ❌ 例:「日本品質」「国産技術採用」
- ✅ 実態:中国製品に「日本風」ラベルだけ付けているケース多数
👉 ポイント:
「日本メーカー名」や「製造元」「技術基準の具体名」が明記されていなければ注意。日本企業の名前を無断で入れているケースも存在します。
■ 騙されないための見分け方・チェックポイント
① 商品説明を論理的に読む
- 「冷風」=冷却ではない(冷媒装置があるか?)
- 風速・風量・消費電力・騒音レベルのバランスを見る(例えば小型で高風速なら騒音が高くなるはず)
② 写真・動画に騙されない
- 涼しそうな写真(氷や水滴の演出)に物理的な裏付けがあるかを見る
- モデルが極端に驚いた顔をしている等、演出過剰なものは注意
③ 誇張レビューを鵜呑みにしない
- 同じ言い回しの高評価レビューが並ぶ場合は「サクラレビュー」の可能性大
- Amazonの場合、**サクラチェッカー(外部サイト)**などで信頼度を確認できる
④ メーカー・ブランドを調べる
- 「会社名+評判」「ブランド名+詐欺」で検索してみる
- 正規メーカーなら公式サイト・サポート情報・PL法対応表記がある
⑤ 技術仕様の有無を確認する
- 風速(m/s)、風量(㎥/min)、消費電力(W)、騒音(dB)、バッテリー容量(mAh)などが曖昧だったり不記載なら疑うべき
■ 実際に信頼できる製品を選ぶには
チェック項目 | 推奨内容例 |
---|---|
メーカー名が明記されている | パナソニック、アイリスオーヤマ、山善など |
技術スペックが正確 | 風量や電力、騒音値などが書かれている |
第三者のレビューがある | 家電レビューサイト、YouTubeレビューなど |
保証がある | 明確な保証内容とサポート体制が書かれている |
■ まとめ
対策ポイント | 内容 |
---|---|
冷却機能の有無を確認 | ファン=送風、冷房機能ではない |
数値に騙されない | 現実的な風速・風量かを判断 |
レビューは信用しすぎない | サクラレビューや水増しに注意 |
メーカー・ブランドを調べる | 情報がない・曖昧な企業は避ける |
技術スペックをチェック | 実用上の数値が記載されているか確認 |
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