レアアース(希土類元素)は、現代のハイテク社会を支える重要資源です。名前の印象とは違い「地球上にほとんど存在しない」わけではありませんが、採掘・精製が難しいことから戦略資源とされています。以下で体系的に詳しく解説します。
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1. レアアースとは何か
■ 定義
レアアース(Rare Earth Elements, REEs)とは、次の17元素の総称です。
ランタノイド(15元素)
ランタン(La)〜ルテチウム(Lu)
スカンジウム(Sc)
イットリウム(Y)
これらは周期表で似た化学的性質を持つため、まとめて扱われます。
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2. 「レア」と呼ばれる理由
■ 実際には「希少」ではない
多くのレアアースは、銅や鉛と同程度かそれ以上に地殻中に存在します。
■ それでも希少とされる理由
単独で高濃度に存在しにくい
複数元素が混ざって産出される
分離・精製が非常に困難
精製過程で環境負荷が大きい
👉 **「存在量」ではなく「使える形にする難しさ」**が問題です。
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3. レアアースの種類と特徴
■ 軽レアアース(LREE)
原子番号が比較的小さい
例:ランタン、セリウム、ネオジム
比較的採掘しやすい
■ 重レアアース(HREE)
原子番号が大きい
例:ジスプロシウム、テルビウム
産出量が少なく、特に高価
👉 重レアアースの方が戦略的重要性が高い
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4. 主な用途(これが重要)
■ ハイテク・電子機器
ネオジム磁石(Nd)
スマートフォン
ハードディスク
EVモーター
ディスプレイ・LED
ユウロピウム、テルビウム
■ 環境・エネルギー分野
風力発電用発電機
電気自動車(EV)
ハイブリッド車
■ 防衛・宇宙産業
レーダー
ミサイル誘導
戦闘機エンジン
👉 レアアースなしでは現代兵器・脱炭素技術は成立しない
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5. 主な産出国と地政学リスク
■ 世界の供給構造(概略)
中国:採掘・精製ともに世界シェア約6〜7割
オーストラリア
アメリカ
ミャンマー(特に重レアアース)
■ 中国依存の問題
過去に輸出制限を実施(2010年)
価格急騰・供給不安を引き起こした
👉 レアアースは「資源兵器」になり得る
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6. 環境問題と倫理的課題
■ 環境汚染
酸性廃液
放射性物質(トリウムなど)を含む場合あり
土壌・水質汚染
■ 社会問題
違法採掘
労働環境の悪化
地域住民への健康被害
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7. 日本とレアアース
■ 日本の課題
ほぼ全量を輸入に依存
中国依存度が高い
■ 対策
使用量削減技術
代替材料の研究
リサイクル(都市鉱山)
ベトナム・豪州との資源外交
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8. 将来展望
EV・再生可能エネルギー拡大で需要増
資源争奪が激化
リサイクル技術が鍵
「脱レアアース」技術も研究中
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9. まとめ
ポイント 内容
正体 17種類の元素群
本当の問題 採掘・精製の難しさ
重要性 ハイテク・防衛・脱炭素に不可欠
リスク 中国依存・環境問題
未来 リサイクルと代替技術が鍵
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必要であれば、
各元素ごとの具体用途
中国が支配的になった理由
レアメタルとの違い
日本の海底レアアース問題
などもさらに詳しく解説できます。
【今さら聞けない】レアアースってなに?中国でしか採れないの?【輸出・国産】
疑問

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