以下では、**創価学会(そうかがっかい)**について、できるだけ中立的かつ詳しく解説します。
宗教的・歴史的・社会的な側面に分けて説明しますね。
🔷 1. 創価学会とは
創価学会は、日本で発祥した在家仏教系の新宗教団体で、日蓮仏法(法華経)を基盤とする信仰共同体です。
正式名称は「創価学会(Soka Gakkai)」、英語では “Value-Creation Society” と訳されます。
「創価」とは「価値を創造する」という意味です。
🔷 2. 起源と歴史
● 創立
- 1930年(昭和5年):教育者の 牧口常三郎(まきぐちつねさぶろう) と弟子の 戸田城聖(とだじょうせい) によって設立。
- 当初は「創価教育学会」という教育団体でした。牧口の思想である「価値創造教育」に基づき、教育を通じて幸福と社会の向上を目指していました。
● 戦時中の弾圧
- 第二次世界大戦中、国家神道を拒否し「法華経」を重視する姿勢が当局により弾圧され、牧口常三郎は獄死(1944年)。
● 戸田城聖による再建
- 戦後、戸田が「創価学会」として再建し、在家の布教組織へと拡大。
- 日蓮正宗(富士大石寺)を信仰の母体とし、「南無妙法蓮華経」を唱える唱題行を中心とした信仰活動を展開しました。
● 池田大作による発展
- 1958年:戸田死去後、池田大作が第3代会長に就任。
- 教育・文化・平和の3分野に力を入れ、世界的な運動体へ発展。
- 創価学会は急速に拡大し、国内で数百万人規模の会員を擁するようになります。
🔷 3. 教義と信仰内容
● 信仰の基盤
- 根本経典:『法華経』
- 中心的な実践:
- 「南無妙法蓮華経」と唱える(唱題)
- 「御本尊」(日蓮が図した曼荼羅)を拝む
- 目的:個人の幸福と社会の平和を実現する「人間革命」
● 主な教義の特徴
- 人間一人ひとりの内に「仏の生命」があるという生命尊厳の思想
- 苦しみを乗り越える力を自己の中に見いだす「自己変革=人間革命」
- 個人の幸福と社会の調和を両立させる「価値創造」
🔷 4. 日蓮正宗との関係と分裂
- 創価学会はもともと日蓮正宗の信徒団体でしたが、
1991年(平成3年)、両者の間に深刻な対立が起こり、正式に破門されました。 - 主な対立点:
- 教義解釈の違い
- 組織運営への介入問題
- 池田大作の指導体制
- 以降、創価学会は独立宗教団体として活動を続けています。
🔷 5. 組織と活動
● 組織構成
- 会員数(公称):約827万世帯(日本国内)、海外192カ国・地域に組織あり(2020年代時点)。
- 海外では「SGI(Soka Gakkai International)」として展開。
- 各地域に「地区」「支部」などの単位があり、会合・座談会などを定期的に行う。
● 関連団体
- 創価学会インタナショナル(SGI):国際連合でもNGOとして登録。
- 創価大学、創価女子短期大学、創価中学・高校など教育機関。
- 聖教新聞(機関紙)や文化団体、吹奏楽団、芸術グループなど。
🔷 6. 政治との関係(公明党)
- 1964年:創価学会の支援により公明党(当時は公明政治連盟)が結成。
- 現在も創価学会員が主要な支持層となっており、政教分離を保ちながらも密接な関係を持っています。
- 政策的には福祉・教育・平和外交を重視。
🔷 7. 批判・評価
● 評価される点
- 平和・教育・文化を重視する姿勢
- 貧困層や社会的弱者への精神的支援
- 戦後の民主化・平和運動への貢献
● 批判される点
- かつての急激な布教活動(折伏)の強引さ
- 公明党との関係をめぐる政教分離問題
- 池田大作への個人崇拝的傾向
- 組織の閉鎖性に対する批判
🔷 8. 現在の動向
- 池田大作名誉会長(1928–2023)の死去後、組織は「ポスト池田時代」に入っています。
- 現在は対話による平和運動や環境問題・人権活動など、国際的な協調路線を強調。
- 宗教色をやや抑え、「人間主義」「文化・教育運動」を前面に出しています。
🔷 9. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
創立 | 1930年(牧口常三郎・戸田城聖) |
教義 | 日蓮仏法(法華経)、唱題による人間革命 |
特徴 | 教育・文化・平和の三本柱、在家仏教 |
関連政党 | 公明党(支持母体) |
海外組織 | SGI(創価学会インタナショナル) |
現在の傾向 | 国際的平和・人権・教育運動に注力 |
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