「八丈島が“東京”である」と聞くと、多くの人が驚きますが、これは行政区分上は完全に東京都の一部なのです。
ここでは、なぜ八丈島が東京都に属しているのか、どんな位置づけなのか、歴史的背景や行政上の意味まで詳しく解説します。
🏝️ 1. 八丈島は東京都八丈町 ― 正式に「東京都内」
- 八丈島は、行政的には 東京都八丈町(はちじょうまち) に属しています。
- 「町(まち)」の名が示す通り、東京都に属する市町村の一つです。
- 八丈町は、八丈島と隣の無人島・青ヶ島を行政区に含んでいます。
📍つまり:
八丈島は「東京都八丈町(とうきょうと はちじょうまち)」という住所で、正式な東京都の一部なのです。
🗾 2. 地理的には本州から約287km離れた南の島
- 東京都心(新宿・霞ヶ関)から南へ約287km、太平洋上に浮かぶ火山島です。
- 伊豆諸島(いずしょとう)という島々のひとつで、東京都の島しょ部に含まれます。
- 八丈島のほかにも、東京都には以下のような離島があります:
地域区分 | 主な島 | 行政区 |
---|---|---|
伊豆諸島 | 大島、新島、神津島、三宅島、八丈島など | 東京都大島町・新島村・神津島村・三宅村・八丈町など |
小笠原諸島 | 父島、母島など | 東京都小笠原村 |
これらすべてが東京都の行政区域内にあります。
つまり、八丈島は「離島」ではありますが、「都外」ではなく、れっきとした東京都民の暮らす地域なのです。
🏛️ 3. 行政上の位置づけ(「東京都島しょ部」)
東京都は、行政的に大きく以下の2つに分けられています:
区分 | 含まれる地域 | 特徴 |
---|---|---|
区部 | 23区(新宿区・港区など) | 都心部・政治経済の中心 |
多摩地域 | 26市3町1村(八王子・立川など) | 西部の内陸地域 |
島しょ部 | 伊豆諸島・小笠原諸島 | 離島地域(八丈島など) |
八丈島はこの「島しょ部(とうしょぶ)」に属します。
都庁が直接管理するため、**「東京都八丈支庁」**が島内に置かれています。
(東京都はこの地域を「支庁制」で運営しています)
📜 4. 歴史的背景 ― なぜ東京都の一部になったのか
● 江戸時代
- 八丈島は、江戸幕府の直轄領(天領)として管理されていました。
- 当時は「流刑地(るけいち)」としても有名で、罪人が島流しにされる場所でもありました。
● 明治時代
- 明治政府が地方制度を整備した際、八丈島は「東京府」に編入されます。
- その後、1943年に東京府と東京市が統合し、現在の「東京都」が誕生。
- この流れで、八丈島も正式に東京都の管轄となりました。
つまり、明治初期から一貫して「東京府→東京都」に属しているのです。
🚀 5. 交通・生活面でも「東京」
- 飛行機:羽田空港〜八丈島空港 約55分
→ 東京23区と日帰りも可能な距離感 - 船:竹芝桟橋〜八丈島 約10時間
→ 東京湾から直通のフェリー(東海汽船)が運航中
行政上の手続き(戸籍、住民票、都税など)もすべて東京都内の手続きとして扱われます。
また、警察・教育・医療・通信インフラなども「東京都の制度」が適用されています。
🌋 6. 八丈島は「東京都の南国」
気候は東京とは大きく違い、黒潮の影響で亜熱帯性気候。
冬でも10℃以上あり、椿やアロエなど南国の植物が豊かに育ちます。
同じ「東京都」でも、新宿の高層ビル群とはまったく異なる自然環境が楽しめるのが魅力です。
✅ 7. まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
行政区分 | 東京都八丈町(八丈支庁管轄) |
所属 | 東京都島しょ部(伊豆諸島) |
距離 | 東京から約287km南方 |
歴史的経緯 | 明治初期から東京府の一部、現在も東京都 |
管理 | 東京都庁の出先機関「八丈支庁」 |
生活・制度 | 戸籍・教育・警察・税制などすべて東京都の枠組み |
特徴 | 南国の自然、温泉、火山地形、温暖な気候 |
🌺 結論
八丈島は、地理的には太平洋上にある南国の離島ですが、法的にも行政的にも完全に東京都の一部です。
東京都庁の管理下にあり、住民は東京都民であり、都税も納め、都の制度が適用されています。
つまり八丈島は、
「南国の自然と文化を持つ、もう一つの“東京”」
なのです。
コメント