日光白根山（および周辺の奥日光〜湯元エリア）には ツキノワグマが確実に生息しており、登山・ハイキング中に目撃されることがあります。特に「春（冬眠明け）・夏の繁殖期・秋（冬眠前の行動活発化）」に出没が増えるため、遭遇リスクは無視できません。基本的な対策を取ればリスクは大きく下げられますが、油断は禁物です。

1) 日光白根山にクマはいるのか（種）

• 奥日光〜日光白根山周辺はツキノワグマの生息域に含まれます。国立公園の自然案内や地域のビジターセンターでも「このエリアはクマの生息地である」と明示されています。

2) 出没の多さ・季節性

• 目撃は毎年あり、季節変動が明らかです。
  • 春（5〜6月）：冬眠明けで低地に下りてきやすい。
  • 秋（9〜11月）：冬眠に備えて木の実などを探し広範囲に移動。
• また見通しの悪い樹林帯や沢沿い、草地周辺では目撃頻度が上がる傾向があります。国立公園側も訪問者に出没情報の確認を呼びかけています。

3) 危険性（人への影響）

• ツキノワグマはヒグマほど巨大ではないものの、子連れの母グマや餌不足で衰弱した個体は攻撃的になる可能性があり、人身被害の可能性はゼロではありません。自治体や県のページでも人身被害例や注意喚起が出されています。

4) 実際の目撃・事例（最近の傾向）

• 奥日光や湯元周辺では登山道や宿泊施設周辺での目撃・侵入事例が報告されており、自治体やビジターセンターが情報を公開しています（必要に応じてキャンプ場の閉鎖や通行規制が行われることもあります）。

5) 登山者・ハイカー向け：具体的な対策（チェックリスト）

出発前

• 湯元ビジターセンターや登山口掲示、県・市町村の出没情報を確認する（日光湯元ビジターセンターなどの情報ページを要チェック）。
• 可能なら複数人で行く。単独はリスクが高い。

装備

• 熊鈴やラジオで人の存在を知らせる（見通しの悪い区間で有効）。
• 熊撃退スプレー（ベアスプレー）を携行することが推奨されるケースが多い（使い方と携行上の注意を事前に確認する）。環境省・関東地方環境事務所でも実践講習等を行っています。
• 食料は防臭袋に入れ、行動食の包装ゴミも出さない。テント泊なら食料はテント内に置かない。

• 早朝・夕方（薄暗い時間帯）の行動を避ける。沢沿い・藪の近くでは特に声を出して人の存在を知らせる。
• フン・足跡・掘り返し跡など痕跡を見つけたら進入を避ける。

遭遇時

• クマを刺激せず「背を見せずに静かに後退」するのが原則（詳しい行動は状況で変わるので、事前に自治体やガイドの指示を確認）。攻撃的な接近・突進にはベアスプレーの使用が最も有効とされています。

6) 山小屋・キャンプ場での注意

• 山小屋やキャンプ場でも食べ物管理が不十分だとクマが寄ってくるため、管理側の指示に従う（場合によっては一時閉鎖）。実際に出没のため施設対応が行われた事例があります。

7) まとめ（短く）

• 日光白根山周辺は ツキノワグマの生息域で、遭遇リスクはある。
• 春〜秋にかけて目撃が増え、近年は日中も目撃例が出ています。
• 出発前の情報確認・グループ行動・食べ物管理・熊鈴やベアスプレーの携行で安全度を大きく上げられます。公式の出没情報（湯元ビジターセンター等）を必ずチェックしてください。