押し入れ(特に和室の押し入れやクローゼット)が「かなり暑く」なるのは、家の構造的な問題と空気の流れの悪さが主な原因です。特に夏場になると、押し入れの中にこもった熱や湿気が、カビや劣化、衣類・寝具のダメージにつながることもあります。
以下では、押し入れが暑くなる原因とその具体的な対策を詳しく解説します。
■ 押し入れがかなり暑くなる主な原因
1. 空気の流れがない(密閉空間)
- 押し入れは基本的に扉で密閉された構造で、空気がこもりやすい。
- 室温以上に上がることもあり、熱が放散されにくい。
2. 壁に面している場所が熱源化している
- 押し入れが日当たりのよい外壁側や2階の天井付近にあると、太陽光で壁や天井が熱を持ち、熱が内部に伝わる。
- 断熱材が不十分な家では壁が「暖房パネル」のような役割をしてしまう。
3. 屋根や天井裏の熱が伝わってくる
- 押し入れが2階にある場合、屋根裏の熱が下がってくるため、天井側から熱が侵入。
- 夏場には屋根裏温度が50℃以上になることもあり、じわじわと押し入れ内部を加熱。
4. 断熱性能の低い住宅構造
- 特に古い日本家屋では、断熱材が薄い・もしくは存在しないこともあり、外気温の影響を直接受ける。
- 壁の中の空洞(柱と壁の間)に熱がこもり、それが押し入れにも伝わる。
5. 上段に熱がこもる構造
- 熱は上にたまる性質があるため、押し入れの上段が特に高温になりやすい。
■ 押し入れの暑さ対策(実用的な方法)
【1. 換気・通気性を高める】
● 押し入れの扉を定期的に開ける
- 扉を1日1〜2回10分ほど開けて、空気の入れ替えをする。
- 湿気・熱気ともに抜けやすくなる。
● 押し入れ用の「換気口」「通風孔」を設置
- DIYで通気口(丸型やスリット型)を設けると、空気が循環しやすくなる。
- 上下2カ所に設けると「煙突効果」で自然換気が起きる。
● サーキュレーター・小型ファンの活用
- 扉を少し開けて、小型ファンで強制的に風を通すと内部の熱気を逃がせる。
【2. 断熱・遮熱を強化する】
● 押し入れの壁に断熱シート・遮熱材を貼る
- 外壁に面する面や天井面に、断熱ボードやアルミ断熱シートを貼る。
- ホームセンターで入手可能な「スタイロフォーム」や「遮熱アルミパネル」などが有効。
● 押し入れの床や壁にコルクマット・スノコを敷く
- 熱と湿気を床から逃がす構造に。
- スノコ+除湿シートの組み合わせで通気性と調湿性を両立。
【3. 熱・湿気対策グッズを併用する】
● 除湿剤・調湿材(炭や珪藻土)を設置
- 高温多湿になるとカビも発生しやすくなるため、除湿と調湿の併用が重要。
● 温湿度計を設置
- 状況を把握することで、対策のタイミングが見える化できる。
● 冷感シート(パネル型)を上段に貼る
- 熱の上昇を和らげる補助効果。冷蔵庫の断熱材に似た働きをする。
【4. 押し入れの使い方を工夫】
● 上段に熱に弱い物を置かない
- 熱がこもりやすい上段には、電子機器、精密機器、食品、薬などを置かない。
- 比較的熱に強いもの(衣類、布団など)を置く。
● 詰め込みすぎない
- 空気の通り道が失われると、熱が逃げにくくなる。
■ まとめ:押し入れの暑さの原因と対策
分類 | 内容 |
---|---|
主な原因 | 通気性の悪さ、断熱不足、外壁・屋根からの熱伝導、熱のこもり |
基本対策 | 扉を開ける、通風口の設置、扇風機で強制換気 |
断熱対策 | アルミ遮熱シート、スタイロフォーム、スノコで床の通気性強化 |
湿気対策 | 除湿剤、珪藻土、炭、温湿度管理 |
収納の工夫 | 熱に弱い物を上段に置かない、ぎっしり詰めない |
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