「マンガは100円均一には販売されていない、もしくは100円では買えない理由」
さらに「昔は100均にマンガがあった理由」も含めて、詳しく解説します。
① 現在、マンガが100円均一で販売されない理由
1. 著作権料・版権料が高い
マンガは出版社・作者が権利を持つ著作物です。販売には当然、著作権料や使用許諾料が発生します。
- 1冊あたりの印税・ライセンス料
- 出版社の取り分
- 版権管理コスト
これだけでも100円ではまかないきれません。
2. 印刷・製本コストがかかる
マンガはカラー表紙・中綴じ・厚みのある冊子です。大量生産しても以下のコストがかかります。
- 紙代・インク代
- 印刷・製本代
- 梱包・物流費
たとえ再販・廉価版でも100円は非常に厳しい価格設定です。
3. 新品マンガの価値と価格帯の変化
現在のコミックスは定価400円〜600円程度が主流です。
新品のマンガは高い価値を持つため、出版社・書店も100円均一では販売しません。
4. 在庫コントロールが難しい
100均は売れ筋商品を大量仕入・大量販売するビジネスモデルです。
マンガは巻数が多く、趣味嗜好も分かれるため、安定的な売れ行きを見込むのが難しいのです。
5. 電子書籍普及の影響
電子マンガが普及し、100円以下でもセールや読み放題サービスで入手できる時代になっています。
紙のマンガを100円で買いたいという需要自体が縮小しています。
② 昔(2000年代頃)、100均でマンガが売られていた理由
実は、2000年代前半くらいまで、一部100円ショップではマンガを販売していました。
1. 再販制度対象外の中古マンガやB級品だった
当時売られていたマンガは以下のケースが多かったです。
- 余剰在庫・売れ残り品
- 廃版直前の商品
- 訳あり商品(傷・汚れ)
- 著作権切れに近い作品
- 中古流通を経由して仕入れた再販売品
新品ではなく、仕入れ価格が非常に安く済むものだったため、100円均一でも採算が取れました。
2. 流通システムがゆるかった
当時は書籍の流通管理も今ほど厳格ではなく、在庫処分品がブックオフや問屋経由で100円ショップに流れることがありました。
- 出版社が許諾しなくても、中古なら流通可能
- 版権管理も今より緩やかだった
3. 店頭で話題作りとして使われた
100円で売られるマンガは話題性があり、集客目的の商品として使われることもありました。
「えっ?マンガが100円で買えるの?」
という驚きが来店動機になっていたわけです。
4. ダイソー・キャンドゥなど一部大手が取り扱い
- ダイソーやキャンドゥでは一時期、マンガコーナーがあった
- 主に古典作品やマイナー作品を中心に販売
- 少年誌・少女誌のヒット作はほぼ取り扱いがなかった
③ まとめ表
昔の100均で販売された理由 | 現在販売されない理由 |
---|---|
中古・在庫処分だった | 新品は著作権料が高い |
仕入れが安価だった | 印刷・製本コストが高い |
流通が緩やかだった | 出版社の管理が厳格化 |
集客目的の目玉商品 | 電子書籍の普及で需要減 |
著作権処理が簡易だった | 版権管理が厳重 |
④ 補足:現在の100均で見かけるマンガ風商品
現在でも完全になくなったわけではなく、以下のような「擬似マンガ」は存在します。
- パロディ本・ジョーク本
- 漫画風イラストの実用書(ダイソーの「マンガで学ぶ〜」シリーズなど)
- 児童向けマンガ解説本(歴史・偉人伝など)
これらは著作権処理がクリアされており、100円〜300円で販売されています。
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