「ハムスターが100円均一に販売されていない・100円では買えない理由」を詳しく解説します。
① 生き物販売に関する法律上のハードル
日本で哺乳類(ハムスターなど)を販売するには、以下の規制が非常に厳しく設けられています。
● 動物愛護管理法(動物愛護法)
- 「第一種動物取扱業」の登録が必要
- 登録には
- 飼育設備の基準
- 衛生管理
- 販売時の対面説明義務
- 購入者への飼育方法の説明
- 帳簿管理
などが義務付けられます。
● 特定動物の規制ではないが、哺乳類ゆえに管理が重い
- ハムスターは特定動物には該当しませんが、哺乳類は魚類や昆虫と比べて法律上の取扱いが厳しくなります。
100円ショップのような大規模小売業がこの条件を満たすのは非常に困難です。
たとえば、
・設備投資が高額
・専門スタッフの配置
・日々の健康チェック
・購入者への丁寧な説明
などが求められるためです。
② 飼育・販売管理の難しさ
● 小動物でも専門知識が必要
- ハムスターは適切な温度、湿度、ストレス管理、感染症予防が必要です。
- 繁殖や流通の段階で弱ってしまう個体も多く、慎重な管理が必要です。
● 100円ショップの業態に不向き
- 100円ショップは「低単価・大量販売」が前提
- 毎日生き物の世話・健康管理をするスタッフを配置するのは難しい
● 苦情・クレーム・動物虐待問題のリスク
- 購入者が安易に飼ってしまい、飼育放棄や虐待の問題が発生しやすくなる
- 企業イメージに重大なダメージを与えかねない
③ 仕入れコスト的にも100円は不可能
● ハムスターの仕入れ価格
種類 | 卸売価格の目安 |
---|---|
ジャンガリアン | 500円〜1,000円程度 |
ゴールデンハムスター | 1,000円〜2,000円程度 |
※ 飼育環境・ブリーダーの質によって大きく変わります
● 輸送コスト・死着リスクもある
- 哺乳類の輸送はストレス・温度管理が重要でコスト高
- 死亡・病気のリスクも一定数発生
● 100円で販売すれば赤字必至
仮に100円で売ろうとすると:
- 仕入れ原価割れ
- 管理コスト負担
- 死亡ロス発生
…完全に事業として成り立ちません。
④ 100円ショップの「動物関連商品」は存在する
ただし、飼育用品は販売されています。
- ハムスター用の餌皿
- 給水ボトル
- 掃除用ブラシ
- ケージの中の小物(回し車・トンネル等)
- ペットシーツや床材の一部(補助用)
ただし、ケージや餌は基本的に100円ショップでは十分な品質が揃わないことが多い
→ 専門店やネットショップの利用が推奨されます。
⑤ もし100円ショップで売られてしまったら?
もし仮に100円ショップでハムスターが販売された場合:
- 安易な購入→飼育放棄・虐待が増えるリスク
- 専門的飼育知識がないまま飼う人が増加
- 適切な説明・フォローが不十分になる
- 過密飼育・流通の悪化 → 動物愛護問題の炎上リスク
まとめ
理由 | 内容 |
---|---|
法律 | 第一種動物取扱業の規制により販売が難しい |
管理 | 飼育・健康管理が難しく100円ショップの業態に合わない |
コスト | 仕入れ価格・管理費・死亡リスクで100円では赤字 |
社会的責任 | 動物愛護の観点から安価・大量販売は問題が大きい |
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