痔になると、知らぬ間にお尻から出血しているのではないかという不安は自然な感情です。特に、痛みが少ない内痔核(いぼ痔)の場合、出血に気づかないことがあります。ここでは、痔による出血の原因、特徴、日常生活での注意点について詳しく解説します。
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【なぜ痔で「知らぬ間に」血が出るのか?】
① 内痔核(いぼ痔)の出血が無痛の場合がある
内痔核は肛門の内部にできる静脈瘤です。
肛門内部には痛みを感じる神経が少ないため、切れたりこすれたりしても痛みがない場合があります。
排便時に痔核が刺激されて破れると、鮮やかな赤い血が出ます。
💡 痛みがないため、気づかないまま下着やトイレットペーパーに血が付くことがあり、「知らぬ間に出血しているのでは?」という不安につながります。
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② 痔が悪化すると慢性的に出血することがある
痔の初期段階では排便時にのみ出血しますが、悪化すると日常的に出血することがあります。
特に長時間の座り仕事や便秘・下痢で肛門に負担がかかると、知らぬ間に出血が続く場合があります。
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③ 切れ痔(裂肛)は痛みが伴うが、少量の出血が続く
切れ痔は肛門の皮膚が裂けることで出血します。
痛みを伴うため、出血には気づきやすいですが、少量の血が下着に付着することがあります。
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【出血しているか不安な場合の確認方法】
✅ トイレで確認するポイント
便器の水が赤く染まっていないか
トイレットペーパーに血が付いていないか
便の表面に血が付着していないか
✅ 下着のチェック
血のシミが下着に付着していないかを確認します。
茶色やピンクの小さなシミがあれば、痔による出血の可能性があります。
✅ お風呂の際に肛門周辺を洗う時のチェック
肛門周りを優しく洗いながら血の有無を確認します。
シャワー後のタオルに血が付く場合も要注意です。
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【痔による出血が怖い理由】
① 貧血のリスク
長期間の出血が続くと慢性的な貧血になるリスクがあります。
倦怠感、めまい、疲れやすさを感じたら、痔が原因の可能性があります。
② 肛門が汚れやすく、感染症のリスクが高まる
出血した状態が長時間続くと、肛門が汚れたままになり、細菌感染のリスクが高まります。
特に**痔瘻(じろう)**のような感染症を引き起こすと、膿がたまって肛門周辺に穴が開くこともあります。
③ 悪性疾患との見分けが難しい
大腸がんや直腸がんでも便に血が混じることがあります。
痔だと思い込んで放置すると、重大な病気を見逃すリスクがあります。
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【知らぬ間に出血しているのを防ぐには?】
✅ 1. 肛門を清潔に保つ
出血があった場合、お尻をシャワーで洗うことで感染を防止します。
ウェットティッシュやウォシュレットも有効です。
✅ 2. トイレの後は毎回確認
毎回の排便後に便器、トイレットペーパー、下着を確認する習慣をつけましょう。
✅ 3. 長時間の座り仕事は避ける
長時間座ると肛門に負担がかかり、痔が悪化します。
定期的に立ち上がってストレッチすることで血行を良くしましょう。
✅ 4. 早めの病院受診
出血が続く場合は、肛門科を受診するのが最善です。
軽度の痔であれば、薬や生活改善で治ります。
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【まとめ】
痔になると、お尻から知らぬ間に出血している可能性がありますが、定期的な確認と適切なケアで不安を軽減できます。特に、内痔核の出血は痛みを感じにくいため、便器や下着のチェックを習慣化し、異常があれば早めに病院で診察を受けましょう。
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