形の整った生ウニにはミョウバンが使われている理由とその問題点
スーパーや寿司店で見かける形の整った生ウニは、ほとんどの場合ミョウバン(硫酸アルミニウムカリウム)という食品添加物が使用されています。
ミョウバンはウニの保存性を高め、形を保つために使われますが、味や食感に悪影響を与えることがあります。
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1. なぜウニにミョウバンが使われるのか?
ウニの性質
ウニはとても柔らかく崩れやすい。
採れたてのウニは時間が経つと溶けて形が崩れる。
ウニは水分を多く含み、空気に触れると酸化して風味が落ちやすい。
ミョウバンの役割
保存期間を延ばす:ミョウバンには防腐効果があり、ウニの鮮度を長く保てる。
形を維持する:ミョウバンはウニの表面を硬化させ、見た目が整った状態を保つ。
崩れ防止:ウニが溶けてしまうのを防ぐために使われる。
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2. ミョウバンがウニの味に与える悪影響
① 苦味・渋味が強くなる
ミョウバンは強いアルカリ性を持つため、ウニに苦味や渋味を与える。
本来の甘みや濃厚な旨味が薄れてしまう。
② 独特の薬品臭が出る
ミョウバンを使ったウニは、金属っぽい臭いや薬品臭がすることがある。
特に、塩水で洗っても取り除けない臭いが残る場合がある。
③ 食感が硬くなる
本来のとろけるようなウニの食感が、ミョウバンによってゴムのような硬さになることがある。
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3. ミョウバンを使っていないウニとの違い
塩水ウニ
塩水ウニは、ミョウバンを使用せずに、ウニを海水に近い塩水に漬けた状態で保存します。
ミョウバンの苦味や臭みがなく、自然な甘みと風味が楽しめます。
ただし、保存期間が短いため、高価になる傾向があります。
殻付きウニ
殻付きのまま販売されるウニは、ミョウバン処理されていない場合が多いです。
その場で殻を割って取り出すため、鮮度が高く、ミョウバン臭がありません。
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4. なぜミョウバンウニが市場に多いのか?
① 保存性の問題
ウニは非常に傷みやすく、保存・輸送中に溶けてしまう。
ミョウバンを使うことで、数日〜1週間ほど保存可能になる。
② 見た目の問題
形が崩れているウニは、消費者にとって見た目が悪いと感じられることがある。
整った形のウニは、寿司や刺身として出す際に見栄えが良い。
③ コストの問題
ミョウバンウニは比較的安価に大量に出回るため、コストパフォーマンスが良い。
一方、塩水ウニや殻付きウニは、高価で流通量が少ない。
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5. 美味しいウニを選ぶポイント
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6. ミョウバン臭が気になる時の対処法
① 塩水で洗う
海水に近い3%の塩水で軽く洗うと、ミョウバン臭が多少和らぎます。
② 牛乳に浸ける
牛乳に10〜15分浸すことで、臭みを吸着させることができます。
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まとめ
形の整った生ウニには、ほとんどの場合ミョウバンが使われています。
ミョウバンは、保存性を高め、形を保つ効果がある一方で、苦味、渋味、薬品臭が出てしまい、本来のウニの味を損ねる原因になります。
塩水ウニや殻付きウニを選ぶことで、より美味しいウニを楽しむことができます。
美味しく食べるためには、塩水での洗浄や牛乳を使った臭み取りを試してみてください。
今後は、見た目の良さではなく、質の良いウニを選ぶことが大切です。
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