工場が寒いのは「管理が悪い」からではありません。
工場は構造・法令・生産都合のせいで、冬に寒くなりやすい空間です。
暖房を入れても寒い理由には明確なロジックがあります。
原因 → 本当に効く対策 → それでも無理な場合の現実解まで、現場視点で詳しく解説します。
① 工場が寒く気温が低くなる主な原因
1. 天井が高すぎる
- 5m〜10m以上
- 暖気が上部に滞留
- 作業域(床〜1.8m)が寒い
2. 出入口が常に開く
- シャッター開放
- フォークリフト出入り
- 外気が直撃
3. 断熱・気密が弱い
- 鉄骨・折板屋根
- 壁が薄い
- 隙間だらけ
4. 換気・排気が常時必要
- 粉塵・臭気対策
- 法令上止められない
5. 床がコンクリート
- 地面冷却
- 立ち作業で足元が冷える
② 暖房を使っても暖まらない理由
1. 空間全体を暖めようとしている
- 容積が大きすぎる
- 熱が拡散しすぎる
2. 暖気が逃げ続けている
- シャッター開放
- 換気排気
3. 暖房方式が不適合
- エアコンのみ
- 温風が上に逃げる
4. 断熱不足で蓄熱ゼロ
- 壁・屋根が冷却体
③ 工場で最も効果が高い寒さ対策(優先順)
1. 「人がいる所」だけ暖める(最重要)
- スポットヒーター
- 赤外線ヒーター
- 作業台局所暖房
👉 全体暖房は非効率。
2. 風を止める・減らす
- シャッター間仕切り
- ビニールカーテン
- 風除けパネル
3. 床・足元対策
- 断熱マット
- ゴムマット
- 電熱マット(立ち作業)
4. 暖気を落とす
- 大型シーリングファン
- サーキュレーター
④ 暖房を使っても寒い時の対策(実務)
1. 暖房方式を見直す
- 温風 → 放射(赤外線)
- 全体 → 局所
2. 作業動線の整理
- 寒い場所の滞在時間短縮
- 作業集約
3. 服装・装備の強化
- 防寒作業着
- インナー
- 防寒安全靴
4. 休憩で体温回復
- 暖かい休憩室
- 温かい飲み物
⑤ それでも暖まらない場合の現実解
1. 割り切った運用
- 冬季は寒冷前提
- 長時間作業を減らす
2. 設備投資の優先順位
- シャッター対策
- 局所暖房増設
- 断熱改修
3. 安全面優先
- 手指のかじかみ対策
- 作業精度低下防止
⑥ やってはいけない危険行為
- 石油ストーブ乱用
- 換気停止
- 電源タコ足
- 可燃物近接設置
👉 火災・一酸化炭素事故の原因。
結論(現場の本音)
工場は
「全部を暖める場所ではない」。
正解は
- 人だけ暖める
- 風を止める
- 足元を守る
- 放射暖房を使う
これを徹底すると、同じ予算でも体感は劇的に改善します。


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