犬の部屋や寝床が「かなり暑い」と感じられる場合、それは建物構造・室内環境・犬の生理特性などが複合的に影響しています。特に夏場の高温多湿は、犬にとって命に関わる危険をもたらすため、原因を正しく理解し、確実な対策を講じることが不可欠です。
🔥【犬の部屋・寝床が暑くなる主な原因】
1. 犬は汗をかけず、体温調節が苦手
- 犬は足裏以外に汗腺がなく、パンティング(ハァハァ)によってしか体温を下げられない。
- 暑さに非常に弱く、特に短頭種(フレブル、パグ等)やシニア犬、子犬は熱中症リスクが高い。
2. 床面が熱をため込みやすい
- 犬は地面に近い場所で生活するため、床材や寝床の素材の熱をダイレクトに受ける。
- 夏のフローリングやマットレスは体温+外気温で40℃近くになることも。
3. 直射日光・西日・通気不足
- ケージやベッドが窓際や日当たりの良すぎる場所にあると、室温よりさらに暑くなる。
- 風通しが悪い部屋では熱気がこもりやすい。
4. エアコンの設定が人間基準
- 「人がいないから」と冷房を切る、28℃設定で扇風機だけ回す、などが多いが、犬には暑すぎる。
- 犬の快適温度は25〜26℃前後(短頭種は22〜24℃程度)。
5. 寝床・マットの素材や構造が通気性に乏しい
- 化繊のクッション、フェルト製のドーム型ベッドなどは空気の循環がなく熱がこもる。
✅【犬の暑さ対策:部屋編】
【A. 室温・湿度管理】
● 室温は25〜26℃をキープ(短頭種・老犬は22〜24℃)
- エアコンは留守中も「自動・除湿モード」で常時運転が基本。
- サーキュレーターで冷気を循環させ、部屋の上下の温度ムラをなくす。
● 湿度は50〜60%が理想
- 湿度が高いとパンティングが効かず、体温が下がらなくなる。
- ドライ運転や除湿機を併用して管理。
【B. 日射・熱源対策】
● 窓際・直射日光は遮断する
- 遮熱カーテン、遮光ロールスクリーン、すだれなどで日差しをカット。
- ケージや寝床は窓際から離し、室内の風通しがよい場所へ移動。
● 電化製品の熱・照明の熱を減らす
- 空気清浄機やPCなどの熱を帯びた家電が近くにあると周囲の温度が上昇。
- LED照明に替えるのも◎。
✅【犬の暑さ対策:寝床編】
【A. 寝床の素材と通気性】
● 通気性のよいマット・アルミプレート
- 夏用のアルミボード、竹マット、ジェルマットなどで熱を逃がす。
- 高齢犬や皮膚が弱い犬には直接触れないようにタオルを1枚挟むのがおすすめ。
● クッションや布製ベッドの見直し
- 化繊・毛足の長いクッションは熱と湿気がこもるため避ける。
- **立体メッシュ構造や天然素材(麻・い草)**が効果的。
● ケージ・ハウスの床にも断熱・通気対策
- 下にすのこ+通気シートを敷くと床からの熱・湿気を防げる。
【B. 寝床の位置と配置】
● 冷気が流れる場所に設置
- エアコンの風が直接当たらず、でも冷気がたまる床面近くに寝床を配置。
- ケージの上部に保冷剤や凍らせたペットボトルを置き、扇風機で冷風を回すのも有効。
● 寝床を複数用意
- 冷たい場所とふんわりした場所を犬自身が選べるように2〜3種類設置。
- 本能的に快適な場所に移動するための選択肢が必要。
🚫【やりがちなNG例とその理由】
NG対策 | なぜ危険か? |
---|---|
エアコンを留守中に消す | 室温35℃以上になり、熱中症で命に関わる危険 |
扇風機だけ回す | 扇風機は温度を下げず、熱風をかき回すだけ |
ペット用冷却マットだけで安心する | 体温がこもると冷却マットだけでは間に合わない |
窓を開けて通風だけに頼る | 無風・熱風・急な温度変化がかえって危険 |
氷水を飲ませる | 胃腸が弱る恐れ。常温か冷たすぎない水が理想 |
🧊補足:夏のための便利アイテム(例)
- ✅ アルミボード(かじっても安心)
- ✅ ペット用クールベスト・冷感マット
- ✅ ペット用サーキュレーター(静音&風量調整可能)
- ✅ スマート温湿度計(スマホ連携で室温チェック)
- ✅ 凍らせたペットボトル+扇風機(簡易冷風機)
🔚【まとめ】
暑さの原因 | 対策 |
---|---|
地面の熱・湿気 | アルミマット・すのこ・通気マットを導入 |
エアコンが届かない/不在時OFF | 25〜26℃で常時運転+サーキュレーター活用 |
日射・西日 | 窓際を避け、遮熱カーテンやすだれ設置 |
熱がこもる寝床 | 冷感素材+通気性重視の配置 |
飲水が足りない | 部屋の複数箇所に新鮮な水を設置 |
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