いい問い!どちらも「地震の強さ」を表す言葉だけど、測っているものが全く違うので用途も意味合いも違います。下で図解的に、できるだけ具体的に・でも正確に説明しますね。
マグニチュード(M)と震度(しんど) — まず一言
マグニチュード(M):地震そのものの “規模(大きさ)” を表す値。地震が放出したエネルギーの大きさを対数で表す。地震ごとに一つの値。
震度:ある地点で実際に “感じた揺れの強さ(体感・被害の程度)” を表す値。場所ごとに変わる(複数の観測点で異なる)。
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マグニチュード(M)について(もう少し詳しく)
地震が放出した エネルギー量 や地震モーメント(断層のずれ×面積×剛性)に基づいて決まる数値。代表的なのは モーメントマグニチュード(Mw)。
対数スケール:Mが1増えると放出エネルギーは約**31.6倍(=10^(1.5))**になる。つまり M7 は M6 の約31倍、M8 は M6 の約1000倍のエネルギー。
その地震が「巨大か小さいか」を示す全国共通の指標。例:M3(小)、M5(中)、M7(大)、M9(巨大)。
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震度について(もう少し詳しく)
気象庁の震度階級(0〜7)などで表す。同じ地震でも観測点ごとに異なる結果になる。
震度は人の感じ方・家具の動き・建物被害の目安に直結しているため、防災行動や被害報告で重要。
震度は観測点での加速度(PGA)や振幅・周期成分などを基に決められるが、最終的には観測データを基に分類される。
例:震度1は「ほとんど感じない」、震度5〜6で家具の転倒・建物損壊、震度7で大規模な倒壊・甚大被害。
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両者の「具体的な違い」を表で整理
観点 マグニチュード(M) 震度
測る対象 地震の全体的な規模(エネルギー) その地点での実際の揺れの強さ
値の個数 その地震ごとに1つ 観測地点ごとに複数(場所で異なる)
単位・性質 対数スケール(数値の差はエネルギー差を意味) 階級(0〜7など)・感覚的・被害に直結
使いどころ 地震の大きさの比較、学術解析 避難指示・被害想定・現場対応
影響する要因 断層面積・ずれ・剛性(地震源の物理量) 発生場所(震源からの距離)、深さ、地盤増幅、地形、建物の耐震性
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重要な追加ポイント(現場で役立つ知識)
1. 同じMでも、震度は場所で大きく変わる
近ければ非常に大きい震度、遠ければ小さい震度。浅い地震は近くで大きな震度になりやすい。
2. マグニチュードが大きくても、必ずしも最大震度が極めて高いとは限らない
例:巨大(M8〜9)でも震源が非常に深かったり遠ければ、ある地点での震度はそれほど大きくないことがある。
3. 震度は防災行動のトリガー
「震度5弱」の地域では屋内での危険が高まる、「震度6強」は命に関わるレベル、という具合で具体的な行動(避難/屋内安全確保など)につながる。
4. 観測機器と人の体感のズレ
震度は観測点の計測値で決まるため、実際にいた場所の揺れと観測震度が微妙にずれることもある。
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ちょっと深掘り:PGA(最大加速度)と震度の関係
震度は観測される**地表の加速度(ガル=cm/s²)**などと対応しているが、地盤条件や振動の周期で同じ加速度でも被害の出方が変わります。
だから、PGAだけで震度を完全に決められるわけではない(ただし概ねの目安にはなる)。
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例で理解しやすく
同じ地震(例:M7.0) → 震源近くの観測点は震度6〜7、震源から離れた都市では震度3〜4、さらに遠ければ震度1以下、という具合にバラつく。
M9.0(例:2011年東日本大震災):非常に広範囲で強い揺れと大津波を発生させ、多くの地点で震度6〜7を記録した。
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結論(短く)
マグニチュード = 地震そのものの“総合的な大きさ”(1つの値)。
震度 = その地点での“実際の揺れ”(場所ごとに変わる)。
防災の観点では、マグニチュードで「どのくらい大きな地震か」を把握し、震度で「自分の地域がどの程度揺れて被害が出るか」を判断するのが基本です。
マグニチュードと震度はどう違うの?
疑問

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