1.生息の有無と状況
生息しているか
朝日町(山形県西村山郡)には、クマが生息・出没する可能性があります。例えば、山形県が公表している「クマに関する情報(県民向け)」には、県内の出没マップが掲載されており、朝日町も含まれていることが明記されています。
また、出没目撃情報として「10月18日午前、朝日町三中でクマ出没」の報道もあります。
どの種類か
山形県内で主に見られるのは、ツキノワグマ(Asian black bear)です。資料によれば「山形県では出羽三山や朝日連峰、飯豊山地などの山岳地帯にツキノワグマが生息しています」 とされています。
つまり、朝日町周辺の山林や山岳地帯にツキノワグマが生息しており、町の平地・市街地周辺にも移動してくる可能性があります。
多い時期
クマの出没が多くなる時期・傾向も県の資料で示されています。例えば、2025年9月末には「クマ出没警報」の期間が11月末まで延長されたとの報道があり、秋〜晩秋にかけて出没が多くなる傾向があります。
加えて、クマの冬眠に備えて餌を求めて里や人の近くまで下りてくる時期は、一般的に 夏から秋(7月〜11月) が要注意と言われています。
したがって、朝日町でも夏~秋にかけて、特に “里近く” や “山林と市街地の境界” 付近で出没が増える可能性が高いと考えられます。
2.危険性について
危険であるかどうか
可能性としては 危険 です。クマは野生動物であり、人との遭遇時には予期せぬ反応を示すことがあります。人を襲う例もゼロではありません。たとえば、山形県でも「民家の床下にツキノワグマが入り込み、捕獲された」という報道があります。
ただし、「必ず襲われる」というわけではなく、出会い方・状況・クマの状態(餌を探している、子連れ、驚かれている、追い詰められている等)によってリスクは大きく変わります。
特に注意すべき状況
以下のような状況ではより危険度が高まります:
- クマに驚かせる・突然出会う(山道や藪の中など視界が悪いところ)
- クマが餌を探して人の近くに来ている(ゴミ、畑・農作物、養蜂箱など)
- 子連れのクマ:母グマが子グマを守ろうとして攻撃的になることがあります
- 夜間・早朝の活動、または薄暗くなってからの山林・林縁部
- 人がクマの逃げ場を塞ぐ・追い詰める状況
リスクの実例
“里近く”での出没例が報じられており、地域住民や登山者・山菜採り・畑作業の人が注意を要する状況が実際に起きています。例えば「朝日町の動物出没情報」において、クマが最多動物の出没対象として挙がっているとの情報もあります。
このため、「クマがいる地域である」という認識を持って、防御的な備えをしておくことが重要です。
3.駆除すべきかどうか
駆除の是非
“駆除すべきか”という問いには一概に「はい/いいえ」と答えるのは難しいです。理由として:
- クマは多くの地域で野生生物保護の対象であり、無制限に駆除してよいとはされていません。
- 駆除の前に、まずは「なぜ出没が増えているか」「人とクマとの境界が曖昧になっていないか」「餌となるもの(ゴミ・果樹・畑)が人の近くにないか」を調べ・対応することが重要です。
- 駆除はあくまで最後の手段・例外的対応であることが、行動ガイドラインでも示されています。
山形県・自治体の方針
例えば、県の資料 “ツキノワグマの捕獲状況等について” において、朝日町も調査対象地域に含まれており、管理計画の枠の中で「捕獲(必要に応じて)」という段階が含まれていることが分かります。
つまり、駆除(捕獲・移動など)を自治体が実施する場合もありますが、それは「被害が頻発・重大」「住民の生命・安全に関わる」など、一定条件を満たした時であることが多いです。
結論として
朝日町にお住まい・活動される方としては、「クマが出没する地域である」という前提で備えをしておき、駆除については 個人で勝手に実施するべきではないというのが現実的な判断です。「自治体・県の対応を待つ」「自分で危険を増やす行動を控える」が適切です。
4.対策(個人・地域)
以下は “出没を抑える/遭遇リスクを下げる” ために有効とされる対策です。自治体・地域でも個人でもできるものがあります。
出没を抑えるための環境整備
- ゴミ・生ごみ・農作物残渣など、クマを引き寄せる“餌”を放置しない。屋外に出しっぱなしにしない。
- 畑・果樹園・養蜂箱など人の生活圏近くにあるものについては、電気柵を設置することが効果的。
- 山沿いや林縁部などで、人が活動する範囲(山菜取り、キノコ採り、散策など)では「クマが近くにいるかもしれない」場所・時間帯を意識する。
遭遇リスクを下げる行動
- 山などに入る場合には「鈴・ラジオなど音を出す」「複数人で入る」「視界を確保する」「早朝・薄暮を避ける」など、クマに自分を気づいてもらいやすくする。
- クマを見かけたら慌てず、静かに離れる。追いかけない、子連れクマに近づかない。
- 登山・散策時には「クマスプレー(適法なものか確認)」「非常時の連絡手段」を持つことを検討。
出会ってしまった時の対処
- 落ち着いて刺激をできるだけ与えない。
- 逃げる道を確保しながら、その場を静かに離れる。
- クマが近づいてきた・攻撃的な態度をとったら、防御姿勢を取り、頭部・首を守る。自治体資料に「うつぶせで防御姿勢(両腕で顔や頭をガード)」との記載があります。
地域・自治体レベルでの対策
- 地域で「クマ出没情報マップ」や「出没警報」を確認・共有する(山形県でも出没マップを公開しています)
- 農家・果樹園・養蜂家などが電気柵・ネット等導入しやすい助成制度等がないか確認・活用する。
- 学校・地域の子ども・高齢者にも「クマ出没地域である」ことを周知し、登下校・散策の安全確保を図る。
- 出没したら速やかに自治体(町役場・警察・県の自然課等)に通報・情報提供する。
5.朝日町に暮らす/通う人へのアドバイス
- 朝日町では、山沿い・林縁近く・里山地域など「クマが人の近くまで来やすい場所」での活動(散策・山菜取り・農作業)は特に注意してください。
- 夏〜秋(特に収穫期・果樹・キノコ・山菜時期)には、クマが餌を求めて下りてくる可能性が高いと想定して、ゴミ管理・音を出して歩く・早朝薄暮を避ける等を意識。
- 夜間・未明・薄暗い時間帯の外出は控えめに、特に山沿いや藪近くには近づかないのが無難です。
- 万一クマを見かけた場合は、スマホで場所を記録して自治体に通報し、近隣に注意喚起を促しましょう。
- 駆除に関しては、個人判断でハンターを呼ぶ・罠を仕掛ける等を実施せず、まずは自治体・県の指示・制度を確認してください。


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