小国町(山形県西置賜郡)におけるクマ出没・対策ガイド
1.生息・出没しているか
小国町には確実にクマ(主に ツキノワグマ)の出没・目撃・被害が報告されています。以下の事例が確認できます:
- 小国町の公式ホームページに「クマ出没警報発令中!」という告知があり、町内でクマの出没や遭遇リスクがある旨が記されています。
- 2025年10月21日 午前2時半ごろ、小国町叶水で鶏舎にクマが侵入し、「県ブランド地鶏ひな34羽」が食い荒らされたという被害が出ています
- また、小国町内の小学校付近でクマの目撃が相次ぎ、グラウンドの倉庫の屋根に登ろうとするクマの姿も報道されています。
これらから、小国町は「クマが存在・活動している地域」であると明確に言えます。特に住宅近く・鶏舎・田畑・山林の境界といった“人の生活圏”近くでもクマが出る可能性があるという点を認識する必要があります。
2.多い時期・出没の傾向
小国町および山形県全体の傾向から、クマ出没・遭遇リスクが高まりやすい時期・状況について整理します。
- 小国町の告知では「秋はクマが冬眠に向けて餌を求めて活発に動き回る季節です。県内では人身被害の多くが 9月~11月 に発生しています。特にキノコ採りなどで山林に入る際の事故が増えています。」と記されています。
- 鶏舎侵入の被害も10月中旬に起きており、まさに秋に人里近くでの被害が顕著であることを示しています。
- 県レベルの資料でも「7月3日〜9月末までが出没警報対象期間だったが、9月以降も目撃件数が例年比で多く、11月末まで拡大した」という記録があります。
- 夏から秋にかけて、果実・山菜・キノコなどの餌資源が変化する時期、また冬眠前に人里に下りるクマの行動が増える時期として警戒されます。
結論として:小国町では特に 9月~11月の秋の時期がクマの出没・人との接触のリスクが高く、山林・果樹・畑・鶏舎・住宅周辺などが“遭遇可能性のある場”として注意すべきです。
3.危険性について
クマが出没しているというだけでなく、「危険かどうか」「どのような状況で危ないか」を見ていきましょう。
- 小国町では鶏舎への侵入被害が実際に発生しており、クマが人の生活圏・農を営む場所に来ているという現状があります。これからして、「ただ見かけるだけ」というレベルではなく、実被害・リスクのある状況です。
- クマとの遭遇で危険となる典型的な状況は次のものです:
- 子連れのクマ:子グマの近くには母グマがいる可能性が高く、特に警戒心が強くなります。小国町の告知でもこの点が強調されています。
- 人とクマの距離が近い/人里・住宅近く:鶏舎侵入例・学校付近目撃例など、小国町では“人の生活圏”でのクマ出没が確認されています。
- 早朝・夜間・視界の悪い時間帯:県の資料では「早朝・夜間はクマに出会う可能性が高くなります」という注意喚起があります。 (山形県公式サイト)
- ただし、重要なのは「クマ=必ず襲う」というわけではないという点です。遭遇の状況・クマの状態・人の行動によって結果が大きく変わります。とはいえ、被害が実際に出ている地域であるため、リスクを軽く見てはいけません。
よって、小国町では「クマが出る可能性がある地域かつ、場合によっては危険な状況に発展する可能性がある地域」として備えをしておくべきです。
4.駆除すべきかどうか
クマの駆除(捕獲・個体数調整)について「すぐにすべきか」という点に関して整理します。
- 野生動物管理および県レベルのガイドラインでは、クマの駆除は「被害が頻発・重大・人身に関わる」など一定条件を満たした場合に、自治体・県が判断・実施するものとされています。個人が勝手に罠を仕掛ける・捕獲を試みるというのは望ましくないとされています。
- 小国町の被害例(鶏舎侵入)を見ると、「農作物・家禽などクマが餌とするものを人里近くから取り除く」「侵入されにくい管理を強化する」など、まずは環境整備・被害防止策が優先されるべきフェーズと言えます。
- つまり、「駆除すべきか」はその地域の被害状況・クマの頻度・人との接触状況などを踏まえたうえで、自治体・県での判断プロセスが重要です。小国町では、今のところ被害が出ているものの、個人がすぐに駆除を実施すべきという明確な情報は見当たりません。
結論として:小国町では「直ちに個人ベースで駆除に踏み切る」よりも、まずは「出没を抑える」「人とクマとの接点を減らす」ことを徹底し、地域・町・県が駆除の必要性を判断できるよう準備しておくのが適切です。
5.対策(個人・地域レベル)
小国町で実践すべき対策を、個人・家庭レベルと地域・自治体レベルに分けてまとめます。
個人・家庭レベル
- 餌となるものを屋外に放置しない:果樹・野菜・山菜・キノコ・蜂箱・生ゴミなど、クマを引き寄せる可能性のあるものは、収穫後・使用後に放置しないようにしてください。小国町の被害例でも鶏舎侵入が起きています。
- 建物・倉庫・鶏舎・物置の施錠・防御強化:小国町の鶏舎被害ではクマが金網を破って侵入しており、侵入口・防御対策の強化が必要です。
- 山林・藪・林縁部に入る時の注意:山菜採り・キノコ採取・散策などで山・林縁部へ入る場合は、複数人で行動、鈴・ラジオ・笛など音を出して人がいることを知らせる、視界・逃げ道を確保、早朝・夕方など視界が悪い時間帯・活動が少ない時間帯を避ける。小国町告知でもこの点が記されています。
- クマと遭遇した時の行動:クマに出会った場合、慌てて走って逃げるのではなく、背を向けずにゆっくり距離を取りながらその場を離れる、子グマを見たら母グマが近くにいる可能性を想定して速やかに離れる、など。県のガイドラインでも同様の対応が示されています。
地域・自治体レベル
- 目撃・被害情報の共有・警報発令:小国町では「クマ出没警報」が発令されています。住民が目撃したら町・県へ通報・情報共有し、警報や注意喚起を活用しましょう。
- 農地・家禽施設・果樹園等の防御強化:クマが餌を求めて出没しやすい“家禽飼育場”“果樹・野菜畑”“蜂箱設置地”などでは、金網・電気柵・侵入防止対策を検討・実施することが有効です。
- 山林・人里・住宅地の境界部整備:クマが藪・草・林縁から人里へ移動するケースも多いため、刈払い・見通しの確保・不要な樹木・果実樹の整理といった環境整備が推奨されています。県の資料でも「クマは藪などに身を隠して移動するため、刈払いを」との記述があります。
- 教育・住民の意識向上:子ども・高齢者・訪問者がいる場合、地域として「この地域はクマ出没可能性あり」という共有意識を持ち、散策・農作業・学校下校時などの状況を見直す。
- 駆除が必要な状況に備える:被害が頻発・人身に至る恐れがある・クマが人里内に居続ける等、駆除の検討が必要な状況になった場合に備え、町・県生態系管理・鳥獣被害防止計画などを把握しておくこと。
6.小国町に暮らす/活動する方向けアドバイス
- 小国町では、特に 9月~11月の秋期にクマの出没・人との接点が増える時期とされています。山菜・キノコ採り・畑・果樹収穫・夜間外出などの機会が多い時期でもあるため、警戒を強めてください。
- 住宅地・畑・鶏舎・学校近く・道路沿いなどでもクマ出没が確認されており、「山奥だけ」の話ではなく、日常生活圏でも起こりうるという認識を持ってください。
- 万一クマを見かけた場合、可能な限り写真・時間・場所を記録し、町役場・林業振興課・警察へ報告すると、今後の地域対策に役立ちます。
- 駆除(捕獲)を個人判断で実施するのではなく、まずは「クマがまわりに出にくい環境をつくる」「遭遇しない・被害を受けないための行動を徹底」し、町・県の対応状況をチェックしてください。
- 特にお子さん・高齢者・地域活動をする方がいる場合、「散策・農作業へ行く時間帯」「誰と行くか」「備え(鈴・音・連絡手段)」を事前に話しておくと安心です。


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