「水を飲むことは大切だけど、飲みすぎると逆に疲れやすくなることがある」というのは、実は正しいです。これは単なる迷信ではなく、生理学的・医学的な根拠がある現象です。以下に、なぜ水を飲みすぎると疲れやすくなるのか、どうすればちょうど良い水分補給ができるのか、詳しく解説します。
🧪 1. 水の飲みすぎで起きる代表的な問題:低ナトリウム血症
✅ 原因
水を大量に摂取すると、体内のナトリウム(塩分)が相対的に薄まりすぎてしまう現象です。
✅ 結果として起こる症状:
- 倦怠感(つかれやすさ)
- 頭痛・めまい
- 筋肉のけいれん
- 意識障害・吐き気
- 重度の場合は昏睡や死に至るケースも
👉 これが、**「水を飲みすぎると逆に疲れる・調子が悪くなる」**という理由の根本です。
🚰 2. なぜ疲れる?:体液バランスが崩れるから
人間の体液は、ナトリウム・カリウムなどの電解質(イオン)によって一定のバランスを保っています。
| 飲む量が適切 | → 血液や細胞内の浸透圧が安定し、元気に活動できる |
| 飲みすぎてナトリウムが薄まる | → 細胞がむくみ、神経や筋肉が正常に働かなくなる |
結果として、「ぼーっとする」「体が重い」「疲れが抜けない」などの倦怠感を引き起こします。
⚠️ 3. よくある「飲みすぎ」シチュエーション
❶ 熱中症を恐れて大量に水だけを飲む
→ 汗でナトリウムが失われているのに、水だけで補うと電解質バランスが崩れる
❷ スポーツや部活で「がぶ飲み」
→ 特に夏場、1時間で1〜2L飲むとリスクが高まる
❸ 健康志向で「1日3L」など極端な目標
→ 体格や活動量に見合っていなければ、過剰摂取になる
🧠 4. 「水は多ければ多いほど良い」は間違い
現代では「水をたくさん飲むと健康になる」という情報も多いですが、摂りすぎは逆効果になる場合もあります。
✅ 目安とされる適量:
- 成人の場合、1日あたり1.2〜2.5L程度が適量
- 激しい運動をした場合でも、1時間で500〜800ml程度を目安に(発汗量に応じて)
※この中には食事から得られる水分も含まれます。
💡 5. 正しい水分補給のコツ
シチュエーション | コツ |
---|---|
運動中・部活中 | → 20分ごとにコップ1杯(200ml)程度→ スポーツドリンクなどで電解質も補給 |
日常生活 | → のどが渇く前に少しずつ→ 一気飲みを避ける |
高温多湿の日 | → 汗をかいたら「水+塩分」両方を意識する |
トイレが近い | → むくみ・冷えも含めて飲み方を見直すサインかも |
✅ まとめ:飲みすぎると疲れやすくなる理由
原因 | 結果 |
---|---|
水の飲みすぎ | 血液のナトリウム濃度が薄まる |
低ナトリウム血症になる | めまい・けいれん・倦怠感などが発生 |
体液バランスが乱れる | 筋肉や神経の働きが低下し、疲労感UP |
🚫 こんな時は要注意!
- 「水をたくさん飲んだのに疲れが取れない」
- 「めまいやだるさ、頭痛があるのに熱もない」
- 「スポーツ後にふらつく・吐き気がある」
これらは水の飲みすぎ=低ナトリウムのサインかもしれません。
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