「パチンコ台の玉つまりが自分の台にばかり起こるように感じるのは、店から“ロックオン”されているからだ」という考えは、**科学的根拠のない思い込み（誤解）**にすぎません。以下にその理由を詳しく解説します。
① 「ロックオン」という発想に根拠はない
「ロックオン」とは、「ホール側が特定の客を狙い撃ちにして、負けさせるために遠隔操作などを行っている」という都市伝説的な考え方です。
しかし実際のところ、日本国内で稼働しているパチンコ台には「遠隔操作を可能にする機能は法的に認められていません」。
風営法や関連する技術基準に基づき、メーカー出荷時に「不正改造ができないように設計されている」ことが前提となっています。
万一これを破った場合、ホール側には営業停止・営業許可取消などの厳しい処分が下されるため、実際に「個人を狙った遠隔操作」を行うリスクは非常に高く、合理性がありません。
② 玉詰まりは機械的な物理現象
玉詰まりが起こるのは、以下のようなごく現実的な要因によるものです：
- 玉が変形している／汚れている
- 機械内部にホコリ・ヤニが詰まっている
- 湿気や静電気による影響
- 台の経年劣化やメンテナンス不足
つまり、誰が打っているかに関係なく、機械や環境によって自然に発生する現象なのです。
③ 「自分ばかり」が起こる理由は認知バイアス
玉詰まりが頻繁に起こった場合、人はその出来事を強く記憶し、「また自分の台だけ詰まった」と感じる傾向があります。これは心理学で言う「確証バイアス（confirmation bias）」です。
たとえば、
- 他人の台で詰まっているところは見逃している
- 自分の不運だけを強調して記憶している
こうした認知の偏りによって「ロックオンされている」という思い込みが生まれるのです。
④ ホール側にとって「ロックオン」にメリットはない
もしホール側が特定の客を「ロックオン」して嫌がらせのように玉詰まりを起こしていたとしたら、客はどうするでしょうか？
→ そのホールには二度と行かなくなる可能性が高く、長期的に見てホールにとって不利益です。
ホールはあくまで多くの来店客に遊技してもらい、継続的に利益を得るビジネスであるため、特定の客に損をさせるような仕組みをわざわざ仕込むインセンティブはありません。
⑤ 実際に不具合がある可能性はあるが、それは“個人狙い”ではない
繰り返し玉詰まりが起きる場合は、機械の不具合や整備不良が疑われますが、それは「台の問題」であり、「人」には関係ありません。
したがって、店員に伝えて点検・清掃してもらうことで改善される可能性があります。
🔚 結論
「玉詰まりが自分の台にばかり起こるのは、店にロックオンされているからだ」というのは、根拠のない誤解や思い込みです。
現実には、
- 玉詰まりは物理的な現象であり
- 店にとって客を狙い撃ちにするメリットはなく
- 遠隔操作のような仕組みは法律で厳しく規制されている
ことから、店側の意図ではなく偶然や心理的錯覚が原因だと理解することが妥当です。
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