リクガメのケージ・寝床が寒く、気温が低くなりやすい原因と、暖房(部屋暖房)を使っても暖まらない理由・確実に効く対策を、リクガメ特有の生理(変温動物)を前提に、実践レベルで詳しく解説します。
※リクガメは温度管理の失敗がそのまま命に直結します。
大前提:リクガメは「自分で体温を作れない」
- リクガメは変温動物
- 体温=周囲の温度
- 「寒い=活動停止=消化停止=衰弱」
👉 人や犬と同じ感覚での暖房管理は絶対に不可
リクガメのケージ・寝床が寒くなる主な原因
① 床からの冷え【最大要因】
- 冷気は下に溜まる
- ガラス・木製ケージを床に直置き
- 床面温度は室温より2〜5℃以上低い
➡ リクガメは常に最も寒い場所で生活している
② 暖房の暖気が届かない
- エアコン暖房は天井付近のみ暖かい
- ケージ内は温度ムラだらけ
- バスキングスポット以外が極端に低温
③ ケージの断熱不足
- ガラス面・メッシュ面から熱が逃げる
- 背面・側面が裸
- 冬は外気とほぼ同じ環境になることも
④ 夜間の無加温・設定ミス
- 夜は暖房OFF
- 室温低下に気づかない
- 朝には低体温状態
⑤ 温度を「感覚」で判断している
- 温度計が1つだけ
- 高温部しか測っていない
- 床面温度を把握していない
寒いときに出る危険サイン(要注意)
- 動かない
- 食べない
- 目を閉じてじっとしている
- 手足を引っ込めたまま
⚠ 「寝ている」は誤解
低温で代謝が止まりかけている状態です。
基本対策(必ずやるべき土台)
① ケージを床から浮かせる【最優先】
- 台・ラック・発泡断熱ボード
- 床冷えを物理的に遮断
- これだけで生存率が変わる
② ケージ全体を断熱する
- 背面・側面:断熱材・発泡ボード
- ガラス面:断熱シート(外側)
- 上部は一部だけ通気
➡ 「箱」ではなく保温容器にする
暖房を使っても暖まらない理由(重要)
- 必要温度が人よりはるかに高い
- 暖気が床まで届かない
- ケージ内に温度勾配がない
- 夜間の温度維持ができていない
👉 部屋暖房は補助でしかない
確実に効く対策(ここが核心)
① ケージ内を「人工的に暖める」【必須】
昼間(活動時間)
- バスキングライト
- 高温スポット:32〜35℃
- 消化・活動に不可欠
夜間(無光加温)
- セラミックヒーター
- パネルヒーター
- 夜間最低温度:22〜24℃以上(種類により差)
⚠ 夜間に冷やす飼育は原則NG
② 必ず「温度勾配」を作る
| 位置 | 目安温度 |
|---|---|
| バスキング直下 | 32〜35℃ |
| 中間 | 26〜28℃ |
| 低温側 | 24〜26℃ |
| 夜間最低 | 22〜24℃ |
➡ 全体を同じ温度にしない
➡ 暑さ寒さを自分で選ばせる
③ 温度計は最低2か所
- バスキング直下
- 床面(低温側)
※「1個だけ」は事故の元
④ 寝床(シェルター)内の保温
- シェルター下にパネルヒーター
- 直接触れない構造
- 内部が25℃前後を維持
絶対にやってはいけないNG例
- 人用暖房だけで管理
- 夜間完全無加温
- 温度計なし飼育
- 犬・猫と同じ室温でOKと思う
- 「冬眠っぽいから大丈夫」という判断
👉 日本の室内環境で自然冬眠はほぼ不可能
種類別・注意の目安(参考)
- ギリシャ・ヘルマン:寒さに弱い
- ホルスフィールド:比較的強いが油断禁物
- ケヅメリクガメ:寒さに極端に弱い
※「強い=低温OK」ではありません
まとめ(最重要ポイント)
- リクガメは暖房生物ではなく人工環境生物
- 寒さの原因は
床冷え・断熱不足・夜間無加温 - 解決策は
床断熱+ケージ断熱+局所加温+温度勾配 - 部屋暖房は補助以下
リクガメ飼育で一番多い失敗は
**「思ったより寒かった」**です。


コメント