除雪機の音が普段より大きい場合は、異常のサインや部品劣化の兆候であることが多く、放置すると故障や火災のリスクにもつながります。ここでは、原因別の対処法、点検手順、再発防止策を詳しくまとめます。
◆ 1. まずやるべき安全措置
大きな音がする時も、まずは安全第一です。
- 機体を停止
- キーを抜く/ストップスイッチを押す
- 電動式は主電源オフ
- 周囲の人・物から離れる
- ベルトやオーガが壊れると飛散物の危険あり
- 音の種類・場所を確認
- 金属音(ギーギー、ガラガラ)
- 異常振動を伴う音
- 排気音が異常に大きい
「音が大きい=故障の前兆」と考えて、点検を優先してください。
◆ 2. 原因別のチェックポイントと対処法
■ A. ベルト摩耗・滑り・張力不良
- 原因
- オーガベルトや走行ベルトの摩耗・緩み
- 雪詰まりによる滑り
- 症状の特徴
- ギーギー・キュルキュル音
- 回転負荷が増すとエンジン音も大きくなる
- 対処法
- ベルトカバーを外して摩耗・焦げを確認
- 張力不足や緩みを調整
- 摩耗・亀裂があれば交換
- 再始動前にベルト周辺の雪・氷を除去
■ B. オーガ軸・ベアリングの摩耗・損傷
- 原因
- 長期間使用でベアリング劣化
- 異物巻き込み(小石・氷・ビニール)
- 症状
- 金属音(ガラガラ、カラカラ)
- オーガ回転が重い
- 対処法
- オーガ内部の異物を除去
- 回転軸に手で回して違和感がないか確認
- 異音が続く場合はベアリング交換
- 使用前に潤滑油を適量注入
■ C. ギアケースやクラッチの摩耗
- 原因
- 走行クラッチ、オーガクラッチの摩耗
- ギアオイル不足
- 症状
- ガラガラ、ゴロゴロ音
- 負荷がかかると音が大きくなる
- 対処法
- ギアケースオイル量・状態確認
- 摩耗部品は交換
- クラッチワイヤーの張力調整
■ D. エンジンの異常
- 原因
- 排気管の詰まり
- マフラーの錆や穴
- ピストン・シリンダー摩耗
- 症状
- 排気音が異常に大きい
- 振動や回転不安定を伴う
- 対処法
- マフラー・排気口の詰まり除去
- 排気音が改善しない場合は整備工場で点検
- エンジンオイル量・種類を確認
■ E. 電装系・振動
- 原因
- 電動式のモーターや配線の劣化
- 固定ネジやカバーの緩み
- 症状
- ビリビリ・ブーンと低周波音
- 異常振動がある
- 対処法
- 緩みネジの締め直し
- 焦げ臭や異常熱がないか確認
- モーター異常なら交換
◆ 3. 点検チェックリスト
- ベルトの摩耗・張力・位置
- オーガ・投雪口の異物
- ベアリング・オーガ軸の回転
- クラッチ・ギアケースのオイル量
- マフラー・排気口の詰まり
- カバーやネジの緩み
- 電装系・配線の焦げや緩み
いずれも異常がある場合は使用停止・整備必須です。
◆ 4. 再発防止策
- 使用後:雪・氷・ゴミ除去、乾燥
- 定期点検:ベルト・オーガ軸・ベアリング・クラッチ・ギアオイル
- 緩みチェック:ネジ・カバー・ワイヤー
- 冬季中:湿雪での長時間運転は避ける
- エンジンオイル管理:規定量・冬用オイル使用
◆ 5. 緊急度の目安
- 音が大きいが煙・焦げ臭がない → 冷却後点検で応急対応可能
- 音+焦げ臭・煙・振動がある → 使用停止・整備必須
- 金属が摩耗して破損する前に早めに点検・交換が安全
💡 まとめ
- 音の変化は「故障の前兆」と捉え、安全停止 → 点検 → 修理が基本
- 原因は「ベルト・オーガ・ベアリング・クラッチ・ギア・エンジン・振動部」のいずれか
- 異常がある場合は無理に運転せず整備工場で修理


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