「燃えるリスクがあるなら、どうして家電量販店やコンビニにあんなにたくさんのモバイルバッテリーが堂々と並んでいるのか?」という疑問ですね。
結論から言うと――店頭に並んでいる正規のモバイルバッテリーは、法規制や検査をクリアしているため、基本的に安全性が担保されているものです。ただし「ゼロリスク」ではないため、使い方や経年劣化次第で事故の可能性は残ります。
以下で詳しく解説します。
1. 店頭に並んでいる製品が「基本的に大丈夫」な理由
◆ 法規制による安全基準
- 日本では**電気用品安全法(PSEマーク)**があり、モバイルバッテリーは対象製品になっています。
- PSEマークがある製品は、一定の検査・基準(過充電保護・短絡保護・過熱保護など)を満たしていないと販売できません。
- この法律に違反して販売すると、事業者は罰則を受けるため、量販店や大手チェーンでは基本的に安全認証済みの製品しか扱いません。
◆ 大手メーカー・正規代理店の信頼性
- Anker、ELECOM、バッファロー、Sony、Panasonicなどの大手は、安全認証・品質検査を徹底。
- 家電量販店は「無認証の安物」を扱うとブランド全体の信用に関わるため、厳しい仕入れ基準を設けています。
◆ 販売時の検品・不具合対応
- 初期不良やリコールが出た場合は、店舗が回収・返品対応します。
- 店頭に並んでいる時点で、基本的には「安全とみなされるレベルの検査を通過している」ということです。
2. それでも「燃えるリスク」が完全にゼロでない理由
◆ リチウムイオン電池の特性
- モバイルバッテリーは小型化・大容量化のためにリチウムイオン電池を使用しています。
- この電池は高エネルギー密度が特徴で、衝撃・高温・水分・過充電などが起きると「熱暴走」を起こす性質があります。
◆ 使用者の環境
- 布団の中で充電する
- 直射日光の車内に放置する
- 安物のケーブルやアダプタを使う
こうした環境は、いくら安全な製品でもリスクを増やします。
◆ 経年劣化
- バッテリーは消耗品であり、充放電回数を重ねると内部劣化します。
- 膨張・発熱・容量低下が進むと、安全装置が効かなくなる可能性もあります。
- そのため 「古いモバイルバッテリーは処分」 が推奨されます。
3. 安全な店頭製品を見分けるポイント
- PSEマークがあるか(必須)
- メーカーが明記されているか(無名・怪しい日本語の商品は避ける)
- 販売店が大手であるか(量販店や正規代理店なら安心度が高い)
- 安全機能の記載があるか(過充電保護・過放電保護・短絡保護・温度管理)
- レビューに「発火」「膨張」の声がないか(ネット購入時は必ずチェック)
4. 実際に安全に使うための心構え
- **「買ったときは安全、でも使い方次第で危険になる」**という意識を持つ。
- 正規品を選んでも、以下を守らなければ危険性は上がります:
- 就寝中や布団の中での充電は避ける
- 高温環境に放置しない(車内など)
- 異常が出たら即中止・廃棄する
- ケーブル・アダプタは純正か信頼できるものを使用
5. まとめ
- 店頭に並ぶモバイルバッテリーは法規制をクリアし、基本的に安全性が担保された製品。
- しかし、リチウムイオン電池の特性上「燃えるリスクを完全にゼロ」にはできない。
- 安全性は「製品選び」と「正しい使い方」の両方で確保される。
- 怖いと思ったら「寝る前に充電を終える」「膨張したらすぐ処分」を習慣化すると安心できます。
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